空海の夢

著者 :
  • 春秋社
3.78
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本棚登録 : 289
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393136362

作品紹介・あらすじ

"日本"をプログラムした神秘の密教者、空海。その謎と現在性に圧倒的なイメージで迫る。

感想・レビュー・書評

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  • どの本だったか、暫く前に松岡さんの仏教はぺジミスティックな宗教との言葉に虚を突かれた。確かに仏陀はぺジミストだったなと納得しつつ、松岡さんの語る仏教に興味を持った。
    後で文庫があることに気付いたが、新版のあとがきをあるから、こちらが良かったんだと思う。

    しかしながらというか、やっぱり歯が立たなかった。華厳経から密教に至る処が一番の重要ポイントだと思うんだが、全く理解の外だった。
    高野山の寺院や仏様とか、天川村の修験者が歩いた道を想い出したりしながら読んだ。仏像や曼荼羅ってマジナイの助けみたいなものとも思っていたんだけど、理論と一体になったものとか、山が与えるものとか、身体性とか理解までに至らない。
    いつか再挑戦しようかな。うん。

  • 「遊」は、70年代後半〜80年代前半くらいによく読んでいて、いろいろな影響を受けた。

    なかでも、自然科学と仏教とか、日本的なものを繋ぐというか、相互に包含しあうみたいな視点は、すごいな〜と思っていた。

    その後、私自身の関心が違う方向にむいて、「遊」や松岡正剛さんの本もあまり読まなくなった。

    この「空海の夢」は、わたしの興味が違う方
    向に向かっていた時期に出たもので、リアルタイムではこういう本が出ていること自体知らなかった。

    最近、「日本とはなんだろう?」という問いがあらためて立ち上がってきていて、そんななかで、何となく読んでみた。

    そんな感じで読んだんだけど、この本は、松岡正剛さんの「主著」とでもいうべきものだったみたいで、本人のこの本に対する思いも強いみたい。

    なるほど、「遊」で扱われていた仏教って、インドの仏教の経典というより、日本の仏教、しかも道元とか親鸞というよりは、密教という感じだったからな〜。そして、密教といえば、やっぱ空海となる。

    その「空海」を、複雑系科学やホワイトヘッドなどの議論も借りながら、現代的な意味を読みとっていく感じ。

    なるほど、議論だけど、なんせ「空海」についての知識がほとんどないので、やはりわからないことが多かったかな。

  • 古今東西の知識を動因し、縦横無尽に語られる空海像。只ただ圧倒されるばかりでした。これほどまでに知識を有する氏がすごいのか、当時の知を吸収し尽くした空海がすごいのか、はたまたその両方か。
    様々に鏤められた情報を収斂させることが結局出来ませんでしたが、
    次回読んだときには納得できるようにしたいと思います。「想像力と因果律の宥和」深すぎて分かりませんでした。

  • 読了
    空海からここまで話を広げられますか
    さすがです
    この広さが最初に読めたことが、これから深入りしようとする自分にはうってつけでした

  • ただ大日の徳を大日の恵光を、なお高く、なお速く、人々にもたらすしかないとおもっていた…そしてもうひとつ、そこには何か壮絶な空と悲の超越があったともおもわれた。空海には密教者がひとしく阿修羅を食った者たちの系譜であったことがわかっていた。

  •  松岡正剛が空海を解く、というところの興味で読み始めました。
     比較的我慢して読んでいましたが、やはり力尽きた。正直歯がたたない。
    「書いてあることがわからない」というと書き手が悪いみたいなのですが、読む上で前提とする教養がアタシに無さ過ぎた、と、そういうことです。頭のネジのはじけ飛ぶ音がしました。

     20年くらいしたら戻ってくることでしょう。
     わからないなりに「面白いことが書いてあるんだろうなぁ」という予感はするので。

  • 五大に皆響きあり、六塵ことごとく文字なり。
    生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、
    死に死に死に死んで死の終わりに冥し。

    この本を40歳で書いた松岡正剛、とんでもない人ですね。

  • 2013.09.04
    「夫れ仏法遥かに非ず。心中にして即ち近し。
     真如外に非ず。身を捨てて何んか求めん。
     迷悟我に在れば、発心すれば即ち至る。
     明暗、他に非(あら)ざれば、信修すれば、忽ちに証す。
     哀れなるかな、哀れなるかな、長眠の子。
     苦しいかな、痛いかな、狂酔の人。
     痛狂は酔わざるを笑い、酷睡は覚者を嘲る。」
                          (般若心経秘鍵)

    2013.09.03
    即身成仏頌(P233)

    1.六大無碍(がい)にして常に瑜伽なり・・・体
    2.四種曼荼おのおの離れず・・・相
    3.三密加持すれば速疾に顕わる・・・用
    4.重重帝網なる即身と名づく・・・無碍
    5.法然に薩般若を具足して・・・法仏
    6.心数心王刹塵に過ぎたり・・・無数
    7.各五智無際智を具す・・・輪円
    8.円鏡力の故に実覚地なり・・・成仏

    2012.08.31
    「生命が生命を食べる矛盾」・・・
    生命の矛盾を知ることが、生命史に絶望をすることではなく、生命史に潜む可能生を発見することでなければならないはずなのだ。(P246)

    2012.08.27
    密教では、「要素」か「働き」かという二分法で議論してはだめだと書いているわけです。 by Matsuoka ・・・・(・_・?)

    2012.08.25
    Satoriよりも、心。五蘊、空海・・・・(・_・?)

    2011.05.26
    空海はいろいろな観点から学びたいけど・・・。
    まずは華厳との関係から読んでみるとどうなる?

    生命の海か〜。

  • ていうか、空海ってもっともっと
    評価されてもいいと思う。
    大河ドラマでぜひ!

  • 次に読む本…と吟味せずにとりあえずひっつかんできた。
    読み始めるとあまりにも久し振り過ぎて内容を忘れていた(汗)。
    もう一度最初から読み始めることに。

    …で、読み直して「前回は全然読めてなかったわ。。」というのに気付いた。。文を目で追ってるだけというか。内容が頭に入ってなかった。でも、ジャレド・ダイヤモンド読み終わった今はちょっと楽。
    がんばって読み進めてみましょー。

    + + +

    読み始め。2009.01.02.

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著者プロフィール

一九四四年、京都府生まれ。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。一九七〇年代、工作舎を設立し『遊』を創刊。一九八〇年代、人間の思想や創造性に関わる総合的な方法論として″編集工学〟を提唱し、現在まで、日本・経済・物語文化、自然・生命科学、宇宙物理、デザイン、意匠図像、文字世界等の研究を深め、その成果をプロジェクトの監修や総合演出、企画構成、メディアプロデュース等で展開。二〇〇〇年、ブックアーカイブ「千夜千冊」の執筆をスタート、古今東西の知を紹介する。同時に、編集工学をカリキュラム化した「イシス編集学校」を創設。二〇〇九~一二年、丸善店内にショップ・イン・ショップ「松丸本舗」をプロデュース、読者体験の可能性を広げる″ブックウエア構想〟を実践する。近著に『松丸本舗主義』『連塾方法日本1~3』『意身伝心』。

「2016年 『アートエリアB1 5周年記念記録集 上方遊歩46景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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