化人幻戯 新装 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 125
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301288

感想・レビュー・書評

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  • 再読。生田耕作に「明智小五郎が最高に格好いい」と言わしめた作品。トリックや明智の行動など、「いやいやそれないから!」と思ってしまうが、「こういう普通でない性格を、精神病というようですわね。だから、わたしは精神病なのでしょう。しかし、わたし自身は病気だなんて考えていません。人間の大多数の性格や習慣が正しくて、それとちがったごく少数のものの性格は病気だときめてしまうことが、わたしにはまだよくわからないのです。正しいって、いったい、どういうことなのでしょうか。多数決なのでしょうか。」というヒロインの独白を聞け。

  • 冒頭から淡々とした描写が続き、何も起こらず、何かを期待させることもない。
    枯れた文章とでもいうのかなあ。読んでいてもつまらない。
    書きたくないに無理やり書かされたものを無理に読まされている感じ?

    我慢して読んだが、最後の最後、ラスト1割くらい、連載で言うと最後の1話か2話分くらいだと思うけど、その辺は興が乗ってきたのか、ツヤのある文章で面白かった。

    でも前の部分がひどすぎるよ~ということで、評価は★★☆☆☆。

  • 色々とワクワクするような要素をちりばめて頂いて、こちらとしてもウキウキしながら読み進めていきましたが、うーん…どんでん返しのどんでん返しはすごく好きなテーマだけど、うーん…。

    なんだか小さな枠にはまったコンパクトな話とでも言いますか、村越の死をピークにあとはだんだん落ち着いていくような感じでしたなあ。

  • タイトルの読み方がよく分からなくて検索。
    「けにんげんぎ」と読むらしい。

    「乱歩美女シリーズ」なんて聞くとちょっと複雑なのだが、
    まあ江戸川乱歩は時々、何と言うか、
    ちょっと肉欲的な描写を差し挟むことがあるので
    それもしょうがないのか。
    しかしドラマ化のタイトルが「エマニエルの美女」だものなあ…。
    いいのか、乱歩。

    そんなタイトルをつけられる原因はもちろん登場人物由美子にあるのだけれど、
    一応小説の設定上は納得のできる多情です。
    ミステリとしてはよくできていると思うので、
    そういった方面で着目しちゃうと勿体無いかな、と思ってみたり。

    明智小五郎50歳。
    小林少年は何歳なんだろう。
    明智小五郎が既にピークを超えたおじさん扱いされているところを見ると、
    小林少年も、もう少年じゃないのかも。

    乱歩自身まで登場人物として名が出てくるところはご愛嬌。
    小説内で出てきたカーの作品は読んでみたい。

    しかしなんとなく★3。
    4でもいいんだけどな、
    なんとなく。

  • 乱歩の中でもかなり好きな部類

  •  私が読んだのは角川ホラー文庫だったような・・・
     したがって編纂されている作品が違うかもです。
     表題作「化人幻戯」
     乱歩の還暦記念的に書かれた作品で、戦前の作品のような通俗スリラーでなく(途中に色っぽい場面がありますが)長編本格派推理小説に属する作品です。明智小五郎は既に50歳代になっていますが、小林少年は相変わらず少年です(笑)。長編作品に苦手意識を持つ作者は失敗作と評価していますが、確かに本格派推理小説としてはミスディレクションが見え透いていて犯人は容易に当てられますし、密室に暗号にアリバイと謎は豊富ながらもトリックは大したことがありません。しかし犯人もトリックも見抜いた明智をして「僕はわからない」と言わせしめた秘密が明かされる結末は現代の読者にも十分衝撃を与えると思います。意味深なタイトルも秀逸です。
     「防空壕」−笑い話?悲恋話? でもこういうの好きです。最初の東京大空襲の様子はハラハラ読ませます。
     「堀越捜査一課長殿」ーはぁ〜こういうトリックもあるのか!現実でもできそうだね。ただテレビの中に・・・ってのはどう?
     「断崖」「兇器」「灰神楽」ー特に印象なし。

  • 春陽堂の乱歩シリーズは全部持ってるものの表紙が出てくるものがほとんどない。

    カマキリの愛し方。

  • 千葉に行く途中、電車の中で寝てしまった。
    降りる頃にはすっかり寝ぼけていて、電車の中に忘れたことがあります。
    なのでこれは買いなおしました。
    千葉そごうブックセンターのしおりが挟まっていたので、そこで買いなおしたみたいです。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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