世界文学大図鑑

  • 三省堂
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本棚登録 : 315
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784385162331

作品紹介・あらすじ

『ギルガメシュ叙事詩』から、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』まで、古今東西の「世界文学」の主な潮流を、豊富な図版を用いてわかりやすく案内。本編100編あまり、各時代ごとにさらに200を超える作品を紹介している。いわゆる「必読書リスト」ではなく、読者を次の一冊へと誘う本。

感想・レビュー・書評

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  • 出版を知ったとき、「なぜ三省堂?ブックガイドは手間がかかるのもわかるけど、結構いいお値段だこと」とちょっと不思議に思ったが、実物を見て分かった。「図鑑」の邦題が示すように、英語圏の図鑑ではおなじみのDKシリーズ。版が大きい、表紙も各ページの紙も厚い。あまりに重くて、膝の上に置いて読むが、地味に石抱き状態である(まあ、それでいいんだけど)。なお、原題は〝The Literature Book”。

    見開き2ページで、古今東西の文学作品を解説するスタイル。『ギルガメシュ叙事詩』から始まるのはお約束であるとはいえるが、ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』まで個別の項目でカバーされていることには地味に驚いた。コラムとしては、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』までをカバーしているので、2013年までの世界文学オールオーバーガイドと考えていい。時系列に沿って紹介されているので、今自分が読んでいる本がどのあたりの時代に書かれたものか、同じ時代の作家には誰がいるか、具体的にイメージできるのもいい。

    ブックガイドとして読むと楽しいとは思うものの、各作品についてのイメージがつかみにくい構成であるというのがちょっとばかりのネックかもしれない。作品のあらすじを記載するかどうかには賛否あるとは思うが、「形而上文学」「プレイヤード派」というキーワードを「ほほう、なるほど!」と学べるわりには、「で、つまるところ、なんの話ですかね、この作品」という印象を素朴に持つことが多いように感じた。

    手元に一冊おいておくと、読んだことのない本を読みたくなるブックガイドだし、バイヤールばりに読まない本について堂々と語るにも便利だと思うが、もちろん作品のチョイスの好き嫌いはある。古代の部分はお約束的に『ギルガメシュ―』と『死者の書』とホメロスだったりするので、個人的にはミカ・ワルタリ『エジプト人』の元ネタとなった『シヌヘの物語』など、世俗的なものがちょっと紹介されてもいいかなとは思ったが、巻末の監訳者あとがきには「そんなこと言わないの(意訳)」とあるように、そのあたりは好みの問題です、はい。

    この調子で、どこかの出版社が〝The Complete Idiot's Guide to American Literature”を訳してくれるとありがたいんですが。


  • カバーする領域が広いのと、他の作品との関連性をキーワードで繋げてくれるのはありがたい。

    現代に近い方が知らない作品が多くてびびる。

  • 一家に一冊欲しい

  • <英雄と伝説 紀元前3000年~後1300年>
    <ルネサンスから啓蒙主義へ 1300年~1800年>
    <ロマン主義と小説の台頭 1800年~1855年>
    <現実の生活を描く 1855年~1900年>
    <伝統を破壊する 1900年~1945年>
    <戦後の文学 1945年~1970年>
    <現代文学 1970年~現在>

  • 小説などの文学作品は、読みたい本を思うままに買って読んでいくのが普通の楽しみ方かと思います。でも、どちらかというとまず文学のおおまかな歴史と代表的な作品をにわか知識として知っておきたいという人に本書は最適です。この世に膨大に存在する作品の中で、まず手をつけるべき王道の1冊が分かり、物語の世界への足を踏み出す先が見えてきます。

  • 長岡絵里佳先生 おすすめ
    57【教養】902-E

    ★ブックリストのコメント
    古今東西の世界文学がわかりやすくポップな図版で紹介されています。時代の流れも簡潔にまとまっていて文学への興味がわきます。この本をきっかけに、一つでも多くの文学作品を手にしてほしい!

  • 主に小説の歴史を7つの時代に分けて概観した一冊。各時代の文学の動向を2pに要約し、代表作を1~4pずつかけて解説している。単なるあらすじ紹介ではなく、文学史上の位置づけを解説しているので、読後の作品でも面白い。キーワードで複数の作品を紐づけているのも興味が広がる工夫だ。訳者が指摘している通り、良くも悪くも目新しさに乏しい点には英語圏・欧米作品偏重を感じるが、入門書の宿命とも言えるか。現代文学を扱った最終章では知らない名前が増え、一番読み甲斐があった。

  • 文学

  • 私が読書に夢中になる理由が
    ここにも。

    読書によってのみ、
    われわれはいつの間にか、
    しばしば否応なく、
    他社の肌の下、他者の声のなか、
    他者の魂の奥へ滑りこむ。

    ージョイス・キャロル・オーツ

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