こどもたちは知っている―永遠の少年少女のための文学案内

著者 : 野崎歓
  • 春秋社 (2009年10月14日発売)
3.73
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  • 7レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393469019

作品紹介

『カラマーゾフの兄弟』から『銀の匙』まで。無垢な魂と出会う文学読本。

こどもたちは知っている―永遠の少年少女のための文学案内の感想・レビュー・書評

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  • タイトルは知っている。だけど読んだことはない、という名作のオンパレード。作品の中でこどもがどのように描かれているのか、その作者の人生と絡めたり、野崎さんの息子のエピソードを交えたりしながら紹介されています。孤児や捨て子が出てくる「レ・ミゼラブル」「オリバー・ツイスト」、戦争の後遺症に悩む主人公を、戦争からもっとも遠い存在である少女が救う「エズメにー愛と悲惨をこめて」、ナチスの強制収容所に関してこどもの本音を貫いた「運命ではなく」など、文学の中でこどもが果たす役割の大きさを感じる作品ばかりです。

  • こどもから読む文学。

  • 児童文学の入り口と言うか
    ほんのさわりの部分が載っているので
    児童文学が好きで
    他にも何か読んでみたいわ―って人なら
    楽しめる本なのではないかと思います

    確かに子どもについて論じてはいるものの
    あまり深く突っ込む内容ではないので
    物足りなく感じる人がいるかもしれませんね

  • 請求記号:902.0ノ
    資料番号:011125010
    文学に登場するこどもたちに注目して作品を紹介している。

  • 文学作品において「子ども」はつねにトリックスターであるという命題。ディケンズ、ユゴー、中勘助などを引き合いに。

    著者の親バカぶりがうるさい。結局自分の「子ども」の話がしたかっただけか。

  • (2010.01.02読了)
    副題は「永遠の少年少女のための文学案内」となっています。大人のための文学案内なのですが、「おとな文学に登場する子供たちに注目して」文学を読み解いて見ようという試みです。自分に子供ができたがために、文学作品の中に登場する子供たちに気がついたということになります。
    取り上げられている作品は、以下の通りです。(☆は、縮訳版も含めて既読)
    ヴィクトル・ユゴー「ヴィクトル・ユゴー文学館第一巻・詩集」潮出版社
    ☆ユーゴー「レ・ミゼラブル」全四巻、岩波文庫
    ディケンズ「オリバー・ツイスト」全二巻、新潮文庫
    ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド」全五巻、岩波文庫
    ★バーネット「秘密の花園」光文社古典新訳文庫
    ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」全五巻、光文社古典新訳文庫
    亀山郁夫「「カラマーゾフの兄弟」の続編を空想する」光文社新書
    ディケンズ「骨董屋」全二巻、ちくま文庫
    ドストエフスキー「虐げられた人びと」新潮文庫
    ☆トウェイン「トム・ソーヤーの冒険」新潮文庫
    ★ローリングス「鹿と少年」全二巻、光文社古典新訳文庫
    ★中勘助「銀の匙」岩波文庫
    谷崎潤一郎「幼少時代」岩波文庫
    谷崎潤一郎「夢の浮橋」中公文庫
    ☆カミュ「ペスト」新潮文庫
    ★ケルテース「運命ではなく」国書刊行会
    ☆サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」ヴィレッジブックス
    ☆大江健三郎「芽むしり 子撃ち」新潮文庫
    デイヴィッド・アーモンド「肩甲骨は翼のなごり」創元推理文庫

    読んだことのあるもの、積読中のもの、聞いたことはあるが読んだことのないもの、はじめてみる物、様々です。野崎さんの紹介を読んでいると読んでみたくなります。
    又、積読が増えそうですが、積読分から取り掛かって、減らせれば。

    ●「レ・ミゼラブル」(22頁)
    コゼットに父親はいない、母親は幼いコゼットを、宿屋を経営するテナルディエ夫婦に預け、遠い町で身を粉にして働いている。夫婦からは毎月の養育費のほかに、やれコゼットに着せる冬の服がいるだの、重い病気になったから薬代がかかるだのと法外な額の請求が届き、その都度、母の苦労はいや増す。
    ●「オリバー・ツイスト」(37頁)
    生まれながらの孤児オリバーが、顔も知らない母と同様、希望や慰めとは無縁の人生を歩みださざるを得なかったことは言うまでもない。たえず「栄養欠乏状態」に捨て置かれながらも、何とか9歳まで育ったオリバーは、もっと食べ物が欲しいと、つい救貧院の賄係に訴えたことがスキャンダルとなり、その「極悪無道な罪」をとがめられて「暗い部屋」に一週間、監禁される。そして彼は年季奉公に出されることになる。煙突掃除の仕事である。
    ●「秘密の花園」(57頁)
    死を超えてよみがえってくるとでもいいたくなるような植物の生命の驚異に、全身で共感する子供の姿を見事に伝えてくれる小説といえば、何といっても「秘密の花園」だろう。
    ●「カラマーゾフの兄弟」(65頁)
    ドストエフスキーが当時、ロシアでの児童虐待事件の頻出に強い関心を寄せ、裁判に通って傍聴していたことはよく知られている。無垢な、無防備な魂が傷つけられることを許す世界とは一体なにか。神はなぜ、世界をそのような状態で放置しておくのか。そうした問いが彼の作品のあらゆる神学・哲学問答の大本にある。
    もし「カラマーゾフの兄弟」を一言で要約するとしたら、「父親を許せない息子たちが陥る無間地獄を描く小説」とでもなるだろう。(71頁)
    ●「トム・ソーヤーの冒険」(97頁)
    ああしなさい、こうしなさいと親に口出しされるのがうるさくてたまらないと感じる子どもたちすべてにとって、ハックは憧れの的となる資格を備えている。「人生を価値あるものにするために役立つすべてのこと」が彼には許されているからだ。
    ●「鹿と少年」(107頁)
    「鹿と少年」には、自然の中で生きていく毎日がどれほどの過酷さと隣り合わせであるかが克明に描かれている
    ●「銀の匙」(117頁)
    伯母さんの頭の中では人間と他の生き物の間に区別はなく、草木も魂を持ち、この世とあの世は一続きにつながっていて、どんなちっぽけな祠だって神様が鎮座ましましている。
    普通であれば「もはや再び」取り戻すことのできないはずの「子供心」が、「清浄無垢」を保って息づいているところに中勘助の文学の魅力がある。(118頁)
    ●「幼少時代」(126頁)
    きかん坊のくせに人見知りのはにかみ屋で、ばあやが付いてこなければ決してどこにも出かけようとしない潤ちゃんは「幼少時代」の記述によれば「幼稚園時代でも、ばあやが教室の中へ這入って、片時も離れず椅子の側に附いていてくれなければ直ぐ泣きだした」という。
    ●「ペスト」(136頁)
    あらゆる人間の生命はひとしなみに重い。とはいえ、こどもの命はとりわけかけがいのないものだ。カミュの発想には、そうしたこども優先の精神が宿っている。そのことを鮮烈に示したのが、長編小説「ペスト」である。
    ●「肩甲骨は翼のなごり」(183頁)
    親には決してわからない、知りようもない経験を積み重ねていってこそ、こどもは大きくなる。イギリスの作家、デイヴィッド・アーモンドの小説「肩甲骨は翼のなごり」は、そこのところをとても美しく描いた作品だ。
    (2010年1月3日・記)

  • (2009/12/29購入&読了)
    12/13
    BS週刊ブックレビューでの著者のインタビューが面白かった。読みたい。

    子供の存在に着目して、文学作品を読み直すというのが新鮮だった。
    大江健三郎を読む。

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