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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784388061297
感想・レビュー・書評
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本書は「バーテンダー、およびその道を志している人たちに対するテキスト」とある。発行は2011年と少し古いが、元々は1987年に初版が出てから改訂を重ねたもので、信頼できそう。その道の名著なのかもしれない。テキストというだけあって扱う内容がきっちり整理されていて、目次を見ながら簡単に見返すことができる。
この本の面白いところは、バー、およびバーを構成する様々なものが現在の形になるまでの歴史も含めて解説している点。酒場の歴史から多種多様な酒の歴史、ガラスの歴史(バーで使うグラスに関連して)なんてものもある。歴史から始めて、そのものの詳しい説明、バーテンダーとして扱う所作や心構えにまで展開していく感じ。読んでいると、バーという空間の解像度が上がる。
今の住所に引っ越してくる前は、近所にあったショットバーに時々行っていた。お酒には詳しくないが、金曜の夜にひとりカウンターでカクテルを飲む時間は心地良かった。そして、目の前でお酒を作ってくれるバーテンダーさんはかっこよかった。またあの時間を体験したい。
(本書の最新版が2011年発行なので、もう10年以上経っている。たぶんその間にはバーを取り巻く環境も変わってきていると思う。再度の改訂はしないのだろうか?)
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読んだ際のメモをざっと箇条書きしておく。
・単にバーテンダーの技術や業務について扱うのではなく、その歴史や成り立ちから始まる。最初の「酒場学」の章では、『酒場に関する最も古い文献は、紀元前1800年頃の「ハンムラビ法典」である』とある。後に続く章でも同様に歴史や成り立ちから書かれているので、バーという空間は偉大な文化と歴史の塊ではと感じるようになった。
・もちろん歴史だけでなく、実務的なことも触れられている。身だしなみや言葉遣いのような一般的なことから、「ボトルは毎日酒棚から下ろして拭くのが最善。週に一度くらいしか拭かないような店は、営業する資格がない。」といった厳しめの記載も。こういったことを知り、お店の営業に細かな注意が払われていると気付ければ、良いお店をより楽しめるような気がする。
・「バーの商品学」の章が最もページを割かれており、メインコンテンツのよう。世の中に酒と呼ばれるものがどれだけあり、それらがどのように作られており、どのように発展してきたかが細かにまとめられている。酒は各国・地域でそれぞれ発展してきており、製造方法も様々。そのため分類も単純でなく、まとめるのも簡単でなかったと思う。
- ワイン(スティルワイン(赤ワイン、白ワイン、ロゼ・ワイン)、スパークリング・ワイン、酒精強化ワイン、フレーバード・ワイン))
- ビール(下面発酵ビール、上面発酵ビール、自然発酵ビール)
- その他の醸造酒(清酒(普通酒、本醸造酒、純米酒、吟醸酒)、黄酒、シードル、ミード)
- ウイスキー(世界五大ウイスキーと呼ばれるスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズのそれぞれについて、モルト、グレーン、ブレンデッド)
- ブランデー
ブドウを原料とするもの(コニャック、アルマニャック、その他)
ブドウ以外を原料とするもの(アップル・ブランデー、サクランボのブランデー、スモモのブランデー、その他)
- スピリッツ(ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、アクアビット他、焼酎)
- リキュール(様々なメーカーの様々な商品名が並ぶ)
- ソフト・ドリンク(清涼飲料、果実飲料、嗜好飲料、乳性飲料、その他の飲料)
- カクテルの副材料(ハーブ・スパイス類、野菜類、フルーツ類、砂糖類、シロップ類、氷)
・酒の製造法上の分類としては、「醸造酒」、「蒸留酒」、「混成酒」があり、更にそれらについて原料に何を用いるか、産地による違い、混成酒であれば何を添加するかで多彩な酒が存在する。この説明はわかりやすかった。酒は各国で法的に定義されており(日本では酒税法)、その意味での分類もある。
・ワイン、ウイスキー、ブランデーは、特にページ数を割いて細かく説明している。正直なところ、文字だけではわからない。しかし、様々な産地とその特徴、国を挙げての品質分類制度などの説明から、長い時間と労力を積み重ねて豊かな文化が育まれてきているというのはわかった。
・ガラスの歴史と様々なタイプのグラス。冒頭ページにも様々なグラスの写真とその説明がある。無色透明なグラスなのにこれだけの種類がある。歴史的に、足付きグラスはフォーマル、平底型はカジュアル。
・カクテル調製の5技法として、「ビルド」、「シェーク」、「ステア」、「ブレンド」、「エスプーマ」。その所作まで書かれている。
・カクテルの提供温度に関連して、人間がおいしいと感じる温度の話。一般的に体温のマイナス25〜30℃、およびプラス25〜30°cがおいしい温度帯とある。体温が36°cであれば、6〜11°c、および61〜66°c。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
shiro
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2011/09/08:バーテンダーズマニュアルは文字が多かったですが、新版もそうなのかしら
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この本はバーテン用のマニュアルなんだろうけど
お酒好きにはたまらない本だと思う。
お酒にまつわる歴史であったり
お酒の作りかたであったり
お酒にまつわる器具であったり
一冊手元において、飲みながら読むのが良い。
今宵は何を飲もうか?
花崎一夫の作品
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