もったいない日本

著者 : 小池百合子
  • 主婦と生活社 (2008年10月発売)
3.50
  • (0)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
  • 10人登録
  • 4レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784391136609

もったいない日本の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • Thu, 09 Apr 2009

    ミュンヘン行きで往復の飛行機など空いた時間で読もうと,
    買ってたけれど「積ん読」化していた本を何冊かもってきていた.

    総裁選に出馬した後の著作である.

    小池百合子を説明する必要は無いと思うが,政界渡り鳥とまで言われた嗅覚で,政権与党をわたりあるく.
    政府主導のブーム作りとしては珍しく環境省でクールビズを成功させ,防衛省では守屋事務次官を更迭し,それに守屋事務次官が従わなかったことで,いったい組織の指揮命令系統はどうなっているのかと,疑問を抱かせた.
    (もっとも,安倍政権ではそういうのはスゴク多かったようですが・・・)
    その後,守屋サイドに癒着問題が生じたせいもあり,全体として小池百合子側に軍配が上がったかんじはある.

    しかし,総裁選出馬が売名行為のように解釈され,麻生氏を除いては健闘したものの,多少,好感度は落ちたのではないかと思う.

    さてさて,ご本人だが,本書を読めば(多分他のものでも),聡明さは分かると思う.
    もともと,テレビ東京のコアなニュース番組WBS=ワールドビジネスサテライト の初代メインキャスターというから,経済に明るいのは間違いないだろう.(KBS京都でも毎晩やってます.)
    本人的には,環境/エネルギー問題,中東問題に特に明るいようだ.

    何がもったいないか?
    「もったいない」というのは日本の潜在力をさしていて,結局,「ここをもっと活用しましょうよ」集ともいえる.
    主な活用すべき点は
    農業力・女性力・金融力・環境力・教育力・シニア力・地域力
    だそうだ.
    評論家ばりに,いろんな指標にふれながら,ストーリーをくんでいる.
    評論本としては面白い内容だし,政治家の本にしては正直,理知的だ.

    しかし,宰相としての雰囲気はかんじないのですね.なんか,むずかしいね,政治・リーダーシップって.

    さてさて,本書中でおもろかったあたりを
    「政界においては,真に政策立案能力,実行力に富む人,戦略を描く力のある人が政界に進むチャンスを作るために,候補者の公募制度,予備選の導入を進むべきです.(中略)政界の新陳代謝が進みません.」
    とにかく,選挙までの議論の時間を長くとったほうがいいと思うので,共感

    ボロがみえないうちにイメージ戦略だけで選挙に勝つ,日本の選挙を脱却すべき
    あとは,

    道州制の移行(地方分権化)を進めることについても,カナリ強く主張されている.

    最近思うのだが,地方は首長選を直接選挙でやるので,中央を直接選挙にしなくても,比重を地方中心に移せば,同様の効果がえられる気もする.

    僕個人としては女性力の活用と金融資産の活用については,大枠賛成だけど,積極的すぎる論にはいささか懐疑的.

    金融資産についてはやはり,リスクテイク+流動性の推進は決して「陽」の面だけではないのは,現実的にも数理的にも明らか.なので,そのあたりは慎重に・・・・.
    個人の自由な運用というのも,正直「そんなむずかしいもん,個人でできるかーい!」っていうのが体験談.
    全国民が株式市場に釘付けになるような時代が,日本の生産性を高めるとはとうてい思えない.みんなの時間は有限なんです!
    間接運用もそんなに悪いとは思えないが,メガバンクへの統合により,中小企業などは,融資の交渉相手の数を減らし,取引の立場が悪化していると聞くので,直接・間接という枠のみならず,金融システム全体の中で議論すべきだろう.
    リスクテイクしないのが国民性ならば,それもまたよしだ.
    リスクテイクしない国民性だからこそ,ひたすらコツコツ技術立国してきた面も無視できない.
    (リスクテイクっていうのは,あくまで金銭の運用上のね(投資のリターンの標準偏差っていみね.).起業とかそういういみとはまた別.)

    また,女性力の活用についてはどうしも「他国との比較」「GDP」といったマクロベースでの議論に陥りがち.日本の女性力の活用は,過去から相当量がGDPに計上されていない(子供の教育・家事・コミュニティ活動・地域の見守り).女性の社会進出はこれをGDPに計上される労働に変換することに終始すれば,世の中は悪くなる.
    単純なGDPの増大よりも,GDPをfixした上で,家事やコミュニティ活動が得意・好きな男性がそのような機能を如何に担い,企業で働いた方が家の中より多くの便益を生み出す女性が出て行くか,という構造面で議論できると幸い.ってか,がんばってそういう議論をしなあかん.
    女性力が打ち出の小槌みたいに言われれると,外部経済(金銭の取引のない世の中の出来事)でエライ目にあっちゃいそうですよ.


    農業力(林業力も大事)については,大方賛成できるかと思う.
    あまりにコレまで,犠牲と庇護でスポイルされてきたのだとおもう.
    自由競争をベースにしながら,貨幣を媒介せずに農林業が提供する社会的便益(森林の保水機能や,農業の安全保証上の重要性)については,行政の再配分機能で戻すべきなのだろう.
    おもしろかったのは
    日本の食料自給率は40%をきっていますが,
    日本人がすべて残さずに食べたら70%を超えるそうです (p.118) .
    たしかに,食料自給率も入りと出で考える必要がありますね.
    企業会計ならば利益を増やそうとすれば,売り上げの増大と同時に,費用の縮減をぎろんし,日本人的には後者の方が得意なのに,消費者としては後者の方が苦手なんですかね~?
    消費者行政も結構だが「消費」の喚起,ばかりではセンスが無い時代になってきた.
    経済学者もわすれているのかもしれないが,ミクロ経済の基礎の基礎としては自由経済がパフォーマンスを発揮するのは
    「消費者が【自分が価格以上の価値を見いだしたものを買う】とき」
    であることを忘れてはいけないように思います.
    ただ,財布の紐をゆるめる,消費の拡大が世の中をよくするわけではない.
    もちろん,現在のように流動性が危機的状況にあれば意図的に全員で財布の紐をゆるめて,出血大サービスをすることもある程度必要だとは思うが.

  • 小池さんのことをあんまり知らなかったので、勉強になる。

  • 女性力、地位気力、農業力、環境力など日本にはまだまだ眠った才能、力がある。
    日本よ、頑張れ。

  • 環境力に農業力、金融力、地域力そして女性力などなど
    日本には眠っている潜在的な力がたくさんあるよ!!
    使わないのはもったいない☆
    使わないのは怠惰☆

    何かを凝縮し緻密にする『縮み』志向から俳句、石庭、盆栽、茶室などの日本文化が生まれ、
    ひいては日本の軽薄短小に秀でた技術立国へとつながった。

    But

    丹精こめた枝ぶりを磨き上げた立派な盆栽も大きな森や公園では映えない。

    So

    世界を舞台としたときにはまた別の活け方を工夫する2段構えが必要

    国力=(人口+経済力+防衛力・HardPower)×(戦略+それを続ける意思SoftPower)

    不都合な真実 石油資源なし、他の資源もなし、食料自給率40%、少子高齢、外国語が苦手、縮み志向でマクロな絵図を描くのも苦手

    好都合な真実 勤勉、耐震技術、省エネ技術

    ゲーム機ひとつをとっても部品はマレーシア、組立は中国、開発は日本と
    いまや○○製は、メードインワールド

    ◎日本に必要なこと
    現在ある姿をどう変えるかといった帰納法的手法でなく演繹法による戦略作り

    イギリスでは政官財学、チャールズ皇太子、BBC「Earth」で7位一体で地球温暖化に取り組んでいる。
    →18世紀以降の産業革命以降の温暖化現象を考えるとマッチポンプ役。

    日本は利害調整ばかり
    特に経済産業省と環境省のつばぜり合いは有名。

    日本では強力なリーダーシップが求められながらも実際にリーダーシップを振るうと
    独裁的、議会軽視と悪口を叩かれるのが常。

    小泉元首相の人身掌握術
    (そういえばイギリス滞在中に読んだガーディアンでライオンキングと書かれていたなあ
    まあ、髪型ともひっかけているんだろうけどね)
    これからは、コンセンサス(合意)よりコンビクション(説得)の時代

    ブッシュ&クリントンは8年
    シラクは12年
    プーチンは8年大統領の後、首相に
    それなのに日本は、、、
    (麻生総理の長い繁栄を望みまする・・・ViVA太郎!Love太郎)
    大臣がコロコロかわるから官僚も手を抜く
    しかし自分たちの利益、立場は守る
    行政改革、人事改革の渡辺喜美はエライッ!
    (お願いだから仲良くいきまっしょい。渡辺喜美のお父様は民主党に引き抜かれて
    総理にしようと画策があったらしい。体調不良で頓挫しちゃったけど。
    Love 渡辺喜美!なのよねえ、困ったことに)

    大衆迎合主義(ポピュリズム)は危険。
    (とりあえず新聞も読めない奴に選挙権を与えるなっつぅの)

    審議会の結論は「てにをは」をいじったり
    「〜等」のように後からなんとでも読める文章にする
    +パブコメを募集し「国民の信は問うた」とアリバイづくり

    東京も地方も同じ町並みで金太郎飴状態

    後期高齢者医療制度に野党大反発!
    でも天引きを最初に提案したのは菅直人、
    基礎年金番号制度を導入したのも彼

    ジャパンバッシングからジャパンナッシング

    アメリカのユノルカ社は中国からの買収帽子≒Jパワー問題

    規制と多さと手続きの煩雑さは霞ヶ関のレーゾンデートル

    24〜54才女性の就業率 67.4%

    大学の高等教育 女性 42.5%
    OECD加盟国の28.5%を上回る
    女性と老人を使わなくちゃもったいない

    「申し訳ない」メンタリティで育児休暇
    女性側にも男性と同等の意思や心がまえが備わっていない

    未婚と非婚
    ダイバーシティ(多様性)
    日本のODA対象国のほうがよほど幸せに見える

    料理を残さず食べればカロリーベースで自給率が70%に上がる

    こんにゃく芋の関税は1706%

    お袋の味から‘袋の味’へ

    バイオエタノールのメリット
    ・CO2が排出されない
    ・化石燃料と違い枯渇する心配がない
    (プリウスはエコカーじゃないのに小池さんは誤解している)

    19世紀 石炭の世紀(蒸気機関車)
    20世紀 石油の世紀(車)
    21世紀 いかに低炭素にしていくか

    Socially Responsible Investment
    社会的責任を果たしている企業を積極的に投資対象としている

    SRIの投資は米274兆円に対し日本は2600億円

    数学的リテラシーは2000年1位、03年6位、06年10位に

    カミュが「異邦人」に描いた不条理への憤り

    豊芯会 障害者が高齢者の弁当をつくる相互扶助

    喫緊の課題

    破れ窓の理論
    一つでも割れた状態で放置されていると
    「この地域では誰も安全に気を配っていない」サインになり
    次々と犯罪が誘発される要因

    小池百合子のマニフェスト


    08・11・25〜08・12・1

全4件中 1 - 4件を表示

小池百合子の作品

もったいない日本はこんな本です

もったいない日本を本棚に登録しているひと

ツイートする