自然農法 わら一本の革命

著者 :
  • 春秋社
3.96
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本棚登録 : 398
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393741412

作品紹介・あらすじ

耕さず、草もとらず、肥料もやらず、しかも多収穫!"現代の老子"が語る無の哲学と実践。

感想・レビュー・書評

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  • 食物の栽培という視点から宇宙の真理を説明した確信的な本です。
    この本は後にりんごで有名な木村秋則さんなど自然農法の先駆者を生みだす賢者の石の様な役割を果たしました。
    著者の考えは農業に関わらない人にも食べ物って何だろうと考えさせられる哲学です。
    オーガニックは身体に良い♪とか言っている次元ではありません!
    普段食べている野菜は一体何なのだろうとさえ思う一冊です。

  • 自然農法について書かれた本ですが、ただの無農薬有機栽培の話ではなく、哲学的な内容を含んでいます。
    自然農法を始めた頃、自然だと信じてミカンの木を放置していたら枝が混乱して病害虫にやられてすっかり無茶苦茶になってしまった、放任と自然とは違うのだ、というエピソードには学ぶところがありました。
    食についても、同様の考え方が披露されていて、書かれていることがいちいち老荘の無為自然の概念を彷彿とさせます。個人的には、老荘思想実践編という印象を受けました。
    面白いのは、日本の農地は一人あたり一反ほどあるから国民全員に一反ずつ農地を与えるといい、五人家族だと五反の農地で一家がそこそこ食べられるから、仕事の合間のレジャーとして自然農法をやれば生活の基盤ができるのであとは好きなことをしていればいい、という提言です。ベーシックインカムの議論を思い起こさせられる話で、土地の分配ができるのか、というそもそものところをおいておくにしても、国民皆が著者のような自然農法の達人になれるなら確かに「最も楽に生き、国を楽土にする、一番手近な方法」ではあると思います。

  • 農業に関しての正誤は分からない。今まで科学で対症療法的に行っていたことを、省いて省いてたどり着いた無の農業。日本で科学と言われているものは全部場当たり的だという認識から、従来の農業を否定する。
    そこまでは良いのだけど、科学全体を否定する論調がバランスを欠く。政治として人に指示する(減反とか)のであれば、対症療法でがんじがらめにするのではなくて、どのように生きるべきかの哲学が必要だと言うのだが、理由は科学には求められない。だから、理由が存在しないから科学は間違っていると主張しても探す所を間違えている。宗教も科学も現実を認識しようとする思考から生まれた。それを否定して、自分の自然への認識から哲学を得ようとする。歴史観が欠如している。
    わら一本の革命も科学。だから、哲学の無い科学を批判するのではなくて、哲学のない政治、経済を批判して覆すんだと言えば良かったのに。

  •  ある方のブログを読んで、読んだ本。

     出会ってみたかったなぁと思わせる著者です。多くの言葉が自分の心にとてつもなくぴったりくるなぁ、と感じます。もう、生きていらっしゃらないのかぁ、残念。

     生き方そのものも、力の抜け方が心地よかったです。でも、著者と私は、決定的に違います。だって、私には、この現代社会の生活を投げ捨てることができないのですから。

     何をやらなくてよいかを考え、全体として自然の力に任せる、こんな農業ができたらうれしいです。全体としてみることができないというのは、農業に限らず、私のしている仕事でも同じ現象が起きています。何人もの人が、専門家と称しながらバラバラに動いて、いつまでたっても全体最適化できないのが、自分の会社でも当たり前になっています。全体像が見えない統率者が、仕事が増えたと言って、人を増やし、益々やらなくてもいいことを積み重ねていきます。本当は、とってもシンプルなことなのに。

     また、この言葉が心地よいと感じました。「身体のまま意のままに従って、美味なれば食をとり、不味なれば食を断つこと融通自在で、無為、無策で、自由奔放、しかもそれで最高の妙味を味わう自然食になる。」。なんで心地よいかわからないけど、もっと自分自身の身体が欲するものを、必要なだけ、自然に摂取するということができれば....という感じでしょうか。そうはいっても、私は、甘いものばかり食べてますけど。

     最後の章に、スリーマイル島という言葉が含まれていて、何とも言えない読後感が広がりました。一方で、彼が、生きてきた、戦後、高度成長期と公害、そして自然農法が認められるという流れが、何か自分を勇気づけてくれるような気もしました。

  • 自然を蔑みし、人智と人力を恃み、技術の粋とやらを凝らす近代に鳴らされた警鐘。リュットレゾネなぞ生温い、偏に自然に還れと説くファンキーでソウルフルな老荘思想の農業的実践。筆者の政治観は「小さい政府」の東洋的回答でもあり興味は尽きない。本書の批判を日本の原子力政策に向けずにはいられなかった。あれ程の大事故があってなお教訓を得られず、未だ再稼働ありきの一本鎗。原発に頼らぬ姿を志向する代りに、避難計画を熱心に立て、柏崎刈羽の安全対策には6800億円を投じたと胸を張る。どうすればこの国家規模の倒錯から脱出できるの?

  • 人間は余計なことばかりしてきた、本来何もしなくて良いのだという主張。初めて聞いたので、新鮮で面白くて、夢中で読んだ。

    岡本太郎が「お百姓さんが一生懸命作ったのだから…」みたいなことを言われるのが嫌いだったと書いていたのを読んだことがあるけど、なぜ嫌だったのかが何となくわかった。この方も労働という言葉が嫌いなのだそうで。田んぼだって耕さなくてよいのですって。
    太郎さんもそのあたりを鋭く指摘していたのかな。違うかな。。

    田んぼを耕さないというのは、こねないパンを思い出したよ。
    自然にはもともと力があるということ。微生物が働いてくれるということ。人間は余計なことをしなくていいということ。

    自然農法。わたしも家庭菜園始めたらやってみたい。できるかな。

    読み進めるうち、これってわたしが最近読んで感動した『半農半Xという生き方』や『ダウンシフターズ』などと同じだ!と気づいた。
    誰もが農業をやって自分の食べる分を作り、あとは好きなことをして暮らせばよいっていう。
    いやー、30年も前からこうしたことを言っている人がいたとは驚き。

    福岡さんの主張は一見エキセントリックだけど、正しいことをおっしゃってると思う。文庫化すればいいのにというくらい。名著。

  • もし農に携わるのであれば一読しておきたい本。

    著者が何十年もかけて行ってきたことが普通に記載されているが、具体的な方法論については別途調べるなり、別の著作を見る必要があるかもしれません。

    後半は若干哲学色が強くスルーしたくなった。

    払ってもいい金額:2,000円

  • 自然栽培が広く普及することを願います。そのために私たちに何ができるか、考えたいと思います。

  • 農業について何にも知らなくてもすらすら読める本。農に関する思い入れが伝わります。こんなに昔からたった一人でも動いていたと言う事実に感服。
    農薬、化学肥料、お店に並ぶまでに使う薬品、、、様々に農業と食をいじって手を加えすぎている今、多くの人が読むといいなあと思いました。

  • まあちょっと悟ってしまった方によく見られる空の思想に憑依されている感はあるものの、私がやってみたい農業、いやいや、そんな狭い範囲の話ではなくて、理想とする生活の仕方、生き方を提示してくれた本です。
    「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏もそうですが、自然を相手にというか、自然と一体となっている人の生き方・考え方は、自己を超越したものとつながっているように感じます。
    誰もが家に畑を持って、自然農で野菜をまかなえるようになれば、健康被害や食糧危機なんてものはなくなるのではないかと、そんな気にさせてくれます。

    レベル:719

    聖書レベルの点数です。人類や自然に対する深い愛がベースにあるような感じがします。

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