シュタイナー社会問題の核心

  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393325421

作品紹介・あらすじ

"経済"の原則が"精神"と"法"の領域を歯止めなく侵犯する現代社会を予見した"社会三分節化論"。労働と賃金、教育と国家等関係を根本から問い直し、人間が枯渇しない新しい社会像を構想する。

感想・レビュー・書評

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  • 社会有機体の三分節化にまつわる話。この頃から今に通じる問題があるということがわかる。方策がないまま限度に近いところまで来ているのかもしれない。状況はさらに深刻なことになっている。これからの動きや見直す指針として、この考え方があってもいいと思う。ただ、それがうまくいくかどうかは、高い理想に基づく前提が共有されているかどうかにかかっている。新しい指標、新しいゴールが必要なんだと思う。資本主義と合理主義の呪縛は根強い。そこから開放されつつ再構成することは全世界的であって意味があると同時に地域単位、会社単位、グループ単位できる単位で実現してゆくことが大事なのかもしれない。それが正しければ、或いは、個人的利潤を排しても守ろうと思う美しさや正しさがあれば実現は不可能ではないと思う。シュタイナーが第一次世界大戦の破壊的な状況を踏まえてその危機意識から社会のあり方を必死に唱えているのが巻末の講義から伝わってきた。こういうヴィジョンが今の政治に決定的に欠けている。全員で、協力し合って、いいように変えていける世の中にしたいと思った。

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著者プロフィール

ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)
哲学博士。オーストリア生まれ。ウイーン工科大学で、自然科学・数学・哲学を学ぶ。ゲーテ研究家・著述家・文芸雑誌編集者として世紀末のウィーン・ワイマール・ベルリンで活躍。帝政ロシア生まれのエレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー創唱になる神智学協会のドイツ支部事務総長就任後、袂を分かち、人智学=アントロポゾフィーを樹立。スイス・バーゼル近郊ドルナッハに自身設計した劇場と大学を含む「ゲーテアヌム」を建設し、普遍アントロポゾフィー協会(一般人智学協会)本部とした。

「2023年 『人間発達論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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