芥川賞候補傑作選 戦前・戦中編(1935-1944)

  • (株)春陽堂書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394190059

作品紹介・あらすじ

戦前に芥川賞候補になった作品の中から、惜しくも賞を逃した名作・問題作・異色作・意欲作を掘り起こし、珠玉の14作品を精選。
太宰治、織田作之助、中島敦などいまも読まれている作家から、一瀬直行、村田孝太郎、埴原一亟といった知られざる作家まで、様々な文学の形が体験できる一冊!

<収録作品>
太宰 治「逆行」(第1回候補)
宮内寒彌「中央高地」(第2回候補)
矢田津世子「神楽坂」(第3回候補)
伊藤永之介「梟」(第4回候補)
中谷孝雄「春の絵巻」(第6回候補)
中村地平「南方郵信」(第7回候補)
一瀬直行「隣家の人々」(第7回候補)
織田作之助「俗臭」(第10回候補)
木山捷平「河骨」(第11回候補)
元木国雄「分教場の冬」(第11回候補)
牛島春子「祝といふ男」(第12回候補)
村田孝太郎「雞」(第12回候補)
埴原一亟「下職人」(第13回候補)
中島 敦「文字禍」(第15回候補)

感想・レビュー・書評

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  • 太宰と織田作、中島敦だけ読んだ。

  • 913-A
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  • 戦前、芥川賞の候補となりながら受賞を逃した中から今読んでも面白い作品をセレクトした一冊。
    第1回(1935年・昭和10年)~第15回(1942年・昭和17年)の作品収録。各作品の後ろにその回の芥川賞選評が抜粋して掲載されているので、受賞作との比較や、落選した作品への当時の評価も分かるが良いですね。

    収録作どれも看板文句の通り、現代でも通じるテーマ性があったり、設定・筋の面白さなどどれも面白くあっという間に読み終わりますね。(本の分厚さにちょっと怯むかもしれませんが、フォント・行間が大きめに配置されてるのでかなりスイスイとページが進みます)。
    選評と作品をセットで読むことで感じた事ですが、作品が書かれた時代が時代だけに、満州、サハリンなどを舞台にした作品や口減らしのために売られる子供など、その当時の人にとってはおそらくリアルに「今」を描いていたモノを、現在の私が読む場合は、まるで近代を舞台にしたドラマを楽しむような感覚で楽しんでるな、でもその中に現代からも汲みとれる何かがあるんだな…というのが今回の気付きです。

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著者プロフィール

1959年、名古屋市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。83年、読売新聞社に入社。91年から文化部記者として文芸を主に担当する。書評面デスクを経て、2013年から文化部編集委員。主な著書に、『芥川賞の謎を解く 全選評完全読破』(文春新書、2015年)、『三つの空白 太宰治の誕生』(白水社、2018年)がある。

「2021年 『芥川賞候補傑作選 平成編② 1995-2002』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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