クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門

  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393621660

作品紹介・あらすじ

元祖提唱者が語るインフレターゲット政策と日本経済の真の問題。見当外れの批判を粉砕し、「そうか、経済ってこういうふうに考えればいいのか」と思わず納得する日本オリジナル編集版。インフレターゲットと経済政策をめぐる議論を総点検した山形浩生氏の書きおろし解説も充実。

感想・レビュー・書評

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  • ・2000年ごろによく言われていた構造改革論、不良債権処理、新規産業育成論には意味はなかった。

    ・結局、戦争とか伝染病などの災害でないとインフレは起こらないような気がしてきた。中央銀行にはインフレ期待を起こして継続させる力はないのでは?

    ・これからインフレの期間が長い間続くと予想される中で、この古い本(2000年ごろに発行)にどれくらいの意味があるだろうか。

    ・日本のインフレターゲット政策は、格差の拡大の原因になっていないだろうか。

  • 2003年11月25日 第1刷発行
    ふざけた題名の論文(原文でもこれ以上にふざけたタイトルになっているのです)

    調整インフレ論が初めて提案されたのは1998年→もう5年以上前だ。

    流動性の罠の問題では、中央銀行はその気になれば、目標とする価格安定性を実現性を市場が信じるということ。

    マクロ経済学の民間伝承のひとつ 大恐慌が終結したのは財政政策のおかげ→実質金利の急激な低下の影響が大きい(インフレ期待による)

    日本 1992年 インフレ圧力が弱まってきている。

    流動性の罠の理論 (低金利なら海外へ投資するはず、銀行の不良債権が原因…)
    調整インフレを起こせ→初期にはクルーグマンの理論に反対した。

    1930年代のアメリカ 流動性の罠→大戦に伴う大量の公共投資→大恐慌からの脱出
    クルーグマンの開発したモデルでは、財政出動の役割は限られている。

    1999年に実施された地域振興券→一番消費しない層に配られ景気対策として骨抜き

    ×本当に大事なのは、金融機関の不良債権処理じゃないの?→銀行をきれいにしたところで、それが最終的に需要を強く刺激してくれるとは思えない。
    ×マネタライズすると政府はどんどん赤字支出を増やす→需要を維持する代替案もないまま、財政支出をやめる→不況を黙って受け入れている状態

    財政出動論者は結構いる→どのくらいやれば景気が回復基調に戻るのか、言おうとしない。

    よいデフレ説・中国デフレ輸出説
    輸出できないもの(土地、各種サービス)まで値下がり
    節約したカネが他のものにまわれば、そっちが値上がりするはず

    国債価格が下がると、大量に買っている銀行が困るという論議がある。→調整インフレで景気拡大に伴い、不良債権が減少するので、充分に相殺される。
    国債をしこたま買いこんでいる銀行が結構あり、彼らの利害から調整インフレ論に反対する議論が日本には多いのでは?(原田泰「奇妙な経済学を語る人びと」)→異様な調整インフレ反対論が強硬に日本で主張されているか分からない。

    2003年の夏 政府は円高を警戒し、かなりの円を売って異常介入している→数兆円規模 金融緩和と同じ効果 →アメリカが牽制をかけた途端、円高、株価下落

    日銀がインフレ目標をアナウンス「これから15年にわたって4%インフレを続けることにします」
    速水総裁時代→調整インフレなんてダメだ!

    1998年にクルーグマンが初めてこの議論を持ち出したときには、かなり突拍子もない論議だと思われていた。
    インフレ期待をつくり出せという論議はいまや世界のあらゆる経済学者が支持している→反対派は日銀中心の経済学者のみ

    野口悠紀夫の「超整理日記」日本は物価高でいまのデフレは世界水準に近づくプロセス→経済学の学生は野口の轍を踏むと単位を落とすので注意すること

    クルーグマン MITからプリンストンへ 当時流動性の罠やインフレ目標に関するトップの学者の集うところ→調整インフレの研究を自分の業績の大きな柱にしたくてプリンストンに移ったということらしい。

  • 日本経済を流動性の罠を用いて、説明をしている。伝統的なモデルを拡張して行くことで、理論的に、流動性の罠がありえるもので、その場合どのように解決すべきなのか明快な論理で述べている。
    経済学の知識がもう頭の中から抜け落ちていて、モデルの理解は完全にできなかったのが残念なので経済学勉強しなおしてリベンジします。

    あと、翻訳をした山形さんの書き方がすごいフランクでびっくりしたわ。

  • 旬のうちに読んだ方が。

  • 先日丁度日銀・政府が物価上昇目標値を設定したわけだが、インフレターゲティングという処方箋を、90年代から日本に提示していたクルーグマン氏の、「日本経済」についての状況分析。
    氏にとって10年以上前の論文をまとめてあるのだけれど、今読んでも古くない。

    別途インタゲがどこまで効果を出すことが可能かは、昨年度までのアメリカ経済の状況を見ている限り難しそうだなあ、という感じはするけど。

  • 流動性の罠の脱出方法について

    1.物価水準の目標値を定めてアナウンス
    2.円を切り下げて固定相場に。円を刷りまくり。
    3.物価水準があがって目標値を達成したら、固定レートを廃止して変動相場に。インフレ目標を宣言して実行する。


    流動性の罠とは、名目金利がゼロで金融拡大、金利引き下げ政策によって景気刺激が出来ない状態。
    貯蓄と投資がマッチせずお金があまっている状態。

  • 表紙とタイトルに惹かれて,平積みされてたのを拾い買い.
    ノーベルおめでとう.

  • マクロ経済学が分からないので肝心なところが理解不能でした。勉強して出直してきます。

  • 隅の方から。

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著者プロフィール

NY市立大学教授。2008年、ノーベル経済学賞受賞。
イェール大学で学士号を、MITで博士号を取得。イェール大学、スタンフォード大学、MITで教鞭をとったのち、プリンストン大学経済学部教授。1982~83年には1年間大統領経済諮問委員会(CEA)のスタッフも務めた。主な研究分野は国際貿易。収穫逓増と不完全競争に焦点を置いた「新しい貿易理論」の創始者の1人である。国際金融、特に通貨危機の問題にも取り組む。1991年、アメリカ経済学会のジョンベイツクラーク賞受賞。日本語への翻訳書多数。

「2019年 『未完の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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