〈生きる意味〉を求めて (V.E.フランクルの本)

  • 春秋社 (2025年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784393365809

作品紹介・あらすじ

繁栄のなかの〈むなしさ〉や〈さみしさ〉といった問題を正面から取り上げ、その由来を解き明かし、〈生きる意味〉はいかにして見出されるのかを明快に説く。嫌なことが重なって心がくじけそうになった時、生きる勇気とエネルギーとを与えてくれる「逆境の心理学」の精髄!

感想・レビュー・書評

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  • フランクルの講演等からの論文をまとめた論文集。戦後30年以上経った頃に書かれたもので、強制収容所の極限状況は少し遠のき、ロゴセラピーと他の思想・実践との違いや現代人の抱える空虚さに焦点を当てているものが多い。実存に緊張が足りない空虚な生を送る現代人という話や、愛とセックスの話、死に直面して人生の儚さをどう受け止めるかという話など、1978年に出版されたとは思えないほど実用的な印象だった。

  • 夜と霧

  • 1. ロゴセラピーの位置づけ
    - ロゴセラピーは「実存主義的精神医学」または「人間性心理学」に分類されるが、著者はこれらの思想に批判的である。
    - 実存主義やヒューマニズム、さらには「偽のロゴセラピー」への批判を行い、それらが精神医学に与える影響を考察している。

    2. 心理療法の歴史とフロイトの影響
    - 心理療法の歴史を振り返り、ジークムント・フロイトの教えが重要な役割を果たしていることを述べる。
    - フロイトは神経症の背後にある無意識の動機を明らかにすることを提唱したが、著者はそれ以上の仮面剥がしには意味がないと主張する。

    3. 行動療法と還元主義の批判
    - 行動療法の台頭により、フロイト派の病因論の一部が信仰に過ぎないことが示された。
    - 還元主義は人間の本質を無視し、人間をサブヒューマン的な存在に変造する考え方であると批判している。

    4. 意味の探求と実存的空虚
    - 現代人は生きる意味を探求する存在であるが、意味が見出せないことが多くの不幸を生む要因とされる。
    - 自殺を試みた学生の多くが「人生が無意味に思えたから」と回答している事例を示し、意味の探求が精神的な健康に与える影響を強調する。

    5. ロゴセラピーのアプローチ
    - ロゴセラピーは意味の欠如が神経症を引き起こすことを指摘し、意味を再生することが治療的効果を持つと主張する。
    - 患者を単なる症状として見るのではなく、意味を探求する存在として理解することが重要である。

    6. 愛と自己超越性
    - 人間は自己超越性を持ち、愛や意味の充足を求める存在であると論じられている。
    - 恋愛関係や人間関係において、相手を目的のための手段と見なすことの問題点を指摘し、真の愛の重要性を強調する。

    7. 現代の心理的課題
    - 現代社会におけるストレスや実存的緊張の不足が、精神的な脆弱性を生む要因であると述べる。
    - 人生の意味を見出すことが、逆境を乗り越えるための鍵であると強調し、フランクルの思想が持つ意義を再評価する。

    8. 結論
    - 本書は、ロゴセラピーが提供する生きる意味に対する理解を深め、現代人が直面する精神的な課題に対する解決策を提示するものである。
    - 意味の探求が人間存在に不可欠であり、各自が持つ可能性を信じることが重要であると結論づけている。

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