18歳から考える国家と「私」の行方 〈西巻〉: セイゴオ先生が語る歴史的現在

著者 :
  • 春秋社
3.92
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本棚登録 : 129
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393333471

作品紹介・あらすじ

“すべての歴史は現代史である”(クローチェ)

タテの関係(時間と因果)&ヨコの関係(同時代性)で複雑に絡み合った近現代の難問たちを「編集」をキーワードに解きほぐす。

欧州・アメリカ・中国・朝鮮半島と日本。近代の始まりとともに、世界規模で密接になっていったそれぞれの関係性とその背景をわかりやすいストーリーで描き出していく。
18歳といわず、大人も目が離せない、セイゴオ先生、白熱の近現代講義。

感想・レビュー・書評

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  • 読みたい本がたくさん見つかった。資本主義とか、そういう「枠」そのものを超えるのはとてもゾクゾクすること。

  • 近現代史を理解するうえでこれほどの参考書は他にないと思う。まさに正剛翁にしてできる必読の書。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 「日本のための日本を語ろうとすればするほど、アメリカのための日本として生きざるをえない」

  • ・マルクス経済学は、一言でいえば、「資本主義による生産システムや交換システムは人間社会の矛盾を拡大する」という結論に向かっているものです。その「人間社会の矛盾」についてはいくつかの視点で分析されているのですが、そのひとつは「労働疎外」というものでした。資本主義のもとでの労働は、それがどのようにしくまれていようとも、人間の意識に「疎外」をもたらすというのです。
    疎外というのは理解しにくいかもしれませんが、かんたんにいえば「自分でやっていることが自分のものと感じられなくなっていく」ということです。それゆえ、よく「自己疎外」というふうにつかわれる。

    ・なぜグレゴール・ザムザにこんなことがおこったのかという説明はいっさいありません。カフカはあえて突飛な現象だけ記述したのです。
    それが『審判』では、ヨーゼフ・Kが突如として逮捕されるところから話が始まります。でも、理由はやっぱりわからない。とにかく身におぼえは何ひとつないのに、Kは裁判にかけられるんですが、その裁判所がどこにあるのかも、わからない。それでも逮捕されたのだから、Kとしてはなんだか無実を晴らすしかなくなります。けれどもそもそもの罪状がはっきりしないんだから、何もはかどらない。まったくイライラするような空しいような時間がすぎていくだけです。しかしKは有罪を宣告され、石切り場で喉をナイフで抉られて死んでしまいます。それが『審判』です。

    カフカが描いたことは、「私」と「世界とのかかわり」は説明できないということです。また自分のことも説明できないとも言っている。そこにはなんらかの「変化」はあるけれどそれが社会的な意味をもるとはかぎらない。それどころか、自分の実存はあるけれど、それしかないということです。

  • 2016/6/30

  • 宮崎滔天の話で締めくくられるこの本は、アジアで歴史的現在に辿りつけない現代日本を嘆いている。

  • SNSはぱーーそならいぜーションというフィルタリングを内蔵している。そのためユーz-あは自分が何を読んだかということもパーソナルなオーソライズと皆sれ、SNS側から、次によむべきものはこれとり込めんでーションをもらう始末。
    インターネットを何にも邪魔されないで使うことは、今となっては不可能。

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著者プロフィール

一九四四年、京都府生まれ。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。一九七〇年代、工作舎を設立し『遊』を創刊。一九八〇年代、人間の思想や創造性に関わる総合的な方法論として″編集工学〟を提唱し、現在まで、日本・経済・物語文化、自然・生命科学、宇宙物理、デザイン、意匠図像、文字世界等の研究を深め、その成果をプロジェクトの監修や総合演出、企画構成、メディアプロデュース等で展開。二〇〇〇年、ブックアーカイブ「千夜千冊」の執筆をスタート、古今東西の知を紹介する。同時に、編集工学をカリキュラム化した「イシス編集学校」を創設。二〇〇九~一二年、丸善店内にショップ・イン・ショップ「松丸本舗」をプロデュース、読者体験の可能性を広げる″ブックウエア構想〟を実践する。近著に『松丸本舗主義』『連塾方法日本1~3』『意身伝心』。

「2016年 『アートエリアB1 5周年記念記録集 上方遊歩46景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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