映画的建築/建築的映画

著者 :
  • 春秋社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393957059

感想・レビュー・書評

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  • 建築史家、五十嵐太郎の映画と建築についての考察集。
    驚くべき量の映画を、発見的視点で鑑賞することは、努力が必要で、その点にまず著者に敬意を払う。

    箇条書きでまとめる。

    ・アニメから小津まで対照が幅広い。
    ・が、寄せ集めのエッセイのため読みにくい。
    ・著者の収集家的性格の文章も拍車をかけている。取り上げたと思ったら一文で終わったりする。
    ・最初の、建築家としての小津安二郎は、なかなか充実している。
    ・ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』が見たいと思った。
    ・ル・コルビュジエのくだりは、流石にノリに乗っている。充実していて読みやすい。

    映画の作り手も、視聴者も、批評家も、批評家の文章も、批評家の文章の批評文も
    なみなみならぬエネルギーが必要である。

  • 「映画のなかの建築、建築家カタログ」。ディテールから空間を細かく書き起こす筆力と、その博覧強記ぶりはさすがの一言。ただし、なにかの「結論」を期待したひとは、肩透かしをくらうかも。そういう主旨の本ではない。が、言及される映画を見た事のある人にとっては、その作品を解釈するためのヒントが大量に埋め込まれている。各作品について、論を深める書き手がこれから増えれば、この本の位置づけも変わるかもしれない。
    個人的には、小津安二郎の作品についての章と、アニメのなかの都市表象についての章はとても面白く読めた。
    かなり文字数の多い本なので、興味のあるところだけ、つまみ読みするのも可。それぞれの章は独立している。

  • 「摩天楼」の主人公のモデルがフランク・ロイド・ライトだとは知らなかったなあ。

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著者プロフィール

1967年パリ生まれ。東北大学大学院工学研究科教授。博士(工学)。建築史・建築批評。1992年東京大学大学院修了。ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展2008日本館コミッショナー、あいちトリエンナーレ2013芸術監督。
主な著作に『過防備都市』(中公新書ラクレ、2004年)、『建築の東京』(みすず書房、2020年)、『様式とかたちから建築を考える』(菅野裕子との共著、平凡社、2022年)がある。

「2022年 『増補版 戦争と建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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