法華経の省察: 行動の扉をひらく

  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393333099

作品紹介・あらすじ

諸経の王と呼ばれ、日本の伝統仏教だけでなく新宗教にも多大な影響を与えてきた法華経。だが、その雄渾壮大な世界観とは裏腹に、必ずしも理解しやすい経典ではない。世界的仏教者が法華経の各章から核心部分を抽出し、複雑に入り組む歴史的次元と本源的次元を丁寧に腑分けしつつ、法華経が提示する大乗の理想、社会と関わり行動する菩薩の生き方をわかりやすく説く。

感想・レビュー・書評

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  • ティク・ナット・ハンは『小説ブッダ いにしえの道、白い雲』が傑作すぎて、他の本はあまり面白味がない。読み物としてはアルボムッレ・スマナサーラの方がお薦めできる。

    http://sessendo.blogspot.jp/2013/10/blog-post_27.html

  • 2013.06.02
    マインドフルに息をし、座り、歩き、観察するとき、あなたは集中し、その集中した状態で深く観ることで、まわりに存在しているさまざまな生命の驚異に触れることができる。その結果は直ちに現れる。息を吸うとき、痛みを受け入れ、そのことでただちに痛みや悲しみの度合いが軽減する。このような実践を継続するなら、大きなくつろぎ、転換、喜びを感じ続けることができる。マインドフルネスはたくさんの種類の結果をもたらす、マインドフルネスの対象が心地よいものであるなら、喜びが増す、マインドフルネスの対象が痛みであるならそれが軽減する。マインドフルネスはその中に常に集中を孕んでいる。集中とともに生きているときには、リアリティの核心を深く観ることができる。(P267)

    2013.06.01
    普賢菩薩の偉大な行動の第四の側面は「新しく出直す」という実践である。この実践では、障害をつくりだし、自分や周りの人たちに苦しみをもたらしてしまった自らの過去の行動を素直に認め、その上で新しく出直すという決意を、はっきりと口に出して言う。「新しく出直す」実践のおかげで、あなたは過去から自由になることができる。過去の重荷はもはやあなたを押しつぶしたり、身動きを取れなくさせたりしなくなる。自分の過ちを認め、自分のまずい行いが引き起こしてしまった苦しみの責任を引き受けるのだ。その新鮮な気づきと洞察によって、あなたはその場でただちに新しい人になる。(P240)

    2013.04.12
    鐘を打つと、それは心地良い音を産み出す。鐘によって産み出された音は鐘の機能である。鐘の目的はわれわれがそれを使って修行できるように音を出すことだ。それが鐘の行動である。機能は行動という次元に属する。行動の次元(行門)は歴史的次元、本源的次元と並んで、第三の、しかもそれらと切り離せない次元である。(P138)

    だれかがお寺を建てたいと思ったとしよう。そこで、寸法を測って図面を描く、労賃や材料費の見積もりをする。瓦の色を選ぶ、などのことをするが、こうしたことのすべてを、あたかも祝日を楽しんでいるかのように、満足感を安穏さを感じながら行うのだ。このような自由の精神がなかったなら、仏や菩薩たちでさえ娑婆世界で時間を楽しむことなどできない。(P152)

    2013.04.02
    「何重もの因と縁(重々無尽の縁起)」という教えのもとでこのことを見てみると、一回の人生、一人の行為であっても非常に大きな影響を及ぼし得ることがわかる。そうすれば、自分のちっぽけで、平凡な人生なんてたいした意味はないという考えをもはや握りしめていなくてもよくなる。われわれの存在の仕方は、状況、環境、そしてまわりの人々すべての人生に確実に影響を及ぼしている。(P130)

    2013.03.30
    ここで言われている「功徳」は「成就」という意味でもある。この教えの功徳はわれわれの六つの感覚器官(六根)の領域にも大きな変化をもたらす。『法華経』の真実を受け取ることができるとき、われわれの感覚器官は深い変容を遂げる。そうすると自然のなりゆきで、われわれの眼は、以前には見えなかったものを見ることができるようになる。(P122-123)

  • (要チラ見!)

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著者プロフィール

釈一行。1926年ベトナムに生まれる。禅僧、詩人、学者、人権活動家。「行動する仏教(エンゲージド・ブッディズム)」を提唱し、ベトナム戦争中の南北ベトナムの和解に尽力、1967年にM.L. キング牧師によりノーベル平和賞候補に推挙された。100冊以上の著書を世に問い、仏教の教えとその実践をわかりやすく説くことで広く知られている。
現在は南フランスのプラム・ビレッジを本拠地として、アメリカ、ドイツなど各地にリトリートセンターを設け、仏教の教えに基づいた学びと実践の指導を続けている。

「2011年 『味わう生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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