吉原はこんな所でございました―廓の女たちの昭和史

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  • 主婦と生活社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784391108897

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  • 自身花魁ではなく、引手茶屋の娘であり経営にも関わったひとの思い出話。実母が健在にもかかわらず実父の愛人のもとへ養女に出される、という生い立ちが、いまの感覚からするとかなり驚き。
    ・映画の「吉原炎上」に出てきた習慣がいくつも見られる。下足打ち(p76)など。
    ・マリアルーズ号事件による、ペルーと日本の外交問題をきっかけにした明治5年の娼婦解放令。これにより遊郭は「貸座敷」となり、自由営業したい娼婦に場所を貸すという建前に。昭和21年にGHQからのお達しがあり、その後昭和23年に法案提出。数回の審議未了や否決を経て、昭和31年に売春防止法成立。32年に施行、33年に刑事処分施行。同年2月末で吉原営業終了。
    ・吉原が地図上で斜めになっているのは、寝る部屋が北枕にならないように(p68)。
    ・昭和20年3月10日の東京大空襲で吉原は全滅。しかし5月に当局からの命令を受けて急ごしらえで復興、8月5日から8月15日まで営業した後、進駐軍向け慰安所になった。建物が黒人専用と白人専用で分かれていた。性病の蔓延により1年足らずで立入禁止となる。
    ・戦後に松葉屋は花魁ショーを復活させ、日本の文化であるとして海外遠征もしたという。一方本書の2章で出てくる元花魁の体験談はやはり過酷なもの。「私は花魁が長生きしたという話をあまり聞いたことがありません。それから(中略)結婚しても子どもが生まれたという話もあまりないようです」p65
    ・図書館で借りたら著者のサイン入り寄贈本でちょっと驚いた。
    ・幇間の実態についてはこの本にも詳しいらしい。[ http://iss.ndl.go.jp/sp/show/R100000002-I000002048851-00?lat=&lng=# ]

  • 「芙蓉千里」をあわせて読むとおもしろい


    赤前垂れというお手伝いの話
    引手茶屋にあげるのは大見世だけ(初会、裏を返すのもきっと大だけだね。他は花魁とあってすぐ、出来たはず)
    人買いに連れてってくれとせがむ浮浪児の話
    戦後、国が一番に復興させたのは一般女性の貞操を守るために、ここだとか、従軍慰安婦の話だとか、日本政府の下の世話のこまかさには呆れる
    結構貴重な話だと思う

  • 『吉原』という世界を実体験で過ごした人のノンフィクション。
    コレって、マジ価値ある一冊です。

    吉原っても、花魁じゃなくて、その手前の『引き手茶屋』(松葉屋)の話です。
    プロローグ+5章とエピローグで構成。
    当時の地図とかも入っていて非常に興味深く読ませたもらいました。
    花魁たちの人生とか、当時の様子とか背景とか。
    戦前の吉原、赤線と呼ばれた戦後の吉原。
    その後、『吉原』を残そうと奔走して『花魁ショー』まで考案したり。
    物凄い勉強になりました。

    吉原って実に興味深い。
    太夫、傾城クラスの人ってどんだけ文化人なんだよって…
    唄読んで、琴弾いて時勢の話題に事欠かず、お茶に踊りに。
    頭が回って、芸事に秀でて、それでいてメッチャ美人。しかも床上手。

    一番驚いた事実は『進駐軍特殊慰安施設』という無電(むせん‐でんしん【無線電信】の略。電線を媒介とせず、電波を利用して符号で行う通信)が昭和21年の8月18日に打たれていた事の事実。

    それこそ、江戸時代から続いた『文化発祥の地』です。
    しかも天下のお墨付き。
    すごいシステムだと思う。
    文化だけでも再現出来ない物かと思います。

  • 激動の昭和の60年間を廓とともに生きた、松葉屋の女将が初めて明かす、"吉原の女たち"の秘史。

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