あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知

著者 :
  • 春秋社
3.51
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本棚登録 : 412
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393365373

作品紹介・あらすじ

「あの時、何て言えば良かったのだろう……」

人の持つ悩みのほとんどが人間関係である現代。
とはいえ、誰も真実のコミュニケーションについて教えてはくれない。

引きこもり、パニック障害、うつなどの悩みを抱え彷徨った著者が、ナンパ、催眠、カウンセリングの中で経験した、「他人」を通して見出される「自分」を感じる方法を観察法やエクササイズを交えて解説する。

宮台真司氏(社会学者)、推薦!
本書は悩む人のために書かれたマニュアルではない。
むしろ悩まずに生きる人の歪みが焦点化されている。
この歪みこそが人間や対人関係を殺伐とさせている。
自分や社会を歪ませる身体性を解除せねばならない。
「損得を超えて内から湧く力」を獲得する実践の道へ!

感想・レビュー・書評

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  • 対人関係のあり方を考える上で非常にためになった本。

    ◯コミュニケーションに関してハッとしたことメモ
    ・やらなければならないのとをするのではなく、してはいけないのに知らないうちにやってしまっていることをやめる
    ・うまく行っている人は、堂々としていて、リラックスしている。
    ・自覚していない気づかないほど小さな反応に気づいたとき人は変わることができる
    ・嫌なものを見つけた時に、その感覚を感じる自分を観察する。考えて作り出す選択肢よりも自然と浮かぶ手段の方が優秀。
    ・思い浮かんだことを自由に丁寧に伝えていく、また相手のそれをどれだけ受け止められるか、それを楽しむことが会話
    ・相手にトーンと音を合わせる
    ・圧倒的な観察者の前では、人は嘘をつけない、愚痴をどう聞こうかと考えているうちはどうにもならない
    ・自分がどう見られているか気になっている時ほど、自分がどう見られたいかはっきりしてない。
    ・自分の声、仕草を撮って見るとどこがダメなのかよくわかる。
    ・相手の態度に気になった、違和感があった時は、立ち止まり自分もそうではないか?と振り返る
    ・話し終えてすぐ反応されると疲れる。落ち着かないし、聞いてもらえている気がしない。話したいことが話せない。
    ・相手に対して、ああわかるなーと共感してしまったときは、分かってないと思った方がいい。むしろ全く相手が見えていない。自分の都合のいいところしか見ていない。
    ・何が話したいかわからないときは、顔色を伺うのではなく、自分の気持ちや思い浮かぶことに集中すると、イメージが浮かんでくる
    ・否定や肯定をする人は、目の前の人をどうにかすることしか考えてない

    ◯コミュニケーションを見直す方法
    ・会話の無意識なくせ、特に相手によく見られたいがためにやっているくせに気づき、その時に何を思い何がかけているかに気づくと自然と改善の方法がわかる。
    ➪自分もそうだなと思ったこと
    ・相手の言ったことを咀嚼する時間がない、よくわかってないのになるほどという、わかります(勝手にわかったと決めつける)自分の感覚と同じか疑う時間がない
    ・何を話していいかわからず黙り込んでしまうとき、感じていることが胸の周りにぎゅっとあり、その中にははっきりと観察されていない素直な感情が詰まっている。これに意識を向けられると自分の深いところの感情を自分で自覚し、言語化し、相手に伝えられるようになる。
    ・自分の動作の中に今の自分が現れていて、その動作が他人に影響を与えている。相手にどんな印象を与えたいかを考えて行動を見直す。
    ・誰かと話した後に残る「もっと話したいことがあったな」「何か釈然としないな」という感情をじっくり探ってみて言葉にしてみる(無理にしなくていい)内面観察能力を磨く瞑想。
    ・相手と共に自分も観察できるように、まずは自分一人でその練習をする。
    ・ペットボトルを持ち、力が入っている場所から力を抜き、別の部分に移していく。力を抜くコツは、無理に抜こうとせず、力の入った部分を丁寧に感じること。日常生活の動作にも意識を向けてみると発見がある。

    ◯同調がわかるとコミュニケーションがわかる
    ・自分の予定通りの会話をするのではなく、どうなるかわからないが、どうなるか楽しみだ、という気持ちが大事。自分の思い通りになって欲しいと思うと緊張する。
    ・同調するのに必要なのは、自分の体の緊張具合と感情を感じ、相手に意識を向けること。自分がからっぽでないと相手を感じることはできない。
    ・相手の姿だと思ったものが自分の考えと緊張でないか反芻する。如何に自分が思い込み、他人の思いと混同しているかがわかる。
    ・同調の質を高める
    1. 無自覚なクセを意識する。自分に対する観察力が上がる。
    2. 相手のことがよくわからないと思ったら、同じ姿勢になってみる。わかってあげないとと気張るのではなく、どんな感じなんだろうと気楽に感じてみる
    3. 相手に合わせて何かしなきゃと思うのをやめ、自分を相手の前にある人形だと思う。
    4. 相手を写す人形になれているほど、相手を変えられる
    5. 緊張は悪いことではない、緊張を自覚することが大事、自分の内部の緊張を隠さず見つめる、緊張することが他人を認識する始まり

    ◯自分自身で変化を生み出すシステム
    ・人に指示して思い通りに動いともらうことはできない。こうなった方がいいという理想を押し付けても通用しない。
    ・悩んでいるときは硬直した筋肉をほぐすために体を動かす
    ・感じ方が変わったことを少しでも認識することが変化を作り出すための重要な一歩になる。
    ・他人に対する悩みの多くは理解のなさが原因になっている。相手がどんなに嫌なことをしてきてもわその理由を理解していけば自然と許せるようになる。

    ◯トランス
    ・意識が内の外両方に向いている状態。
    ・話しを聞くとき、相手の言葉、話し方を見聞きしながら、自分の感情や感覚がどう動くかを観察することで、その話に込められた感覚や感情、イメージを捉えることができる
    ・愚痴や悪口を言ってるときは、安易な快楽が得られる一方、意識は自分の状態にむかず、良く改善する内省ら訪れない。有益か無益か以前に自分を観察する時間を奪う。
    ・愚痴を言うとしても、もしかして見落としてる部分があるのでは?と考えながらにする。
    ・旅行に行くと、穏やかに自分の気持ちを感じて内省ができる。環境がそうさせてくれる。しかし日常でも、電車でぼんやり外の景色を眺めたり、他の人を観察してその生活を想像するのも面白い。自分との違いから振り返れる。満員電車のストレスを利用して、緊張な身体の状態を見つめる。

    ◯騙すこと、依存させること
    ・話術に長けた人は柔らかく、影響を受けやすい。ちょっとした一言に敏感に反応し、どう思うかゆっくりと感じた上でつたえる
    ・騙そうとしたり、都合の良いように持って行こうとすると、必ずその人の欲が出る。欲が出ると身体が緊張して声のトーンが変わる。
    ・観察力がある=観察が抜けたところが少ない、
    ・今の環境を大切にしたいなら、周りの悪口は言わない方がいい
    ・騙されても毅然として居続ける女性の姿に、他人を騙してでも都合の良いようき持って行こうとしていることを自覚して恥ずかしくなった。

    ◯人の話を聴くということ
    ・焦って指示を与えてはいけない。ちょっもした一言でさえ、その人の世界を傷付けるかもしれない。
    ・直感に従って大胆に、しかし傲慢でないかを感じながら繊細に他人と接する。
    ・そういうもの、〜でしょ、という時、思い込み
    ・話を聞く人間は、ただ、相手の世界を知ろうとする人間でしかない
    ・他人に対する指示はほぼ全て、自己嫌悪を味わわせて停滞させてしまう可能性がある。
    ・悪いところを指摘してくれる人がいた方がいいでしょ、というのは説教好きの人の理論

  • 他人とコミュニケーションをとることに困難を感じている人に向けて、どうしたら良いかを提案する本。でも、単なるハウツー本ではない。この課題はそもそも訓練を通じて解決するものだから、と言うのが著者の主張。しかも、一見、コミュニケーションとは関係なさそうな身体機能の訓練の話が初めの方に出てきたりして、ちょっと毛色の変わった本だと思う。

    人とのコミュニケーションが困難な人は、なぜそれが苦手なのか。それは、その人がコミュニケーションというものを全然わかっていないから、というのが本書の提出する答え。そういう人たちは、コミュニケーションが何かをわかっていないのに、毎日それをこなすことを要求されて(あるいは、要求されていると思い込んで)、自分なりの形式を編み出して対応している。それが習い性となって、本当のコミュニケーションから遠ざかってしまっている。本当のコミュニケーションとは、他人と相対して、自分が相手に何を感じるか、相手が自分をどう感じているか、それをたがいに感じ合うことで初めて成り立つものである。コミュニーションが苦手な人は、ここができていない。だから、そういう人は、自分の心を自分自身に対して、相手に対して、開いていくことが必要で、身体機能の訓練はそのための練習台だということらしい。

    自分を感じ相手を感じる能力は、理屈を学んでも身につかなくて、日々の訓練を重ねることが必要だという話。そりゃそうだよね。それまで存在していなかった感じる神経を獲得しようって言うんだから、筋トレと同じく繰り返しの訓練が必要なのはわかる。「自分を感じると同時に、相手が自分をどう感じているかを感じる」という状態を目指して彼自身が研鑽を積んできた経験は、まるで毎日坐禅を組むようだと思った。

    世界の半分は理性で理解する領域、残り半分は感情で感じる領域でできているのではないか。その感情の部分が見えるようになるための案内なんだと思った。だから、世界を理解することだけで世界に対応してきた人には、多分理解できない話だと思う。

  •  
    『「絶望の時代」の希望の恋愛学』に登場した人物の一人である高石宏輔氏が著者。

    高石氏「自身が取り組み,試行錯誤してきたこと,カウンセリングや講習で人に伝えて感じたことを書いて」(p.7)いる。「一人の人間がコミュニケーションについて考えたこととして,参考程度に読んでもらえるとありがたい」(p.241)とのこと。というのも,「価値観を与えるのではなく,じっくりと自分を見つめて答えを出す感覚を育んでもらう機会を作」(p.240)りたいからである。

    なので,著者の体験記や思想を記した本ではあるが,「こうすればいい」というマニュアル的なものではないし(そもそも高石氏は本質的にはマニュアルを否定している),自己啓発的なものでもない。

    一人の人間が自身の経験をもとにコミュニケーションについて学び,研究し,考え続けた結果が,ある程度の一般性をもって語られている。カリスマナンパ師である高石氏の著書であるからナンパの話かと思うかもしれないが(本のタイトルもなんかナンパっぽく見えるし),ナンパの話は経験の一つとしてしか出てこない。本書の内容は,コミュニケーション論であり,自己論であり,身体論である。

    自身の経験を通してコミュニケーションや,自己,身体に深い考察を行っているが,その本質は”感覚”の観察にある。外(他者,環境)から受ける”感覚”,中(身体)から受ける”感覚”に徹底的に繊細になること。どちらかの”感覚”に偏るのではなく,両方の”感覚”に注意を向けること。それらの基礎になるのが身体であり,それらを通して良質なコミュニケーションが達成されうる。

    身体に基づいた”感覚”の観察を上達させるためのトレーニングも記されており,その点でコミュニケーションの実践的な書でもあると思う。(実際にトレーニングを一度試してみましたが,やはり一度では”感覚”の観察は難しく,継続が大事だなと思いました)

    コミュニケーションに関する”答え”はないけれど,”答え”を探す力を補充してくれる一冊であった。
     

  • だいぶ前に読んだのであまり覚えていないが
    良い本だった

    他人と自分との認識の点で
    面白かった気がする

  • 面白かった。

    自分も相手も周りもしっかり観察し小さな変化に気付けるようになる。
    その為にはイメージを捨て、固定観念に捉われず、ゆっくり観察する事。

    相手を知るには、自分がどう感じるか。
    感じたものに素直に、相手の話を広げて、自分で気付けるようにしてあげる。

    時間をかけて、結論を急がず

    自分が全てすっ飛ばしている事ばかり。
    だから、うまくいかないのかな??

  • コミュニケーション全般についてよく語られるのは、体系化されたナレッジだ。
    いわゆる「こう言われたらこう返そう」「話題に詰まったらこれを話そう」といった、パターンの丸暗記である。
    しかし、こういったナレッジからは空虚な会話しか生まれない。
    AIのような条件反射でしかないからだ。

    一方、この本はそういった内容とは一線を画している。
    自分の感情と向き合い、相手の感情と向き合うことで、自然と生まれるコミュニケーションへの道筋を示している。
    何より著者の圧倒的経験から、感覚として語られるリアリティが、この本の価値を高めている。
    自分は筆者のような境地に全く達していない、自分の殻に閉じこもっている存在だ。
    もしこの本の道筋通りに自分を変えることができれば、確実に人生が変わるだろうという印象を覚えた。

    何度も読みたい本だった。

  • あなた、なぜ、つながれないのか:ラポールと身体知
    自分を守る事にエネルギーを使っていて確かに人の言う個とを本当に意識して来ているだろうか?

  • 再読!

  • 心理
    身体

  • 内(私)への意識と外(他者)への意識のバランスと感性を大事にすることが書かれていたように思う。いろんな発見があった。しかし、エクササイズ(?)は、実際に著者に指導を受けないと難しいのだろうな。

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著者プロフィール

1980年生まれ。慶應大学文学部仏文専攻中退。在学中よりカウンセリングのトレーニングを受け始め、セミナー講師なども務める。その後スカウトマンを経てカウンセラーとして活動を開始。クライアントからの要望により、路上ナンパ講習も始める。2010年からコミュニケーションに関する独自のワークショップを開催、現在に至る。2012年には宮台真司氏とのトークイベント「愛の授業」に出演。また2013年には國學院大學にて催眠とコミュニケーションについての講演を行った。著書に『あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知』(春秋社)がある。

「2018年 『口下手で人見知りですが、誰とでもうちとける方法、ありますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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