一寸法師 (創作探偵小説集)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 11
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394901341

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  • パノラマ島綺譚
    一寸法師

  • 若しも、恐怖に色づけされた時、美が一層深味を増すものとすれば、世に海底の景色程美しいものはないでせう。

    「パノラマ島奇譚」と「一寸法師」を収録。
    さほど古い出版ではないのだけど、装丁も印字もレトロで旧仮名遣いなのがとても良い。
    パノラマ〜は再読、一寸法師は初読。
    もうねえ………好き!
    どちらも悪趣味だしグロさも結構なのだけど(実際、一寸法師のデパートの場面は読んだ日の夢に出てうなされた)、どうしてだろう、いつのまにかうっとりしてしまっているのだ。
    文章の美しさと、単に読者に不快なものを見せてやろうという悪意からでなくて乱歩自身が魅せられて書いているのが伝わることが理由の何割かだろうと思う。
    パノラマは主人公と彼がなり変わった男の妻の間の複雑な愛情、一寸法師は主人公が依頼者の人妻に寄せる想い、いずれもがいやらしくない程度に作品に湿り気を与えているのもいい。
    そして一寸法師のラスト…!
    明智は人間性に問題あってこそ明智ですよね!と妙にすっきりした(笑)。
    実は一寸法師は10年以上前に、知人がトラウマ作品として挙げていたので避けて来たのだけど、読んで気に入った今となっては、何がトラウマになったのかが気になって…疎遠になってしまったのが悔やまれる。
    デパートの場面なのか、一寸法師の不気味さなのか、それとも結末なのか…。

  • 一寸法師の持つコンプレックスと、
    そこから来る世間への恨みつらみがまた不気味。
    全体に漂う気味の悪さは乱歩らしい。
    昔はこれをリライトとはいえ、
    児童書として出版していた事に今更ながら驚く。

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著者プロフィール

1894‐1965。明治27年10月21日三重県に生まれる。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。昭和40年7月28日死去

「2018年 『人間豹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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