- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389421168
作品紹介・あらすじ
一八七一年末、岩倉使節団とともに渡米した津田梅子は太平洋横断中に七歳の誕生日を迎えた。ワシントン郊外のランマン家で約一一年間、文学・美術の薫陶とピューリタンの気風の中で育ち、中等教育を終えた。帰国した日本では女子留学生を活用する体制は整っていなかった。二つの文化の挟間で青春を失った痛手、与えられた使命を果たせないという焦りの中で三年間耐えた後、創立された華族女学校の教授に任命された。しかしその職にあきたらず、ブリンマー大学に留学、さらに欧米の女子教育を視察の後、一九〇〇年に女子英学塾を創立した。声高に叫ばれるイズムによってではなく、「知性と性格の力を備え、自分で思考できる女性」を育てる、という理念を掲げて女性の解放をめざしたその一途で着実な歩みは、教育の危機が問われる今日、反省のきっかけを与え、志を同じくする者に希望をもたらすであろう。
感想・レビュー・書評
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津田梅子の生涯を紹介する本。
岩倉使節団の一員として、6歳の少女が一人でアメリカに留学する。現代であればまだ小学生になったばかりの年齢にも関わらず、海外の文化を吸収する強い使命感を持って現地の生活に向き合っていく姿に感服。日本に戻ったのが十代後半の青春真っ只中。しかし、日本の文化では、アメリカのなかのように振舞うことができず、多くのフラストレーションがあったことがうかがえる。
日本女性の教育環境を変革しようとする意志のもの、アメリカでのコネクションを活かしながら資金を得て、塾を創設する。
行動力も当然だが、それを支える強い信念が本書を通してよく見える。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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