世界の悪女たち (現代教養文庫 1322 ワールド・グレーティスト・シリーズ)
- 社会思想社 (1989年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784390113229
感想・レビュー・書評
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日本の三大悪女は日野富子、北条政子、淀殿らしい。NHKの大河
ドラマで岩下志麻が演じた北条政子は凄みがあって美しかった
記憶がある。
しかし、「悪女」と一括りにしても男社会の権力闘争に巻き込ま
れ、後世になって「悪女」のレッテルを貼られた女性もいたので
はないか。
本書は日本で悪女と呼ばれる女性たちは取り上げられていないが、
ルクレツィア・ボルジアは野心的な父や兄の政治的謀略の道具と
された女性なのではないかな。「悪女」と呼ぶには気の毒な気が
する。
時の権力者の愛人となり、自身も国政に口を出し危うく国を傾け
させるとこだった女性もいれば、ロシアのエカテリーナ二世や
中国の西大后のように男性支配者よりも残忍だった女性支配者
もいる。
ロシアが、ウクライナやベラルーシ、リトアニア、ラトビアへ
領土を広げたのはエカテリーナ二世の時代。例のクリミアの
併合も彼女だった。
文化や芸術の発展に力を注ぐ一方で、農民たちの権力を奪い、
次々と愛人を変えて「王冠を戴いた娼婦」と呼ばれた。
映画「俺たちに明日はない」のボニー&クライドのボニー・
パーカーのような犯罪に手を染めた女性もいれば、自身の若さ
を保つために処女の血を求めたエリザベート・バートリーも
取り上げられている。
保険金や財産目当てに富裕な男性を誘惑して貢がせたり、殺害
したりの女性の犯罪は今も連綿と引き継がれているんだよな。
近年の日本でも「リアル後妻業」なんてマスコミが掻き立てた
女性もいたな。
時代が移り変わろうとも、人間が持つ妄執は不変なのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示