ぼくたちの外国語学部

著者 :
  • 三修社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784384096460

作品紹介・あらすじ

現代日本にとって外国語とは何か

感想・レビュー・書評

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  • 外国語学部で地域研究などではなく、言語そのものを学びたい方に。外国語学部の雰囲気がつかめると思う。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00484024

    《外国語を学ぶとはどういうことか》
    これから「外国語」の話をしよう。
    外国語学部とは何か、外国語学部生とはどういう大学生か、そもそも現代日本にとって外国語とは何か。

    世間には、外国語学習を推奨する一方で、それだけではダメだという考えが根強い。外国語はできて当たり前。それに加えてコンピュータとか、あとはなんだかよく分からない資格をあれこれ取って、はじめて社会に有用な人間となる。就職難の昨今、外国語だけでは自分を売り込むセールスポイントにならないというわけだ。そういう観点からすれば、外国語なんて就職活動のときに自らを飾るアクセサリーの一つにすぎない。
    そう考えるから、外国語しか学べない外国語学部は人気がない。
    だが、本当にそうなのだろうか。

    …本書はいろいろな読み方ができる。単なる大学生の日常を描写したエッセイとも読めるし、外国語学部論にも読める。どう捉えようが、それは読者が判断することである。ただ、何か情報を得ようとか、知識を増やそうと考えて読んだ人は、肩すかしをくらうことになる。それはわたしの著書すべてにいえることだろう。読書に実用を求めることが嫌いなのだ。(本文より)
    (出版社HPより)

  • 2017/10/26 初観測

  • "外国語を学ぶ学生と教授の交流記。
    インドネシア語、ドイツ語、ハンガリー語、ポーランド語などを学ぶ個性的な学生と黒田先生との授業、裏ゼミ、日常のやり取りを綴っています。"

  • 愛だねぇ。風呂入ったら暑くて寝られなくて、ってしてるうちに一気に読んだ。

  • 黒田先生の非常勤先外国語学部での裏ゼミの話。
    外国語学部というところに集まってきた学生たちとのいろんなやりとりや、黒田先生の外国語を学ぶ学生さんたちへのいろんな思いを感じられて、とても興味深かったです。

    最後のところで、外国語学部生には、「専攻語+同系語+英語+有力語」の4つをぜひ学んでほしい、それくらいはやらないと「言語」というものがつかめない、と言うメッセージが、黒田先生らしいなぁと思って面白かったです。
    黒田先生の本を読むと、言語にどんどん触れたくなります。今年は時間をとってやりたいな。

  • 黒田龍之助さんの本を、数冊読んで、この本を読んだ。

    専門的な言語学の話でもなく、専門のスラヴ語系にまつわる話でもない。
    今まで読んだ黒田氏の著作で、(個人的には)かなり重めのエッセイのように感じた。

    外国語学部の一部、5人の学生の人生を垣間見る。

    本書の前書きには、このように書いてある。

    「タイプの違う五人の外国語学部生をよく観察し、話を聴き、長い時間をいっしょに過ごす。その経験から得たことを
    、私見を交えながら綴っていきたいのである。」
    (中略)
    「いや、もしかしたら、これは外国語学部で非常勤講師をしながら踠き続けた、私自身の記録なのかもしれない。」

    著者が外国語学部性に期待することは、心に響いた。
    以下に挙げる。
    1 専攻語+同系語+英語+有力語をバランスよく勉強する
    2 留学が絶対ではない
    3 言語理論に深入りしない

  • 「アカデミック寅さん」を自称するフリーの非常勤外国語教師が、外国語学部で出会った5人の学生との「裏ゼミ」を通じて、学生の様子や現代の大学について書く。
    新たに使える外国語を学び直したいと思って読んだ。検定試験などにはまるのではなく、純粋に楽しみながら使える言語を習得したいと思った。


    著者が外国語学部性に期待することは
    1 専攻語+同系語+英語+有力語をバランスよく勉強する
    2 留学が絶対ではない
    3 言語理論に深入りしない

  •  著者から言語学を学ぶということが共通点の、専攻語、外国語への姿勢、性格も全くばらばらの5人の学生のエッセイ。
     私も学校は違えど外国語専攻なので、カリキュラムのこと、専攻語の選択理由(を表向きと裏向き作っちゃうこと)、英語との距離感、悩み(時に実用への悩み)…あるあるだらけでした。 
     外国語学部は、「言語」に興味がある学生もいれば、歴史に興味のある学生もいる、何故か専攻語と違う外国語に情熱を燃やす学生もいる、一つの外国語を中心に多様な学びがある、そういう場でした。
     現在、講師として学生に接する自分を翻って考えたりもしました。
     最終章に裏ゼミというこの5人へのメッセージと称して、外国語学部に著者が期待すること3つ。「外国語を4つ以上勉強すること」「留学が絶対ではない」「言語理論にのめり込まない」は、肝に銘じておこうと思います。

  • マイナー言語を学ぶのは大変だ。

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著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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