- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393135921
作品紹介・あらすじ
日本の伝統的な〈仏教1.0〉と、上座系瞑想実践的な〈仏教2.0〉を、共に包み超えて、新たな〈仏教3.0〉を提唱。その哲学とはどのようなものか。はたして新時代を切り開く力となり得るのか。今話題の禅僧・藤田一照、哲学者・永井均、ワンダルマ仏教僧・山下良道の三者による、白熱、スリリングな徹底討論。
感想・レビュー・書評
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ブックオフで見つけ手に取った。新しい仏教の形である仏教3.0を提唱している藤田一照さん、山下良道さん、そして哲学者の永井均さんの鼎談、講演を収めた本。
日本の古くからの伝統仏教を1.0、テーラワーダ仏教を2.0、そして彼らが新しく作ろうとしているものを3.0と呼んでいる。伝統仏教は悟りには無心が大事というがそのメソッドを示さない。テーラワーダ仏教は瞑想のメソッドがしっかりしているが無心の概念がない(乏しい?)。3.0ではそれぞれの欠点を補い無心の瞑想による無心の気づきを提唱している。
そこに永井さんの哲学、<私>と<今>の理論が加わり、討論され、重層的な理解ができたように感じた。
<私>とは性別、職業、性格などの属性としての「私」ではなく、この世界の唯一の経験者としての<私>のことである。(この本では2つを区別するために括弧を変えて表現している。)それは純粋な実存としての私で、それこそが無我であると仏教者のお二人は考えているようであった。
私とは何か、今とは何か、そこに気づいて生きることの意味について考えた。
この本は討論集であり細かくは分かりにくいところがあり、彼らの成書を読んでみたいと思った詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤田一照、山下良道 両禅師と哲学者 永井均氏による鼎談。
永井氏の哲学がこれまでになく解りやすく語られていた。
お陰で20年弱咀嚼してきた内容が腑落ちに至らずも何歩も理解を深められた。 -
以前の日本の仏教、そしてテーラワーダ仏教を踏まえて、仏教3.0だったが、それに永井哲学が加わったもの
無我と〈私〉、無常と〈今〉といった所に
とても興奮した -
現代人の悩みに対応するために、仏教はこの先どう変わっていくのか、その方向性が垣間見れる本です。
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この本の範囲内では永井均は仏教を超えている。興奮した。
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哲学独特の言い回しにクラクラするところが多々あるが、かなり面白い。
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哲学の導入により、仏教3.0がより分かりやすくなっていきます。
鼎談により、論理が研ぎ澄まされ、議論が深まっていきます。
「私」と<私>の違いを理解することで、色即是空までつながっていきます。
一読しただけでは理解しがたいところもあります。
何度も読んで、実践することが大事なのでしょう。
再読が必要な本です。