はじめての宗教学: 風の谷のナウシカを読み解く

著者 :
  • 春秋社
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本棚登録 : 117
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393203019

作品紹介・あらすじ

戦う少女が主人公の人気アニメに込められた宗教的メッセージとは?楽しみながら学べる新しいタイプの入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/422995

  • 宮崎駿の世界と仏教・チベット宗教の共通点を探る。ナウシカの名前は元々ホメロスのオデュッセイアの理想の女神からきている。そして、キリスト教、仏教、アニミズムをナウシカの場面から分かりやすく解説する。著者の試みは大胆ではありますが、ナウシカから強引に結びつけていかざるを得ない面もあり、やはり宗教学の本でした。ナウシカの青と赤そして金色の意味。マリア像と不動明王などの仏像の色との関係は説得力がありましたが。

  • 宗教学初心者にとっては興味深い内容。もう少し詳しく宗教について知りたくなった一冊。

  • ナウシカの服の色やオウムの色から宗教画で使われる色の共通性とか他。読みやすかった。

  • 内容は軽すぎて宗教学という感じはしない。
    でもまあまあ面白かった。

  •  本書はタイトルをそのまま信じてはいけない。

     本書の主役はあくまで「宗教学」であって『風の谷のナウシカ』ではない。
     だから正直ってこのタイトルは失敗かもしれない。


     でも、
     それを理由に本書を読まないのはかなりもったいない。
     だってこの本、読んでみると本当にわくわくする本なのだから。


     たとえば本書の中盤あたりでは、
     ナウシカの服の色からキリスト教の宗教画における図像学の話になり、そこからインド神界のシヴァやクリシュナへ飛び、果ては日本の密教に戻ってくる。そうやって各宗教における「青」の持つ意味を検証していくと、高貴な天上と同時に死や憎悪をもあらわしているという両義性にぶちあたるのだ。
     両義性?
     そういえば主人公ナウシカと同じく物語の重要な鍵を握っているオームの瞳も青だったよね。だから『風の谷のナウシカ』内で少女と巨大な虫というまったく正反対のものが同じ青色をイメージカラーに背負っているというのは、宗教学的にきちんとした意味があることなんだ。


     本書はこんな感じで、
    『風の谷のナウシカ』をいわば交差点として、キリスト教や日本古来のアニミズム、道教や陰陽五行説、インド仏教などさまざまな宗教を語っていく。

     純粋にタイトル通り「『風の谷のナウシカ』を読み解く」本として読むと、「おいおいそりゃこじつけだろう」とか「いや、駿パパはそこまで言ってない」といくらでも批判したくなるのだけれど、本書は目的はそこじゃない。あくまでも宗教学を語るためのツールとしての『風の谷のナウシカ』なのだ。
     そこを踏まえて読むと本当に面白い。

    http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2011/01/post_c122.html

  • 2011.5.24 追記:
    色彩に関心を持つようになった頃に出逢った本。チベット密教に詳しい方を探していて、正木晃さんに辿り着きました。東京大神宮で開催されていた勉強会に参加し、その場で購入した一冊。
    http://yukikazet.exblog.jp/12643003

    ===
    (2010.3.23の記録)
    何年か前チベットに行く前に買って読んでとても面白かった(筆者はチベット密教の研究者でもあります)。
    昨日久しぶりの名古屋の自室の本棚で見つけてパラパラと読む。筆者の他の著作と合せてまた改めて読んでみたいなと思った。
    永遠に大人にならない存在の象徴としてのオウム、とか。気になる言葉がたくさん潜んでいます。

  • ナウシカを読み解く、か
    ナウシカで読み解く、か。
    時にとんでもないところまで飛躍するので、果たしてナウシカはどこに? と言うところも随所にあったけど、それは決して退屈なのではなく、平癒でとても分かりやすく面白い本でした(男性同性愛……BL論?は特に・(笑)。
    ただ、図版を解説するのに図版が少なく、遠い頁まで戻ったり行ったりでそれが難。

  • 不安定性。

  • ◆戦う少女が主人公の人気アニメに込められた宗教的メッセージとは?楽しみながら学べる新しいタイプの入門書。

    ◆◇cf. フィリップ・アリエス『子供の発見』
     ◇あくまで本当に「はじめての」。宗教学への興味への取っ掛かりとしては悪くないと思う。ナウシカ自体を100倍面白く観れる!というよりは、宮崎アニメや宗教映画など示唆に富んだ映画を観る際に、思想的背景や何を参考に制作しているか、または伝承しようと試みているかに、より着目するようになると思う。宗教学と文化人類学は在学中にもっと勉強したい。

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著者プロフィール

一九五三年、神奈川県に生まれる。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などを経て、現在、慶應義塾大学非常勤講師。専門は宗教学(チベット・日本密教)で、とくに修行における心身変容や図像表現を研究。著書に『マンダラとは何か』(NHK出版)、『密教』(ちくま学芸文庫)、『はじめての宗教学』『お化けと森の宗教学』『千と千尋のスピリチュアルな世界』『カラーリング・マンダラ』『お坊さんのための仏教入門』(以上、春秋社)、『空海と密教美術』(角川選書)ほか多数。

「2019年 『密教の聖なる呪文 諸尊 真言 印 種字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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