〈仏教3.0〉を哲学する バージョンII

  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393134306

作品紹介・あらすじ

自己は仏というスローガンばかりが先行し、メソッドのはっきりしない従来の日本の仏教「仏教1.0」、メソッドははっきりしているがテクニックとスキルに走るテーラワーダ仏教「仏教2.0」、これらを超えた〈仏教3.0〉を目指す二人の仏教僧と、一人の哲学者の鼎談集。大きな反響のあった『〈仏教3.0〉を哲学する』のコンセプトを引き継いで、今回は仏教の実践における他者と慈悲の問題を、瞑想実践での体験や哲学の理論を通して論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 藤田一照、山下良道 両禅師と哲学者 永井均氏による鼎談の第二弾。
    前著では理解が追いつかなかった慈悲について本著で腹落ちできた。
    ありようの私を認識した時に、何故アプリオリに慈悲が生まれ得るのかと疑問だったが、生まれるのではなく、慈悲に欠けた世界認識からの覚醒であると考えると腑に落ちる。
    要はマイナスが消えたので慈悲というプラスが生じたように感じる、という認識。

  • バージョン1よりも、
    御三方のチームプレイの良さが感じられ、
    スリリングで、
    わかりやすい

    是非とも、3・0的修行論も読みたい

  • メソッドのはっきりしない従来の日本の仏教「仏教1.0」、メソッドははっきりしているがテクニックとスキルに走るテーラワーダ仏教「仏教2.0」、これらを超えた〈仏教3.0〉。
    二人の仏教僧と哲学者の鼎談第二弾。
    哲学者を交えることで、より深いところまで議論が進みます。
    「仏教1.0」ー地下に水があると言っていただけ。
    「仏教2.0」ー井戸を掘ることはしても、水のないところを掘っている。
    「仏教3.0」-井戸を掘るときに水脈を探る。
    この例えは、すごく分かりやすいです。

    二〇一六年当時、マスコミなどに取り上げられていたマインドフルネスは、「仏教に起源を持ちながら、そこから宗教的要素を取り除いて、脳科学などによって効果が証明されたもの」と紹介されていました。効果のエビデンスとして脳の断面図などが添付されて。「宗教的要素」を取り除くことが、ビジネスや教育の現場で受け容れられるために必要な措置だと十分承知していましたが、これではマインドフルネスの急所の部分が毀損されるのでは、という強い憂慮の思いを抱いていたのを覚えています。
    あれからわずか数年で、時代は大きく変わりました。マインドフルネスを仕事の効率化の手段と見なすことに強い警戒心を持つことがいまでは支配的になっています。そして私が希望的に予見した「宗教としてのマインドフルネス」は、今ではもはや注意を引くための表現ではな く、マインドフルネスの本質を素直に表すものになりつつあります。仕事の効率化を求める人達は、早くも次の流行を追いかけ始めているようなので、いまこそじっくりとマインドフルネスの本来の意味を深めてゆける時代になりました。 ー 286~287ページ

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著者プロフィール

1954年愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、
紫竹林安泰寺にて曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部に
あるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の
講義や坐禅指導を行なう。2005年に帰国。神奈川県三浦郡葉山町にて独自の実験的坐禅会を
主宰。2010年よりサンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長として日本と海外を往還
している。


「2017年 『退歩のススメ 失われた身体観を取り戻す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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