江川蘭子 (春陽文庫 C 1-34 合作探偵小説)

著者 :
  • 春陽堂書店
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301349

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  • 江戸川乱歩
    横溝正史
    甲賀三郎
    大下宇陀児
    夢野久作
    森下雨村
    6名によるリレー小説。
    2歳の時、両親を目の前で殺害され、血の海の中無邪気に笑っていた蘭子。
    美しく成長した彼女は養父母の家を飛び出し、天真爛漫に生きる。

    乱歩の回が暗くドロドロと始まったものの、成長した蘭子は屈託なく明るい。
    それぞれの作家がそれぞれのカラーで蘭子を描く。比べながら読めるのも楽しい。
    学生のころ13人でリレー小説を描くことになり、なんでか私がラストだった。それぞれがそれなりに話を盛り上げないと読者が飽きちゃうし。だからだと思うけど、思わせぶりな台詞に増える登場人物。「ツイン・ピークス」もああ終わるしか無いように、私も話を終わらせたっけ。
    そんな記憶が蘇っただけにこの最後は素晴らしかった。
    ちょっと唐突という気もするけど、余韻といい、素敵なラストだった。

  • 1930-1931年『新青年』に連載された、
    六人の作家が一章ずつ書き継いだリレー小説。
    乳児期に殺人現場に放置され、無意識のうちに心の傷が残ったためか、
    善人そのものといった養父母に育てられたにもかかわらず、
    落ち着いた暮らしをよしとせず、スリルを求めて止まない江川蘭子の物語。

    一、「発端」江戸川乱歩
     蘭子の人物造形。

    二、「絞首台」横溝正史
     蘭子の人物像を膨らませ、複数の謎を提示。

    三、「波に躍る魔女」甲賀三郎
     作風が前二者と異なるので、いかに書き継ぐべきか――と、
     ぼやきとも取れる前書き(笑)に続けて、新たな事件を展開。

    四、「砂丘の怪人」大下宇陀児
     蘭子の両親を殺害した犯人に言及するが、更に殺人事件を発生させる。

    五、「悪魔以上」夢野久作
     前四者による伏線を回収し、一応、読者が納得できる(?)種明かし。

    六、「天翔ける魔女」森下雨村
     最後にもう一捻り(?)加えてエンディングへ。

    六人もの書き手がどうにか辻褄を合わせながら
    無事にストーリーを着地させた印象。
    面白い・出来がいい作品とは言い難いが、
    これだけのビッグネームの文章を一度に味わえるところに
    価値がある……のかもしれない。

  • lamplightbookhotel にて。

    奇妙だけど面白い
    書店にはない本って言われてテンション上がった

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5192061.html)
    (執筆者)江戸川乱歩・横溝正史・甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・森下雨村

  • 江戸川乱歩、横溝正史、甲賀三郎、大下宇陀児、夢野久作、森下雨村の合作ミステリ。
    残酷なことを愛する女「江川蘭子」が巻き込まれる組織の陰謀。蘭子の周囲に現れる愛人や混血児、謎の男たち。組織をう裏切った男たちの末路。

     2009年7月21日購入

     2009年9月20日読了

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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