老人漂流社会

  • 主婦と生活社 (2013年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (235ページ) / ISBN・EAN: 9784391143713

作品紹介・あらすじ

2013年1月に放送されて大反響を呼んだ NHKスペシャルの書籍化。
病院や介護施設をたらい回され「死に場所」を持てない男性、自宅を失った高齢者の「終の住処」と化した三畳一間の宿泊所、自分も周りも気づかずホームレスになってしまった認知症の高齢者など、超高齢社会に住む我々が目を背けてはならない現実を徹底取材。
自分の居場所を自分で選べずに「漂流」してしまう現状に警鐘を鳴らしつつ「奇跡の共同住宅」という希望の光も示すノンフィクション。

【「はじめに」より】
この本では、番組では伝えきれなかった「自らの老後を、自らで選ぶ」ということの難しさと大切さについて、詳しく伝えようと試みている。(中略)
自らの老後と向き合うとき、どうすれば「自分らしい“終の住処”」を見つけ出せるのか、現実的な目線で老後の選択肢を提示したい、と思ったためだ。

みんなの感想まとめ

超高齢社会における孤独や不安、そして「終の住処」を見つける難しさについて深く掘り下げた作品です。病院や介護施設をたらい回される高齢者の姿や、認知症によって自宅を失いホームレスになってしまう人々の実情が...

感想・レビュー・書評

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  • こちらの本、ブクログ登録日は2014年11月29日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年7月24日)書きます。

    老後の生活が年金だけでは成り立たない。
    こういうことが言われ始めてから、そこそこの年月が流れているように思う。
    今では、誰でも頭ではわかっていること。
    しかし、個人ではどうしようもないというところか。


    この本に内容は、次のとおり。(コピペです)

    2013年1月に放送されて大反響を呼んだ NHKスペシャルの書籍化。
    病院や介護施設をたらい回され「死に場所」を持てない男性、自宅を失った高齢者の「終の住処」と化した三畳一間の宿泊所、自分も周りも気づかずホームレスになってしまった認知症の高齢者など、超高齢社会に住む我々が目を背けてはならない現実を徹底取材。
    自分の居場所を自分で選べずに「漂流」してしまう現状に警鐘を鳴らしつつ「奇跡の共同住宅」という希望の光も示すノンフィクション。

  •  良書。自分や親、家族の老後への不安はもちろん、本書で紹介されるエピソードの一つひとつがとてもやるせなく涙が出る。ホームレスの老人って近寄りたいとは思わないし、見て見ぬふりをしてきたが、その中に自分や大好きな家族が入らざるを得ないこともあるなんて…。
     2013年の本(NHKで特番が放送)だが、経済的に困窮し、身寄りもないお年寄りたちの受け皿が整備されていない状態は未だ改善されていないと感じる。お金があって帰る家があっても、認知症になり帰る家がわからなくなれば、そのままホームレスとなり最悪の場合路上死に至る。かなり心を揺さぶられた。認知症に関する本も読みたい。

  • NHKスペシャルで放映された「老人漂流社会」のスタッフが、映像で伝えきれなかった部分を含めて書籍にしたもの。仕事での話材にならないかと軽い気持ちで手にとったのだが、自分の親のこと、自分が死んだ後の妻のこと、そして自分のこと、直接自分に関わることになるかもしれないという当事者意識がページをめくるたびにわいてきた。
    高齢者が終の棲家を見つけることの難しさ、それは、独り身になり、そして介護が必要になったり、病気をしたりした時に、受けてくれる受け皿施設が圧倒的に不足しているということ。生活保護を受けざるをえない高齢者の方々を中心に取材されているが、これはお金の問題ではないような気がする。お金をよほど積めばどこか施設があるのかもしれないが、一般的な人間は最後は、誰でもこのような「漂流」をせざるをえないかもしれないという不安を感じざるをえなかった。
    家族が親の面倒を見なくなった。というよりも見れなくなった。このことに対して本来は社会全体で扶養していく必要があるのだが、そこにはあまりに負担が大きすぎて、誰も関わろうとしない、そういう日本社会の病巣があるような気がする。
    政治はこのことに対する解は複雑すぎて大変な割には票につながらない、企業は、こんなお金にならないところには投資できない、家族は自分の生活があり、面倒みきれず見て見ぬふりをする。そして、今現実の病気・要介護の高齢者が、何も声をあげれず漂流させられ、その周囲の関係者は、彼らを「漂流」させないと仕事にならない、そういう状況にあるのだと思う。誰もが高齢者になり、最期は大半の人が何らかの介護が必要になり死んでいく。でもその最期の悲惨さは、そこに来るまで誰も見たがらないのだろう・・正直僕も含めて・・。

  • NHKスペシャル『老人漂流社会』の書籍化である。2013年11月に発刊された本書を2014年1月に購入したが読まずに本棚に飾ってあった。
    足立区の事件から始まる「消えた高齢者問題」が話題になったのは2010年であった。当時、『無縁社会』という本も出版された。その延長にあるのが本書である。
    高齢者が行き場を失った社会。それは「老い」と「死」から目を背けてきた現代社会の一つの帰結であろう。都市化した社会の当然の帰結であろう。
    なぜなら「老い」や「死」は自然の理であり、都市とは相性が悪いからだ。
    この問題の根本的な解決は「価値観の転換」であろう。誰しもが老い、いずれは死ぬという当たり前のことを前提にした価値観の確立しかない。
    しかし、それは容易ではない。いま困っている高齢者がいる。この人たちを救うスキームがすぐにでも必要だ。

  • 予想以上に、高齢者の貧困と、終の棲家が失われる情況が進んでいることが浮き彫りにされる。
    実態を知って、かなり衝撃を受けた。

    2015年は、団塊の世代がすべて65歳以上になる年。
    10年後の2025年、かれらがすべて75歳以上となる。

    介護保険を受ける人の多くは75歳以上だから、このままでいくと事態は深刻になる一方だ。
    そのときまでに、なんらかの対策が打てているかどうか。
    世上喧しい「地域包括ケアシステム」がその切り札となりうるのかどうか。

    世の中の仕組みを大幅に変えていかないと、高齢者にとっての地獄が待っているわけだが。

  • NHKで特集を見た

  • 2025.10.30 読了。

    2013年に放送された、NHKスペシャル「終の住処はどこに 老人漂流社会」という番組では、終の住処をもてない深刻な老後の現実を伝えている。

    元気なうちに自分の老後と向き合うことの意味について考える必要がある。
    死に場所さえ持てずに老後の居場所を転々とせざるを得ない、老人漂流社会が今そこにある。

    病気、認知症、家族離散、貧困、ホームレスなど、極端な事例の目白押しのように思ったが、まさにそれこそがげじつなのだろうと改めて思った。

    2013年発行だから、既に12年前の本だ。
    現時点では問題はさらに深くなっていると思う。

  • 9784391143713

  • Kindle

  • 現在は夫婦で生活していたり、兄弟や親子で生活していても、何かの出来事で一人になり、それに病気や認知症が起きてくると、とたんに一人で生活することができなくなり、病院に入院したとしても、退院後に受け入れてくれる施設が極端に少ない。国民年金を満額もらっていても月に7万円弱では介護施設の費用には到底足りない。最後には生活保護というパターンになる。なんとかまじめに働いてきた老人がほっとして生きていける世の中の仕組みにならないものだろうか。現在、より在宅介護の方に舵が切られているいるように思える。独居老人が増えている状態と逆行しているような政策だ。

  • ・・・・誰にも起こりうる未来の姿だ。「真剣に生きてきた人たち」のゴールを思う時、胸迫るものがある。それは他人ごとではない。常に自分の今を確かめていなければならないと教えてくれる1冊である。

  • 本当に他人事ではない。実際仕事していると耳にする話ですし、じわじわと迫りくる感じがする。施設に入れても合わない事やトラブルもあったり、生活保護の方が暮らしやすい話もよく聞く話。家族で介護もなかなか大変ですしもう少しペースアップで社会保障が進みませんかね。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784391143713

  • まっとうに働いて税金払って体が駄目になったら施設をたらいまわしにされて家賃滞納で自己破産。
    人事で済まされない未来に見える地獄絵図。
    その地獄も金次第と言わんばかりの施設一覧も掲載。

  • 自らの老後を自らで選ぶ、とはなんと難しいことか。
    終の住処になるであろう無料定額宿泊所を自ら選ぶ老人はいない。
    元気なうちに自分の老後をしっかりと見据えたい。

  • 老人を社会が支えるという存在から、社会を支える存在としていくというパラダイム転換が求められている。

    老人漂流=認知症の併発、病気、家族関係の変化などで、いつ、誰もが居場所を失い、「漂流」するかわからない今日の世の中。

    一方で、社会的弱者(にさせられてしまった)は非生産・非効率の名の下に切り捨てられようとしている。
    戦後日本の復興を担ってきた方々が、こうして切り捨てられて、戦前日本を亡国にした戦前エスタブリッシュメント2世がこうして切り捨てようとしているとはなんたる皮肉だろうか。

    少しでも、多くの社会的弱者が社会に包摂されるような政策が必要になる。

  • 単身高齢者世帯の増加から、孤独死や認知症による徘徊・事故など多くの問題が出てきています。
    本作は、普通に生活していた人達が、病気や身内の不幸により社会的に排除される現実をはっきりと描いています。
    別の章では、支援者として活動されている方々の懸命な姿と現場の方の切実な思いを話されています。
    ただ、個人で出来ることには限界があり、そのような活動を支える行政・自治体のバックアップ・制度等が喫緊の課題だと思います。

    普通の生活や暮らしをしてきた人が当たり前のようにご飯を食べ、ゆっくりと寝られる環境にあること。そういったことを願うことも難しい現在。
    自己責任や甘えを許さない社会の深い闇を感じさせられる内容でした。先進国として発展して、物やサービスは便利になりましたが、心に余裕がなくなり、スピードに追われる現代に未来はあるのでしょうか?

  • ●:引用
    ●ひとり暮らしができなくなった途端、自宅から追われ、自らの意志を発することもなく、自治体や介護スタッフの提示した施設へ転々と”漂流”せざるを得ない―取材の現場でこの厳しい現実を目の当たりにするたび、痛切に感じたのが、「この方は、本当はどういう老後を望んでいたのか。どういう老後を思い描いていたのか」という思いだった。
    ●今、私たちはどのように生き、どのように最後を迎え、そして死を迎えるのか。一人ひとりが問われているのではないだろうか。昔のように、家族に老後を任せてということは、環境的にも経済的にも、難しくなっている。共同住宅の取材をとおして感じたのは、それぞれが、自分なりの死生観を持つことが求められているのではないかということだ。たしかに、死を考えることは、目を背けたくなることかもしれない。でも、それがないかぎりは、新たな”漂流”が生み出されることになる。”漂流”したくないと考えるならば、対峙しなければならない大切な問い、それが死生観だと思う。一方で、社会が考えていかなければいけない課題もある。岡田さんのような、ひとりの善意に頼ることが果たしていいのだろうかという思いにもかられた。1年中休みなく、その熱意でもっているような共同住宅の経営。入居者のお年寄りは、幸せであるが、ひとりに任せてはいけないのではないか。こうした共同住宅を支えるような、制度設計が必要ではないだろうか。そこには、国や行政のサポートが欠かせない。

  • ことばがありません
    安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
    本当にそう思う。

    それがあったら日々が充実したものになるのだろうか。

    家族から離れてしまった個人、親族集団から離れてしまった家族、地域から離れてしまった親族集団、私たちが選んだライフスタイルが漂流する自分を作ってしまうのか。

    密な地域共同体の中で生きていけば、漂流することはなくなるのか。幸せに生きていけるのか。

    いろいろな答えの出ない問いを考え続けています。

    ただ、安心して歳を重ねられる制度や施設があれば、こんな過酷な状況に身をおかずにすむことは確かだろう。

    安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
    本当にそう思う。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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