- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393365106
作品紹介・あらすじ
最晩年まで改稿をつづけた主著、フランクル思想の集大成。臨床哲学の古典『死と愛』(1957)の最終エディション。それでも人生は願う、あなたに、生きてほしいと。
感想・レビュー・書評
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出口の見えない悩みや身体症状から抜け出せず、苦しんだときまた読みたい。そんな方に読んでもらいたい。
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2階書架 : 146.8/FRA : 3410159183
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瞬間瞬間到来する出来事への態度、行動、判断の集積がゆるぎない過去となる。小さな個人の集積した過去が人間社会全体に浸透しているようなイメージ。生きる意味はやはりある。
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「夜と霧」で有名なフランクルの著作です。
本書はフランクルが最晩年まで改稿をつづけていた、フランクル思想の集大成です。「夜と霧」で語られていた、収容所にいる間も完成させたいと願い続け、彼の心の支えとなっていた本とは、本書のことなのだそうです。
本書は生きる意味について、
「人間が問うのではなく、むしろ人間は人生から問われているものであり、人生に答えねばならず、人生に責任を持たねばならない」
「人間は創造すること・経験すること・自らの態度を決めることができるという点で価値がある」
「人間は単に創造価値・経験価値・態度価値の可能性に対して責任を負っているだけでなく、その果たすべき責任のある使命は常に特殊なものである。使命は各々の人格の唯一性に応じて変化するだけでなく、時間ごとに、そのつどの状況の一回性に応じても変化するからである」
といった哲学を読者に提示します。
人間は、直面する困難に対してどのような態度をとるかを決めることができるが、その決め方は人それぞれ、時それぞれで、そのかけがえのなさこそが、その人の人生を人生たらしめるのだという考え方は、アウシュビッツを経験した著者の言葉と思うと、重みが感じられます。
「夜と霧」に勇気づけられ、フランクルの思想を深めてみたいという方にお勧めです。 -
フランクルの思想や、ロゴセラピーの理論がぎっしりと詰まっている。言葉の一つ一つに力が込められているように感じられた。赤ペンを片手に夢中になって読んでいたら、気が付けば赤線だらけになっていた。
ロゴセラピーという精神療法が現代の臨床の現場でそのまま通用するかどうかはわからないが、フランクル本人が述べているように、あくまでも他の精神療法を補うものとして考えるべきなのかもしれない。
兎にも角にも、フランクルの思想の一つ一つに輝きがあり、その一言一言に心が奪われた。自分がどのような立場にあろうと、どのような肩書を持っていようと、一人の人間として生きていく上で本書から学ぶところはあまりにも多い。何度も繰り返し読みたい一冊。 -
立ち読み:2011/5/9