- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394301349
感想・レビュー・書評
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江戸川乱歩
横溝正史
甲賀三郎
大下宇陀児
夢野久作
森下雨村
6名によるリレー小説。
2歳の時、両親を目の前で殺害され、血の海の中無邪気に笑っていた蘭子。
美しく成長した彼女は養父母の家を飛び出し、天真爛漫に生きる。
乱歩の回が暗くドロドロと始まったものの、成長した蘭子は屈託なく明るい。
それぞれの作家がそれぞれのカラーで蘭子を描く。比べながら読めるのも楽しい。
学生のころ13人でリレー小説を描くことになり、なんでか私がラストだった。それぞれがそれなりに話を盛り上げないと読者が飽きちゃうし。だからだと思うけど、思わせぶりな台詞に増える登場人物。「ツイン・ピークス」もああ終わるしか無いように、私も話を終わらせたっけ。
そんな記憶が蘇っただけにこの最後は素晴らしかった。
ちょっと唐突という気もするけど、余韻といい、素敵なラストだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1930-1931年『新青年』に連載された、
六人の作家が一章ずつ書き継いだリレー小説。
乳児期に殺人現場に放置され、無意識のうちに心の傷が残ったためか、
善人そのものといった養父母に育てられたにもかかわらず、
落ち着いた暮らしをよしとせず、スリルを求めて止まない江川蘭子の物語。
一、「発端」江戸川乱歩
蘭子の人物造形。
二、「絞首台」横溝正史
蘭子の人物像を膨らませ、複数の謎を提示。
三、「波に躍る魔女」甲賀三郎
作風が前二者と異なるので、いかに書き継ぐべきか――と、
ぼやきとも取れる前書き(笑)に続けて、新たな事件を展開。
四、「砂丘の怪人」大下宇陀児
蘭子の両親を殺害した犯人に言及するが、更に殺人事件を発生させる。
五、「悪魔以上」夢野久作
前四者による伏線を回収し、一応、読者が納得できる(?)種明かし。
六、「天翔ける魔女」森下雨村
最後にもう一捻り(?)加えてエンディングへ。
六人もの書き手がどうにか辻褄を合わせながら
無事にストーリーを着地させた印象。
面白い・出来がいい作品とは言い難いが、
これだけのビッグネームの文章を一度に味わえるところに
価値がある……のかもしれない。 -
lamplightbookhotel にて。
奇妙だけど面白い
書店にはない本って言われてテンション上がった
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イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5192061.html)
(執筆者)江戸川乱歩・横溝正史・甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・森下雨村 -
江戸川乱歩、横溝正史、甲賀三郎、大下宇陀児、夢野久作、森下雨村の合作ミステリ。
残酷なことを愛する女「江川蘭子」が巻き込まれる組織の陰謀。蘭子の周囲に現れる愛人や混血児、謎の男たち。組織をう裏切った男たちの末路。
2009年7月21日購入
2009年9月20日読了