鳥を識る: なぜ鳥と人間は似ているのか

著者 :
  • 春秋社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393421345

作品紹介・あらすじ

恐竜の生き残りでもある鳥は、種によっては人間の幼児と同等の高い知能と喜怒哀楽の豊かな感情を持ち、ヒトとの共通点が多い生き物でもある。生態や行動をはじめ、言語獲得やコミュニケーションなど人間の能力とも密接につながる鳥の奥深さ・魅力を自然科学と人文科学の両面から多角的に見つめ、恐竜から進化を遂げた「鳥」と、まったく異なる進化の歴史を旅した「ヒト」がなぜ似ているのかを探り、そこから発展的に「人間とは何か」という問いに答えようとする一冊。

◇鳥と人間の類似点一例
 ◎二本足で立つ
 ◎道具を使う(その手で作る)
 ◎音声でコミュニケーションする
 ◎文法に基づいた言語をもつ
 ◎豊かな感情をもつ
 ◎複雑なことを考えられる頭脳をもつ(思考し、判断することのできる大きな脳をもつ)
 ◎「娯楽」として、「遊ぶ」ことができる
 ◎発達した海馬が、空間を把握する(道や場所をおぼえる)
 ◎独自の「美学」をもつ

感想・レビュー・書評

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  • 鳥の視覚はフルカラーで紫外線領域まで見え、人間より色覚が大いに勝っている。
    鳥は美しさを好む。視覚の解像度も人間の2倍以上。
    鳥はピカソとモネの識別ができる。
    鳥は歌を唄う。うまくさえずるために訓練を繰り返す忍耐力がある。
    鳥はクラシック音楽と現代音楽の聞き分けができる。クラシックを好む。
    鳥は英語と中国語の聞き分けができる。
    鳥は2本足で歩く。アップテンポの音楽に合わせて踊る。
    鳥は道具を自作し使い、気に入った道具は持ち歩く。
    鳥は食料を貯蓄する。多数の隠し場所を覚えている。
    鳥は夢を見る。
    恐竜時代を経て進化してきた鳥は、脳も発達している。
    鳥って凄い!

  • 電子ブックへのリンク:https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00088055
    ※学外から利用する場合は、リンク先にて「学認でログイン」をクリック→入学時に配布されたID/PWでログイン

  • こちらを読了。
    大変に勉強になりました。
    すごく内容の濃い1冊なのですが、読んでいてワクワクするような文体ではないのが玉に瑕。

  • 鳥について、一般的な飼育方法や特徴を述べるのではく進化の過程が詳しく説明されており、その後の飼育や特徴についての話を納得して読み進めることができた。
    鳥は恐竜だということがわかりとても面白かった。
    買って良かった本。

  • 言語と進化と脳を知ってる鳥好きには特に楽しめる

  • もっと鳥のことをしりたくて読み始めた。
    読み終わり、さらに鳥のことをしりたいと思うようになった。

  • 細川博昭 著「鳥を識(し)る」なぜ鳥と人間は似ているのか、2016.12発行。恐竜は絶滅してはおらず、小さく軽くなって鳥に姿を変え、その命はいまも地上に満ちている。そして、鳥の研究によって、人間という生き物に対する理解が深まった。同時に、人間は特別な存在、人間が一番優れているという過度な優越感にも疑問が。①渡り鳥は地球の磁場を感じとる ②地鳴き、さえずり、二種類の声でコミュニケーションを ③道具を使う ④遊ぶ ⑤貯食(未来を予測した計画的な越冬戦略)と記憶 ⑥人間との対等な会話 など。

  • 恐竜の子孫として鳥類を研究する文献は何冊か読んだが、どれも読むたびにわくわくする。恐竜が今も生きていることを実感できるのもそうだし、鳥がとても豊かな生き物だと理解できる。
    鳥は恐竜から進化し、様々な形質を受け継いだ結果、五感の中でも視覚と聴覚を特に発達させた。人類も二足歩行に移行し、他の哺乳類とは異なって視覚と聴覚を主な感覚器官として進化した。その結果、機能的にも感情的にも鳥と人には共通点が多いということを、収斂進化の一つのパターンとして論じている。
    後半の鳥の脳と感情の部分は若干眠い。

    面白かったポイント
    - もっとも古い恐竜は二足歩行で、四足で歩行する恐竜は後天的に四足に戻った(p.29)
    - 皮膜タイプの翼を持つ恐竜もいた(翼竜ではない)(p.46)
    - 鳥は四色に対応した錐体細胞を持っていて、人類よりも鮮やかな色彩で世界を見ている。おそらく恐竜もそうだったであろう。人類は二色の錐体細胞を強引に三色に変化させたため、バランスが悪い。(p.48)
    - 恐竜が絶滅した白亜紀、鳥類と哺乳類もほとんどが絶滅したが、生き残った一部のグループが勢いを取り戻して、今のように拡散した(p.74)
    - 鳥の趾の多くは、第一指が後方に向き、残り三本が前を向いている。最後の方に進化したインコ類は第四指も後方を向き、前二本、後ろ二本となっている(p.80)
    - 鳥は元から視覚と聴覚を中心としたコミュニケーションを行っている。人類は哺乳類の中では異端で、嗅覚を捨て、鳥よりもずっと後に、鳥に近いやり方でコミュニケーションするようになった。(p.170)
    - 脊椎動物はみな肺呼吸だが、息を止められるのは、水中に潜る生き物以外では、人間と鳥だけ。(p.197)
    - 鳥は多くの種が発生学習をする。哺乳類では鯨類と人間のみ(p.201)

  • 鳥への尊敬と愛情があふれています。読み進めるにつれ、知識が増えるとともに、豊かな気持ちになっていきます。鳥が好きな人、もっと知りたい人はもちろんのこと、これまで鳥がそれほど好きでもなかった人や、気にしたことなどなかった人にも、ぜひ読んでほしいなと思います。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:488.1||H
    資料ID:95170521

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著者プロフィール

作家。サイエンス・ライター。鳥を中心に、歴史と科学の両面から人間と動物の関係をルポルタージュするほか、先端の科学・技術を紹介する記事も執筆。おもな著作に、『鳥を識る』(春秋社)、『鳥が好きすぎて、すみません』『うちの鳥の老いじたく』(誠文堂新光社)、『知っているようで知らない鳥の話』『鳥の脳力を探る』『身近な鳥のふしぎ』『江戸時代に描かれた鳥たち』(SBクリエイティブ)、『身近な鳥のすごい辞典』『インコのひみつ』(イースト・プレス)、『大江戸飼い鳥草紙』(吉川弘文館)などがある。
日本鳥学会、ヒトと動物の関係学会、生き物文化誌学会ほか所属。

「2023年 『鳥を読む 文化鳥類学のススメ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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