「擬音語・擬態語」使い分け帳

  • 山海堂
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784381086273

感想・レビュー・書評

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  • 面白い本を見つけました。
    似ているようで微妙に違う、擬音語と擬態語の使い分けについて
    書かれています。

    「コーラを『がぶがぶ』飲んだ」の「がぶがぶ」
    「コーラを『ごくごく』飲んだ」とどう違うのでしょう。

    「わくわく」と「どきどき」の違い、
    「いらいら」と「むかむか」の違い、
    「さめざめ」と「めそめそ」の泣き方の違い、
    実例を挙げて書かれています。

    お子さんよりは、保護者の方に。

  • 2つの似た擬態語・擬音語(例えば「あっさり」と「さっぱり」、「うんざり」と「げんなり」など)を比べて、2つの微妙な意味の違いを解説した本。まず2つの語が使われている具体的な場面、状況が紹介され、その2つの語がどう違うのか、次の1ページで説明されている。全部で70近くのペアが取り上げられていて、最後の章では、俳句や短歌の中で使われてている擬態語・擬音語を取り上げ、それらの語がなぜ他の擬態語・擬声語では駄目で、どういった効果を生み出しているのかについて書かれている。
    2つの語が比べられていることで、とてもそれぞれの語の持つニュアンスも分かりやすくなっており、なかなか説明しづらい感覚が、雑誌や新聞、小説などの実例とともにかゆい所に手が届くような感じで説明されていて面白い。「うつらうつら」と「うとうと」とか、写真の音の「かしゃっ」と「ぱちり」の違いなど、外国人に説明しろと言われてもなかなかうまく説明できないのではないだろうか。意見としては、「使い分け帳」というタイトルらしく、2つの語の違いやポイントをまず端的に示し、そのあと実例などを含めた説明にするともっと分かりやすくなったと思う。さらに、最後の章では和歌が取り上げられているが、急に和歌というのもとっつきにくい感じがするので、これまでの章で出てきた語のおさらいをするような問題集みたいな感じにしても良かったと思う。あるいは、途中で少し述べられているように、「『o』は丸いイメージ、『a』は大きく広がるイメージ」(p.148)のような音象徴の話など、それまでの章でみてきた様々な擬態語・擬音語の解説を敷衍するような章にしても良かったと思う。
    個人的には、「最近『がぶがぶ』の価値が高くなってきた」(p.16)、「昔『むかむか』は良い意味でも使われていた」(p.34)、「めきめき」と「めっきり」の意味の分担(p.150)などの歴史的な話が面白かった。(08/07/30)

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著者プロフィール

一九四三年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、二〇二二年に日本学賞を受賞。二〇〇八年紫綬褒章、二〇一六年瑞宝中綬章を受章。

「2023年 『日本語が消滅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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