世間はやかん

著者 :
  • 春秋社
3.04
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本棚登録 : 88
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393436387

作品紹介・あらすじ

世の中の「善」と「悪」、とことん見据えた語り下ろし。

感想・レビュー・書評

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  •  立川談志(2011.11.21、喉頭癌で没、75歳)「世間はやかん」、2010.5発行。「やかん」とは「知ったかぶり」のこと。知識をひけらかして能書きたれてるやつを「やかんの先生」というんだとか。人間の知らないものは山ほどありますね。目に見えるものも、見えないものも。 さて、さっと一読、あまり面白くはなかったです。失礼しました。

  • とにかく言葉の達人

  •  本文の言葉を借りれば、風が違う。
     家元の仕事ではない。

     そもそもさぁ、家元の本で1ページあたり12行×34字というのがありえない。
     家元の信者を当て込んだ商売の割には、もう散々言い古されたネタ。近況も他で拾える。

     上手いところが一つもない本。
     こういう仕事をしていると、「春秋社……? やめよう」ってなる。 そのくらい、よくわからない本だった。

     と思っていたら家元も同じようなことあとがきでを書いてた。
     安心した。みんな図書館に並べ!

  • 談志の良さは本にあるんじゃない。けど、それでも本の方も追ってみたくなる。それが談志の魔力。(12/5/6)

  • 談志の落語仕立て放言エッセイ。30分で読める威勢のいい本。

    スポーツをする動物はいない。(P.118)
    物事ってなァ手前ぇで見たものだけが「本物」だ。アトは噂話よ。(P.125)
    欲望に対する行為がスローモーな奴を「上品」と称(い)う。(P.137)
    ゆっくりやるとな、品よく見えるんだ。(P.137)
    独立国に、何で"基地"があるんだ。(P.164)

  • 落語 やかん の中でも業、本音、ジョーク、イリュージョンを混ぜ込んでいたように思う。病気になつた談志がこの本でもそれを表している。

  • この人の「俺を信じるな」と云う言葉は信用に足る。
    あ、図書館で借りました。

  • 本書には、立川流「家元」立川談志の名言(迷言)がちりばめられている。

    立川談志は多くの熱烈なファンに支持される、カリスマ性を持った落語家と理解している。カリスマなんて言葉は簡単に使いたくはないのだが、家元に関してはそう感じてしまうのだから仕方がない。

    ただ、私ごときの超初心者のへなちょこ落語ファンにはこの家元の言動はあまりに高尚すぎ、また哲学的でありすぎ、到底理解の及ばないところが多いのが事実。現に本書の内容にも構成を含め首を傾げるばかりだった。

    それでも家元の落語は、たいへん生意気ながらもうまいと思う。でも、生意気ついでに言ってしまうと好きではない。それでも、なんとか少しでもその素晴らしさを実感したくて、こういう本を読んでみたのだが。

    家元の吐かれる辛辣な言葉。これがいけない。聞いただけでどうにも落ち着かなくなる。本当はその乱暴な言葉の裏にこそ本心が隠れていると思えなくもないのだが、表側の過激な言葉にどうも幻惑されてしまう。たかが落語、されど落語。わかるヤツにだけわかればいい。そんなメッセージが聴こえてくる。

    それでもかろうじて共感できたのは、現代社会というか文明といえばいいのか、そういうものが行き過ぎているという考え。この意見には考えさせられた。深い。そういえば落語で「はっつぁん」のような無学な人間が、素朴な質問を口にする。それに答える、知ったかぶりの「ご隠居」は出鱈目な答えをでっち上げる。一見愚かに思えるこんなやりとりが、実は世の真理をついているかのごとき会話に思えてくることがある。

    家元・立川談志の発言も長く接し続けるなら、いつしかそんな含みを持った風に聴こえてくることがあるのかもしれない。いやいや、それはどうなのだろう。やはり言い切れない。大いなる疑問は捨てきれない。

    いずれにせよ、本書を手に取った方はとりあえず家元の書く「あとがき」を読んでみるといい。コア・ファンは謙遜ととるのかな?
    私のような未熟者は文面通りにとってしまうのだが……。

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著者プロフィール

落語家、落語立川流創設者。1936年、東京に生まれる。本名、松岡克由。16歳で五代目柳家小さんに入門、前座名「小よし」を経て、18歳で二つ目となり「小ゑん」。27歳で真打ちに昇進し、「五代目立川談志」を襲名する。1971年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選、1977年まで国会議員をつとめる。1983年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる。2011年11月逝去(享年75)。

著書には『現代落語論』(三一新書)、『談志百選』『談志人生全集』全3巻、『立川談志遺言大全集』全14巻(以上、講談社)、『談志絶倒 昭和落語家伝』(大和書房)、『談志 最後の落語論』『談志 最後の根多帳』『立川談志自伝 狂気ありて』(以上、ちくま文庫)、『談志が遺した落語論』『江戸の風』(以上、dZERO)などがある。

「2021年 『談志の日記1953 17歳の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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