心のボタン

著者 : 東君平

• サンリオ (1990年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[5552さんの感想 · 2022年9月1日]

やなせたかしさんや、手塚治虫さんに天才と称されたらしい東君平さんの絵と詩の本。
私の手元にあるのはこの版ではなく、２０１１年に出版された復刻版。
『くんぺい文庫』として、本書と『のぼるはがんばる』『はちみつレモン』が同時に発売。
文庫本より少し大きいハードカバーでハッキリとした鮮やかな赤に白のタイトルと君平さんのモノクロの絵が映える。
詩と絵だけではなくエッセイもついている作品もある。

好きな詩を２編。

【ないしょ】

よいけしきは
すきなひとに　みせたい

よいしらせは
すきなひとに　しらせたい

よいものは
すきなひとに　おくりたい

よいおんがくは
すきなひとに　きかせたい

よいほんは
すきなひとに　よませたい

よいひとは
だれにも　おしえない


【心理学】

みずうみが　みえて
ひとが　いる
さかなつりなのか
ボートにいる

しらなみが　たって
とりがいる
ひとやすみなのか
ういている

ひとり　たたずんで
ながめている
つらいはずなのに
なごんでいる

いつか　こころが
かんがえている
このさきもいきる
ほうほうを

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

思わずフフフっとなる可愛らしい【ないしょ】
こころの回復力を信じてみたくなる【心理学】
君平さんの絵と詩は、やさしい。

[5552さん · 2022/09/02]

ベルガモットさん、こんにちは。

こころ洗われるような素敵な絵と詩です。
君平さんは童話も書いてらっしゃるので、ベルガモットさんのお近くの図書館のも、もしかしたら童話なのかもしれませんね。

[☆ベルガモット☆さん · 2022/09/02]

5552さん、何度か入力し直して失礼しました。

なるほど、おっしゃるとおり童話でした。
『こねことこねこ』、『うたうたう』という回文絵本とか『みかづきちゃんシリーズ』というものがあるようです。
まずはそちらから楽しもうと思います。

[5552さん · 2022/09/02]

ベルガモットさん

詩集って谷川俊太郎さん以外あんまり図書館に置いてないような気がします。
ブクログで見つけて探している絵本はたいていあるのですが。
君平さんは妖精のような人だったそうですよ。
彼の娘さんが書いた君平さんの評伝が家のどこかにあるのですが、行方不明です。汗

[うさぽんさんの感想 · 2023年8月25日]

君平さんが遺した小さなノートから生まれた詩集です！！

心にもボタンがあると思っている
糸でつけたのは、母さんで、
しっかりか蹴てくれたのは、父さんだと思う。
—本文より—

[まいけるさんの感想 · 2021年8月21日]

東君平さんは子どもの心を持ち続けた作家だ。
表題作もいいが、「元気だったら」、「ないしょ」等一度読んだら忘れない佳作がいっぱい。子どもたちにも届けたい。

[おかにゃんさんの感想 · 2014年6月21日]

やっぱり好きだなぁ、東君平さん。優しくて、ちょっとくすりと笑えたり、ちょっとドキッとさせられたり。
会社の人に「子どもたちにオススメの詩ってなんか知ってる？」と聞かれ、詩なんて…う～ん小学生が中学生の頃に図書館で借りた東君平くらいしか読んだ覚えがないな…と思ったら読みたくなって、購入。もう絶版なのか、古本でしか手に入りませんでした。もったいない。。。

[setuさんの感想 · 2011年7月10日]

「心のﾎﾞﾀﾝを、糸でつけたのは、母さんで、
しっかり、かけてくれたのは、父さんだと思う。」
という言葉、ｼﾞｰﾝとしみてきました。

[deviさんの感想 · 2008年1月12日]

万年少年のようだった君平さん。
結局、おやじくさくなることなくいってしまいました。

[junkotetuさんの感想 · 2024年2月1日]

46歳で急逝…

著者プロフィール

1940年神戸生まれ。
1962年に「漫画讀本」(文藝春秋)でデビュー。
翌年結婚、1年半のニューヨーク生活を経て、帰国後、絵本や童話などの創作活動に入る。個性的な切り絵による絵本や童話、詩などで人気を博すが、1986年12月肺炎のため46歳で急逝。
作品に『くろねこかあさん』(福音館書店)、『びりびり』(ビリケン出版)、「にゃんこちゃんえほん」シリーズ(復刊ドットコム)、『どれみふぁけろけろ』(あかね書房)、「おはようどうわ」シリーズ(新日本出版社)など多数。
現在、山梨県小淵沢に美術館「くんぺい童話館」がある。

「2019年 『東君平のみかづきちゃん絵本セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」