ペテン師と空気男 新装 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301318

感想・レビュー・書評

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  • 全編通してというわけではないが、所々に乱歩らしい淫靡さとか人の奥の方に存在する仄暗さが映し出してあって、これぞ!という感じでした。
    「ペテン師と空気男」での、夫もすぐ近くにいるというのに暗闇の中で美しい人妻と肌同士を密着させている時の共犯めいた高揚とか。
    「防空壕」にあった、絶望にも近い大厄災の中で、恐怖しつつもその非現実さに妙に胸が高鳴る心境とか分かっちゃうもんな。
    なんだろ。この背徳感こそ乱歩の醍醐味の一つだと思う。
    「指」は幻想文学のよう。大好き。

    収録されてるのは戦後の作品だけあって、「ペテン師と空気男」も「防空壕」も戦争が大きなウェイトを占めてて、当然なんだろうけど、戦争は乱歩にも大きな影響を与えたんだなあと感慨深くなってしまった。
    (なんだか浮世離れしてるイメージが強いのでね)

  • 表題作、「イタズラの天才」もの( ´ ▽ ` )ノ。
    障害者ネタが出てくるまではニコニコ、以降だんだん陰鬱になってきて、ラストは「ほう」という感じ。まあ、よくある展開ではあるんだけど、こんな昔からこういうオチがあったんだ(゚д゚)!
    本作もそうだけど、乱歩作品には暇を持て余した金持ちが犯罪や変な趣味に走る類いのものがやたら多いね( ´ ▽ ` )ノ。
    面白かったのが、マジックハンド(不精なヤットコ、だったっけ?)の形状を「☓☓☓☓☓☓☓☓☓型」としてある点( ´ ▽ ` )ノ。こういう考え方はなかった( ´ ▽ ` )ノ。伏せ字みたいだね( ´ ▽ ` )ノ。

    「防空壕」、戦時中の話をこういう風に書いたら、いまだとあちこちから批判を受けそうだね( ´ ▽ ` )ノ。反戦要素ゼロだから( ´ ▽ ` )ノ。

    「妻に失恋した男」、新聞に5回連載とあってビックリ(゚д゚)!。こんなに短いのに(゚д゚)!

    ほか「指」とか、その後の和風モダンホラー・奇妙な味の元祖的作品だね( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/04/11

  • (収録作品)妻に失恋した男/防空壕/堀越捜査一課長殿/指/ペテン師と空気男

  • 春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩短編集を文庫で復刊したものです。本短編集は、"ペテン師と空気男(1959)""堀越捜査一課長殿(1956)"、"防空壕(1955)"、"妻に失恋した男(1957)"、"指(1960)"の5篇を収録。いずれも作者の晩年に発表された作品です。この頃は怪人二十面相や少年探偵団が活躍する少年ものが多く発表されていた時期ですが、表題作にもなっている"ペテン師~"は、往年の乱歩らしさを感じる作品です。また、"防空壕"は色々な意味で印象に残る話です。男ってバカだな。

  • どんでん返しトリックだらけ
    そんな道理なの?と思わせるものばかりなのに、期待してよんでしまう

  • ・収録作品・
    ペテン師と空気男
    堀越捜査一課長殿
    防空壕
    妻に失恋した男

  • 「ペテン師と空気男」「堀越捜査一課長殿」「防空壕」「指」収録。
    さすがに表題作が一番の作品だった。少し地味な作品群かもしれない。

  • 「偶然を装ったたくらみ」が好きな私は表題作のペテン師~が一番面白かった。最後はおどろおどろしくなくてそれも良かった。

    堀越捜査一課長殿はよく見るパターンの話だったけど、ぶ厚い手紙が送られてきて…という盛り上げ方がうまいなーと思った。

  • やっぱり乱歩を読むなら春陽堂。渋いね。

  • 冒頭〜中盤にかけての可愛さとそれ以後の探偵っぽい雰囲気と。
    誰かにいたずらをしたくなった。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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