世界文学大図鑑

制作 : 沼野 充義  越前 敏弥 
  • 三省堂
4.07
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本棚登録 : 170
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784385162331

作品紹介・あらすじ

『ギルガメシュ叙事詩』から、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』まで、古今東西の「世界文学」の主な潮流を、豊富な図版を用いてわかりやすく案内。本編100編あまり、各時代ごとにさらに200を超える作品を紹介している。いわゆる「必読書リスト」ではなく、読者を次の一冊へと誘う本。

感想・レビュー・書評

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  • 出版を知ったとき、「なぜ三省堂?ブックガイドは手間がかかるのもわかるけど、結構いいお値段だこと」とちょっと不思議に思ったが、実物を見て分かった。「図鑑」の邦題が示すように、英語圏の図鑑ではおなじみのDKシリーズ。版が大きい、表紙も各ページの紙も厚い。あまりに重くて、膝の上に置いて読むが、地味に石抱き状態である(まあ、それでいいんだけど)。なお、原題は〝The Literature Book”。

    見開き2ページで、古今東西の文学作品を解説するスタイル。『ギルガメシュ叙事詩』から始まるのはお約束であるとはいえるが、ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』まで個別の項目でカバーされていることには地味に驚いた。コラムとしては、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』までをカバーしているので、2013年までの世界文学オールオーバーガイドと考えていい。時系列に沿って紹介されているので、今自分が読んでいる本がどのあたりの時代に書かれたものか、同じ時代の作家には誰がいるか、具体的にイメージできるのもいい。

    ブックガイドとして読むと楽しいとは思うものの、各作品についてのイメージがつかみにくい構成であるというのがちょっとばかりのネックかもしれない。作品のあらすじを記載するかどうかには賛否あるとは思うが、「形而上文学」「プレイヤード派」というキーワードを「ほほう、なるほど!」と学べるわりには、「で、つまるところ、なんの話ですかね、この作品」という印象を素朴に持つことが多いように感じた。

    手元に一冊おいておくと、読んだことのない本を読みたくなるブックガイドだし、バイヤールばりに読まない本について堂々と語るにも便利だと思うが、もちろん作品のチョイスの好き嫌いはある。古代の部分はお約束的に『ギルガメシュ―』と『死者の書』とホメロスだったりするので、個人的にはミカ・ワルタリ『エジプト人』の元ネタとなった『シヌヘの物語』など、世俗的なものがちょっと紹介されてもいいかなとは思ったが、巻末の監訳者あとがきには「そんなこと言わないの(意訳)」とあるように、そのあたりは好みの問題です、はい。

    この調子で、どこかの出版社が〝The Complete Idiot's Guide to American Literature”を訳してくれるとありがたいんですが。


  • カバーする領域が広いのと、他の作品との関連性をキーワードで繋げてくれるのはありがたい。

    現代に近い方が知らない作品が多くてびびる。

  • 文学

  • 私が読書に夢中になる理由が
    ここにも。

    読書によってのみ、
    われわれはいつの間にか、
    しばしば否応なく、
    他社の肌の下、他者の声のなか、
    他者の魂の奥へ滑りこむ。

    ージョイス・キャロル・オーツ

  • 図書館

  • 一度読み終えたぐらいで何が身につくわけでもないのだけど、なんか達成感ある(笑)
    知識系の本って、いろいろあるけど、図版がたくさんおりこまれていてかえって読みにくかったり、文章そのものがわかりにくかったりするものが多いなか、本書は、デザインがたいへんすっきりしていて、何より文章が明快でわかりやすい。4200円という値段はぜんぜん高くないんじゃないのかな。学生さんだとちょっとためらうかもしれないけど、奮発しても損にはならないと思います。すごくおすすめ。

    何より4000年?にわたる人間の文学の流れを大まかにでも見ることができるおもしろさ。「ロマン派」とか「ポストモダン」などなど、いずれもその前の時代の潮流に対する反動として生じたものだし、その時代の空気を反映したものなんだということがなんとなくわかった。もちろん、そのころの作品がすべて「○○派」におさまるものではないんだけど。

    読んでないものばかりかなあと思っていたけど、案外そうでもなく、でもやっぱり読んでない作品も多くて、Kindleでまたいろいろダウンロードしてしまいました。

  • 神話や叙事詩等をはじめとした、古典を扱っている。読みごたえがあり、挿し絵も好ましい。

  • 出ました。
    DKの「世界文学大図鑑」……。
    とりあえずヨーロッパ系の文学の大御所、は押さえられますわ。
    中・高は、買い!
    でしょう。

    2017/06/20 更新

  • 世界文学をざっくりと歴史別に並べた図鑑、というよりはガイドブック。
    一応時系列順に並んではいるのだけれど、それぞれ作品にキーワードが設定されていて、それはてんでばらばらなので、作品の並びは発表時期以外特に深い理由は無い…と、思う。
    前半(ほとんど文学のはじまりみたいな部分)はあまり興味ななくやや退屈、中盤の王道の文学作品はそれなりに知った作品が多く、一安心。
    後半、西欧中心主義でなくなって、様々な場所の文学がとりあげられると、さすがに知らないものもかなり。
    気になっていたタイトルや読みたいと思うものもかなりできた。
    日本文学は思っていたよりはとりあげられてたと思うけど(しかし日本版で誤謬の訂正を行ったらしい)、やっぱり西欧文学の歴史からは独立してるから、あくまでオリエンタリズムとして、という感じ。春樹になんとなく否定的なニュアンスを感じたような…。

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