リーダーシップ構造論 リーダーシップ発現のしくみと開発施策の体系
- 産業能率大学出版部 (1970年1月1日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784382055827
感想・レビュー・書評
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【星:4.0】
「戦略策定概論」「組織設計概論」とあわせて、著者の戦略的経営に関する三部作の完結編といった位置付けの本。
「リーダーシップ」でどのような話を展開するのかと読む前は思ったが、リーダーシップを持った人材の育て方といった単純な内容ではなく、組織設計、人材配置など様々な観点からリーダーシップを論じて、最終的に「構造論」としてまとめてあげている類書を見ない内容だと感じた。
この本を読み終わり、「戦略策定概論」「組織設計概論」、そして本書とあらためて著者の経営戦略3部作を読み返してみたいという思いを抱いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何をすべきか、の戦略策定概論、
いかに実行すべきか、の組織設計概論、
いかに動かしきるか、のリーダーシップ構造論という三部作。
この書物から読んでしまったが、
他の二部を読むことでより理解が深まると思われる。
リーダーシップはとかくその有無が議論されがちで、個人の資質に言及されがちだが、本書は本人の能力も含めて、リーダーシップ「発現」の構造を体系的に整理しており、大変参考になった。
理論的かつ実用的な書籍として素晴らしいと思う。 -
これはかなり勉強になった。
「リーダーシップ=方法論」という概念がまず自分の中に無かった。
今まで「リーダーシップ=能力」(本書で言うリーダーシップコア)という概念で見ていたから、如何にスキルとしてのリーダーシップを向上させられるかということばかりに目がいっていた。
組織編成という観点からリーダーシップ開発を考えることができたのは自分にとっては新鮮。
そして日常に落とし込んでいくこと。
演出的行動でHumanityとConsistencyを強化しつつ、知識を入れてアウトプットするという一連の流れをひたすら繰り返すことでCapabilityの部分を向上させていく。
最近は自分に無い要素をなんとか取り入れようとひたすら演出しているというのもあって、少しずつではあるけど自らの変化を感じ取れている。
あとはこれを長期間にわたって根気よく続けることかな。 -
波頭亮氏の、企業経営シリーズの3冊目。
論理が明快な文体と、美しく体系立てられた文章構造により、すぐに読み終えることができた。
本書の最大の価値は、以下の2点に集約できると思う。
1.リーダーシップの要件を著者なりに分解・構造化し、リーダーシップの発現を、誰でも可能なレベルまで落とし込んだ点
2.リーダーシップは、個人の資質のみによるものではなく、組織構造にも左右されることを示した点。
個人的な感想、衝撃を受けた点は、以下の通り。
・リーダーシップコア(リーダーたるものの資質)を、具体的に分解し提示している点。特に(リーダーシップコアに含まれる要件の一つである)論理的思考力をつけるために、接続詞をつけて文章を読んでみる、裁判の判決文を読んでみるなどの努力をすべきというのが意外だった。
・MBOにおいて、定量的な目標よりも定性的な目標設定にしたほうが、上手くいくということ。
本書が良著だっただけに、シリーズ他2冊の中身も、非常に期待が持てる。本書の内容をまとめた後に、手を出してみたい。 -
内容そのものもそうですが、
構造的かつ論理的な、文章の書き方、まとめ方がためになります。
全体を網羅して語ることに重きを置いているので、
他の本で見落としがちな点までピックアップできており、
構造的に考えることの力を地で見せつけられます。 -
本物の名著。組織というモノに少しでも興味がある人には勧められます
僕の中で、最近ブームの波頭亮さんの本。
「組織設計概論」と「戦略的策定概論」に続く三部作の三作目。
実用/内容共に素晴らしかった。
組織論の歴史から始まり、現在の組織論のベースとなっているモノやそれぞれの打ちて、マネジメントとリーダーシップの違い等、組織論に興味が無くても、組織というものに若干でも興味があれば是非読んでもらいたい内容。
前の二冊に比べて、内容も分かりやすく(視点の違いか?)、本当に身につけたいと思える専門書だった。
2月度の精読対象はこれに決めたので、後ほどご本人に成り切ってトレースとまとめをしてみようと思います。 -
書かれていることは斬新でないものも多いが、筆者がきちんと感がている様子がうかかがえるのが好印象。施策などは自分できちんと考え、アクションに落とすマインドが何よりも重要だと教えてくれる。
140601再読
リーダーシップをフォローワーから研究。リーダーシップ開発だけでなく発言の仕組みにも紙を多く割いている。
何をするか(戦略)、いかになすか(組織)という非人間的システムが完成すればするほど、誰がするかという人間的システムに規定される、というのが問題意識。
概ね納得いく内容だが、クリエイティブスペースの大きさがリーダーに着いていく要素だという説明は、若干論理の飛躍を感じた。 -
働きかけ、コミュニケーションが大切。
リーダーにとって重要なのは、能力、人間性、一貫性。
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リーダーシップについて、しっかりとしたフレームワークに基づき書かれている。
実務書、というよりも学術書に近い本。
リーダーシップが発揮される仕組みは、
? リーダーからの働きかけ
? フォロワーの心理的変化
? フォロワーによるリーダーへのアクション
の3ステップ。
これが生じやすくなるためには、
I. リーダーシップコア
II. チームケミストリー
III. タスク特性
IV. 組織特性
の4つの要素がある。
Iは、リーダーが学習や経験により強化していくべき事項。
II〜IVは、仕組みのよって整備が可能であり、
フォロワーのクリエイティビティスペースが大きいほど良い。
波頭亮氏の三位一体(戦略論、組織論、リーダーシップ論)の残り2冊も
早く読んじゃおう。
残り2冊を読んだ上で、またこの本に戻ってくることにしたい。
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波頭亮の作品





