- Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
- / ISBN・EAN: 9784390116312
感想・レビュー・書評
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パールバック 「聖書物語 旧約篇」
宗教というより 預言者(民族リーダー) 系譜の物語。日本書紀と似ているという意味では 歴史書であり、それぞれ預言者のエピソードが人間的という意味では文学。
「ノアと洪水」「バベルの塔」の印象が強く、物語全体のイメージをひっぱっている
物語全体のイメージ
*国家を失ったユダヤ民族の苦難とそれを救済する信仰
*神への畏れとユダヤ民族による一神教国家の成り立ち
神の預言、神との対話、神の沈黙が 民族の苦難を救済し、自立と団結を促していると捉えた。土地に定住しなくても、民族の思想と歴史があれば 国家であるというメッセージは感じる
理解できないのは、神がアブラハムの信仰を試すために、息子のイサクをいけにえにすることを命じたこと。子供の生命を差し出すことと信仰の強さに何の関係があるのか不明。
ソロモンの知恵は名言が多い
*愚か者は 自分の道を正しいと思い、知恵ある者は 忠告を聞き入れる
*怒りをおそくする者は勇者にまさり、自分の心を治める者は町を攻める者にまさる
*陽気な心は良薬であるが、陰気な心は骨を枯らす
*名声は大いなる富より望ましく、愛顧は銀や金よりまさる
最後のイザヤの言葉は感動的
用語の意味が少し理解できた
*ユダヤびと=ヘブル族とイスラエルびと
*イスラエルびと=アブラハム、イサク、ヤコブの子孫
*パレスチナ=ユダヤびとの国
主な預言者のエピソード
*アブラム〜カナンへ旅
*イサク〜いけにえ
*ヤコブ〜父を欺く、神の家からハランへ旅、カナンへ戻る、天使と格闘
*ヨセフ〜エジプト王になる、イスラエルびとがエジプトに住む
*モーセ〜エジプトからカナンへ、十戒
*ダビデ〜羊飼い、ゴリアテを倒す、ユダへ戻る、子の死
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-内容- 人類最大の古典『聖書』は39巻の「旧約聖書」と27巻の「新約聖書」から成っています。そのうち「旧約」は千年という長い年月をかけてヘブライ語で書かれ、「新約」は百年以上の時間をかけてギリシャ語で書かれ、編纂されました。
本書は宣教師の娘として幼い頃から『聖書』に親しんだパール・バックが、独立した一篇の物語としても読める感銘ふかい話を、物語風に簡潔な筆致で書き改めたものです。
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