〈仏教3.0〉を哲学する

  • 春秋社
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本棚登録 : 182
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393135921

作品紹介・あらすじ

日本の伝統的な〈仏教1.0〉と、上座系瞑想実践的な〈仏教2.0〉を、共に包み超えて、新たな〈仏教3.0〉を提唱。その哲学とはどのようなものか。はたして新時代を切り開く力となり得るのか。今話題の禅僧・藤田一照、哲学者・永井均、ワンダルマ仏教僧・山下良道の三者による、白熱、スリリングな徹底討論。

感想・レビュー・書評

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  • ブックオフで見つけ手に取った。新しい仏教の形である仏教3.0を提唱している藤田一照さん、山下良道さん、そして哲学者の永井均さんの鼎談、講演を収めた本。
    日本の古くからの伝統仏教を1.0、テーラワーダ仏教を2.0、そして彼らが新しく作ろうとしているものを3.0と呼んでいる。伝統仏教は悟りには無心が大事というがそのメソッドを示さない。テーラワーダ仏教は瞑想のメソッドがしっかりしているが無心の概念がない(乏しい?)。3.0ではそれぞれの欠点を補い無心の瞑想による無心の気づきを提唱している。
    そこに永井さんの哲学、<私>と<今>の理論が加わり、討論され、重層的な理解ができたように感じた。
    <私>とは性別、職業、性格などの属性としての「私」ではなく、この世界の唯一の経験者としての<私>のことである。(この本では2つを区別するために括弧を変えて表現している。)それは純粋な実存としての私で、それこそが無我であると仏教者のお二人は考えているようであった。
    私とは何か、今とは何か、そこに気づいて生きることの意味について考えた。
    この本は討論集であり細かくは分かりにくいところがあり、彼らの成書を読んでみたいと思った

  • タイトル通り。ありがちな陰翳礼讃に陥ることもなく、かと言って歴史を無下にするものでもなく、誰でも馴染みやすい良心的な温度で話は進む。主としては語りえない〈存在〉について。個人的には宗教家2名の話が新鮮で興味深い。

  • 藤田一照、山下良道 両禅師と哲学者 永井均氏による鼎談。
    永井氏の哲学がこれまでになく解りやすく語られていた。
    お陰で20年弱咀嚼してきた内容が腑落ちに至らずも何歩も理解を深められた。

  • 以前の日本の仏教、そしてテーラワーダ仏教を踏まえて、仏教3.0だったが、それに永井哲学が加わったもの

    無我と〈私〉、無常と〈今〉といった所に
    とても興奮した

  • 現代人の悩みに対応するために、仏教はこの先どう変わっていくのか、その方向性が垣間見れる本です。

  • ・「~がある」が実存で、「~である」が本質です。
    ・私であるということは、その人の中身と関係なく、なぜかそいつが端的に私であるだけです。
    ・アキレスと亀の話しと私が死ねないという話は、本質的には同じ話です。つまり、外部に客観的な世界というものを想定しない限り、私の死は訪れませんから。

  • この本の範囲内では永井均は仏教を超えている。興奮した。

  • 哲学独特の言い回しにクラクラするところが多々あるが、かなり面白い。

  • 哲学の導入により、仏教3.0がより分かりやすくなっていきます。
    鼎談により、論理が研ぎ澄まされ、議論が深まっていきます。
    「私」と<私>の違いを理解することで、色即是空までつながっていきます。
    一読しただけでは理解しがたいところもあります。
    何度も読んで、実践することが大事なのでしょう。
    再読が必要な本です。

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著者プロフィール

1954年愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、
紫竹林安泰寺にて曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部に
あるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の
講義や坐禅指導を行なう。2005年に帰国。神奈川県三浦郡葉山町にて独自の実験的坐禅会を
主宰。2010年よりサンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長として日本と海外を往還
している。


「2017年 『退歩のススメ 失われた身体観を取り戻す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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