- Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394700548
感想・レビュー・書評
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分け入っても分け入っても青い山
まっすぐな道でさみしい
すすきのひかりさへぎるものなし
うしろすがたのしぐれてゆくか
冬雨の石階のぼるサンタマリア
ゆふ空から柚子の一つをもらふ
ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり
ながい毛がしらが
あざみあざやかなあさのあめあがり
雲がいそいでよい月にする
はれたりふつたり青田になつた
酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく
やつと郵便が来てそれから熟柿の落ちるだけ
月がうらへまはれば藪かげ
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない
誰も来てくれない蕗の佃煮を煮る
山から山がのぞいて梅雨晴れ
食べる物あつて酔ふものあつて雑草の雨
ここにわたしがつくつくぼうしがいちにち
月も水底に旅空がある
季語があるのかどうか分からない句もあるが、貧しくて孤独な自分と自然を愛とユーモアのある視点で切り取っている。自由闊達で、侘び寂びを地でいっているような俳人。どの句も素晴らしい
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自由主義をうたう、いかなる思想家よりも
山頭火は、はるかに信用できる
というのも
かれが、自由であるということにまつわる
あらゆる無惨、あらゆる孤独を
その一身にひきうけているからである -
【内容】
短文の美、もののあはれ。
ぽつんとした切なさ、寂しさがぎっしりと詰まっています。
情趣を重んじる、悠然とした人にお薦めします。
【類別】
俳句集。
特に自由律。有季定型、新傾向も一部。
【表現】
初期のものはやや読み難いです。 -
いかなる理由をもってしても肯定ならざる生き様だが・・・・
世間のしがらみを断ち乞食に行しても、己というものに勝てない。残ったのは「アルコール中毒」
「咳がやまない背中をたたく手がない」
「濁れる水の流れつつ澄む」
「柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち」
なにげにしみじとした句がある
何十年も昔、「しってるつもり」という番組があって、それで山頭火を知りましたが、モーツァルトのクラリネット協奏曲の第2...
何十年も昔、「しってるつもり」という番組があって、それで山頭火を知りましたが、モーツァルトのクラリネット協奏曲の第2楽章が使われていて、この曲を聴くといつも山頭火を思い浮かべてしまいます。
山頭火とモーツァルト???
あー、その番組のオープニングがなにかにモーツァルトのクラリネット協奏曲第2楽章が使われていた...
山頭火とモーツァルト???
あー、その番組のオープニングがなにかにモーツァルトのクラリネット協奏曲第2楽章が使われていたのですね。
山頭火の生涯を紹介する場面で使われていました。それにしても、モーツァルトはなんでこんな凄い曲が作れるんだ!!
山頭火の生涯を紹介する場面で使われていました。それにしても、モーツァルトはなんでこんな凄い曲が作れるんだ!!