屋根裏の散歩者 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 524
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301042

感想・レビュー・書評

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  • 子供向けの文庫で読んだような、テレビドラマで見たのを読んだと思ってるような…
    どちらにせよ、今回、初めてまともに意識して江戸川乱歩作品を読みました。
    やはり、今の時代に読んでも十分に面白いですね。
    むしろ、いろいろな制約が設けられている現代では、こういったお話は読めないんじゃないかな、と思います。
    北村薫先生の「街の灯」で、女学生が江戸川乱歩の小説を読む事は憚られる時代があった、というエピソードを思い出しました。
    その話に出てくる作品も、「屋根裏の散歩者」でしたが、
    私の中の江戸川乱歩作品は、もっとエログロナンセンス全開のイメージだったので、
    この程度の表現や内容で、社会的抑圧が降りかかるのか!と驚きました。
    ある程度は倒錯趣味に関して理解のある現代の感覚では、
    同じような内容の話を書いても、ここまで面白くはならないだろうと思います。

    この短編集の中でも、私が気に入ったのは『火星の運河』で、
    『鏡地獄』、『押し絵と旅する男』、と続いて並んでいるのが粋ですね。
    前衛芸術的でファンタジックな世界観が一服の清涼剤の役割を果たしていると思います。
    一読では全貌を見た気にならないのが、奥深くて素敵です。

  • 表題作がなんとも魅惑的でしたねぇ…一度読んだことがあるのですけれども、あまり話の筋を覚えていなかったため、今回再読してみた次第なんですけれども…素晴らしい!

    という感じで絶賛していますけれども、☆が三つなのはアレですね、基本的に娯楽小説というか…いやまあ、それでいいんですけれどもまあ、純文学のような深い感動があるのかと問われればそれは無い、ですねぇ…でもまあ、江戸川さんのこういった、ともすれば変態ッ! とも受け取られかねない世界観は好きなんですけれどもねぇ…。

    角川文庫でどうやらシリーズ化されているみたいですから、この際順繰りに読んでみるのもいいかもしれませんねぇ…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • (収録作品)火星の運河/屋根裏の散歩者/疑惑/押絵と旅する男/鏡地獄/目羅博士の不思議な犯罪/虫

  • 春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩短編集を文庫で復刊したものです。表紙も含め春陽堂版が一番雰囲気が出ていると思います。本短編集には、"屋根裏の散歩者(1925)""鑑地獄(1926)""押絵と旅する男(1926)""火星の運河(1926)""目羅博士の不思議な犯罪(1931)""虫(1929)""疑惑(1925)"の7篇を収録。表題作の"屋根裏~"は、ご存知 名探偵明智小五郎が登場する作品ですが、その他のものは人の狂気が垣間見える作品です。現代にも通じる変態趣味が満載です。

  • 表題作「屋根裏の散歩者」以外に「鏡地獄」「押絵と旅する男」「目羅博士の不思議な犯罪」など7編が収録されている。

    ★「屋根裏の散歩者」郷田三郎は何をしても面白くない日々を過ごしていた。ある日ふと思い立って、下宿の屋根裏に潜んで各部屋を覗いてみたらこれがおもしろい。ところがあきっぽい彼は三日ほどであきる。その後彼が思い付いた奇行は、屋根裏から毒薬をたらし誰かを殺害することだった。
     計画実行----完全犯罪と思われた彼の犯罪も名探偵・明智小五郎によってやぶられる。私は映画を先に見たが、この映画があまりにもエロすぎて倒れそうになった。三郎の完全犯罪よりも覗いている部屋で行われている変態プレイに重点が置かれている映画はおいとくとして、小説では探偵小説らしく彼の完全犯罪に重点が置かれている。お好みに応じて(?)映画を見るなり小説を読むなりしてもよさそうだ。

    ★「鏡地獄」内部を鏡で張り詰めた球体に入り込んだ青年が発狂する話。「だったらそんなところに入るなよ、最初から」と言いたくなる話だが(笑)彼の恐怖がまざまざと伝わってくるすごい作品。

    ★「押絵と旅する男」これも映画化されている(私はまだ見ていない)。押絵の美女に恋い焦がれた男がついに自分も押絵になると言う話。あらすじだけを聞くと「アホか」と言いたくなる話だが、作品を読むと「アホか」と言える雰囲気ではない。妖美な世界を堪能させてくれる。私は密かにお気に入り。

    ★「目羅博士の不思議な犯罪」これは単純に読んで楽しめる。といっても殺人の犯罪なので楽しむのは読むだけにしたいのだが。

  • 一気に読み上げました。屋根裏の散歩者と暗黒星と二つの作品。私的には後者の方がとても読み応えがありましたし色々考察しながら読める内容。犯人はやっぱりそうだったか、と言った感じですが見えざる真実と云うか、兎に角面白かった。

  • 「虫」と「疑惑」が好き。
    「虫」の主人公の健気さにちょっと絆されそうになる。
    「疑惑」は会話文だけでもちゃんと展開していけるんだなあと思った。

  • 2012/12/29

  • 表題作を読みたくてamazonで購入。

    「火星の銀河」と「虫」は他の短編集で既読だったが、未読の作品も多く楽しめた。
    明智小五郎の登場する表題作「屋根裏の散歩者」はもちろんおもしろかった。
    一番のお気に入りは「目羅博士の不思議な犯罪」です。
    江戸川乱歩が創り出すその雰囲気や情景、心理描写は、やはりいつの時代でも独特であり最高ですね。

  • コレ映画化されてたけど乱歩の正しい解釈ではなかったね。

  • 久々に乱歩の短編読んでみた。独特すぎてあんまし参考にならない。

  • 世の中全てに興味をなくした男、郷田三郎は、「趣味」で始めた屋根裏の散歩をするうちに、完全犯罪を思い付く。
    それは、成功するかに思われたが―。明智小五郎が活躍する、初期の作品。【志學館大学】ニックネーム:まめしば

  • 七編からなる短編集。 
    どれも秀逸。奇妙な世界、奇妙な性癖、だけれどもどこか共感もする。 
    推理小説、怪奇小説というよりも、より登場人物の心理、行動を徹底している作品。 
    古さはほとんど感じません。虫、がよかった。

  •  7作の短編集。
     表題作はもちろん、虫、目羅博士の不思議な犯罪、鏡地獄、押絵と旅する男など、秀逸な作品が勢ぞろい。
     
     江戸川乱歩の作品は色々なところから出ていますが、表紙の魅力では春陽堂が1番かと。

  • こののぞき見の禁断の感覚、いいよー。
    それでいて、ぴたっと屋根裏の穴から口に合うわけがないとか、
    合理性が顔をのぞかせるとこがぞわぞわくる。
    押し絵と旅する男のマジックリアリズム的描写もするっと入って来た。
    映像化もよかったです。
    宮崎真純の令嬢が…

  • 当時の探偵がいかに警察より上に見られていたかわかりますね。

  • なんかフェティッシュだ

  • 執念と狂気。
    ヒマやお金がありあまっていると人間ロクなことを考えない。。。
    明智さんは一編しか出てきません。

  • 乱歩の世界はすごい。猟奇的ってゆうの?でも芸術的?
    犯罪美学ってこうゆうのを言うのかな。

  •  屋根裏を動き回る散歩者は誰か。
     屋根裏から見える世界は、人々の秘密にしておきたかった世界。誰にも見られていない事が絶対条件だったのに、だのに。彼は覗いてしまった。それは甘く禁忌な世界。そんな折、彼はひとつの事件を思いついた。そうだ。この屋根裏を使って殺人をやってみよう。バレるはずがない。バレないだろう―――。
     しかし、彼は誤算をしていた。明智 小五郎が居たからだ。明智は、どのようにして彼の犯罪を暴いたのだろう。
     ご存知江戸川氏の小説。表題作の他六篇が入っている作品集。
     “押絵と旅をする男”、“虫”が中でもお気に入りです。妄執に取り憑かれた人間の心理描写はとても凄いと思いました。

  • 同じ本を二冊も買ってしまった…。
    誰かにあげたいけど、
    こんな趣味の人、近くにはいない気がする。

    さすが江戸川乱歩なんですけど
    ★4にしとくかな。
    以前感じた「おおおおー」という感嘆が起きなかったので。

  • 表題作『屋根裏の散歩者』他六編を収録。

    有名な『屋根裏の散歩者』を含む短編集です。
    他にも鏡の魔力に取り付かれた男の話し、『鏡地獄』
    不思議な挿絵と度をする男、『挿絵と旅する男』
    ビルの決まった部屋に住むと、必ず飛び降り自殺をする『目羅博士の不思議な犯罪』
    愛しい女性が腐りゆくのを阻止しようとする『虫』。

    どれも不思議な世界を見せてくれる作品ばかりです。

  • 08.06/18 08.06/20

  • 江戸川乱歩は異世界に連れて行ってくれるところが好き。押絵と旅する男、は落ち着いたレトロ趣味が良かったです。明智小五郎、ニヤリと笑う。猟奇殺人が珍しかった当時は、衝撃的だったのだろうな。多賀新の表紙の装丁もよく合っててよい。画像が出ないのがざんねん。

  • 屋根裏の散歩者=屋根裏で思いついた完全犯罪。明智小五郎の活躍。乱歩が実際に屋根裏に入り考えついたらしい/鏡地獄=レンズや鏡に執着した男が迎えた地獄/押絵の旅する男=郷愁漂うファンタジー/火星の運河=意味不明/目羅博士の不思議な犯罪=幻想的トリック/虫=死体の腐乱が美しく感じられる/疑惑=父親殺しの動機は全員にあり

  • この巻の作品、どれも大好きなものばかりです!題名だけでもウットリするほど… 表題作の他に、 鏡地獄/押絵と旅する男/火星の運河/目羅博士の不思議な犯罪/虫/疑惑が収蔵されています。

  • 江戸川乱歩は憧れです。
    この方の作品、大好きです。

  • こんなこと、本当にやっちゃあいけません。

  • 乱歩にはまる、
    そして、ダークなものにはまるきっかけになった本です。
    『鏡地獄』で心鷲掴み。
    装丁も、春陽堂のが一番好き。
    (画像イメージがなくて残念)

    装丁画の多賀さんは、
    道東出身の作家さんです。

  • その他の収録作品:<br>
    鏡地獄/押絵の旅する男/火星の運河/目羅博士の不思議な犯罪/虫/疑惑

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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