原発 1973年~1995年―樋口健二写真集

著者 : 樋口健二
  • 三一書房 (1996年8月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784380962523

原発 1973年~1995年―樋口健二写真集の感想・レビュー・書評

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  • 日本における原発の労働者被曝についての問題を長い間取材してきた筆者による写真集です。ここに『安全でクリーンなエネルギー』と長い間喧伝されてきた原子力発電の本当の姿が記されていると僕は確信しています。

    僕は樋口健二さんのことをYoutubeの中で加藤登紀子の『原発ジプシー』という歌を聞いているときに関連動画として、彼の映像が右側にあって、それをクリックしたのがきっかけでした。あの歌に描かれていることは、本当のことだったんだなと、彼の話を聞いて知り、非常にショックを受けたことを覚えています。

    それで今回、この写真集を手に入れて読む機会があって、紹介することのできる運びとなりました。ここに写っているのは致死量の放射線が漂う原子炉の炉心部の中で、『特攻隊』や『人海戦術』として投入され、水蒸気の出す熱であえぎながら過酷な労働をし、被曝した原発労働者たちです。僕も正直な話、原発はすべてコンピューターによって制御されているものだとばかり思っていて、それがまさか現場の最先端では汚れた炉心部をウェスで文字どおり地をはいつくばって『除染』に当たっている作業員や、原発の『定期点検』で『半マスク』をしている貴重な写真がここに収録されております。

    都心で潤沢に電気を使うことができるのは、現場でこうして被曝しながら過酷な労働に従事している労働者がいる、という現実に言葉がありませんでした。そして、日本の原子力産業がまさにピラミッド型の『差別』によって構成されていることも、被写体になっている被曝した労働者の証言から明らかになっています。衝撃的な写真が多いので、あまりみんなに見てくれ、とは僕の口からは言うことはできませんが、この本は現在、絶版のようですので、ご興味のある方は図書館なり古本屋をめぐって入手されることをお勧めします。

    最近、著者の元には3.11以降週刊女性、女性セブンなどの女性誌からの取材がひっきりなしに来るらしく、そのことに驚いているのだそうです。以下にあの事件のショックが大きいということでしょうね…。

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