代謝建築論―か・かた・かたち

著者 : 菊竹清訓
  • 彰国社 (2008年3月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784395012084

代謝建築論―か・かた・かたちの感想・レビュー・書評

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  • 資料ID:21600988
    請求記号:520.4||K
    配架場所:普通図書室

  • 最も印象的であったのは菊竹清訓のその鋭い大局観である。三段階の方法論を軸に、現状から未来を見つめるうえで構想を確かにし、歴史を振り返り、型を探り出す。そしてこれらから、未来の秩序を生むべく形態を導き出す。
    そのような、敷地条件や目の前の人々の生活のみに留まらない、おおらかで寛大な設計理論に感銘を受けた。

  • 名著は時代を問わない。「設計」という行為、デザインという行為を、どのような方法論で展開していくか。菊竹清訓の「狂気」は何時如何なる時代でも学ぶべき姿勢である。

  • 「か(構想・イメージ・ビジョン)」や「かた(技術・体系)」があってこその、「かたち」。しかし、すぐれた「かたち」は必ずしもつねに「か」に由来して始まるわけではない。

    --
    以下、恣意的な抄録。

    建築家は、あるべき民主主義社会の空間環境を雄大な構想で描き、かつ、これを実現できる数少ない職能である。

    建築は、民主主義の理念を基礎として作り出されるようになってきたとはまだ言えない。

    古代エジプトは、一方でピラミッドのような建造物をつくる技術を発達させていながら、鉱山の採掘技術は遅れていた。
    それは、当時の鉱山労働が奴隷によって行われていたためである。
    同じような事態が今日もないと言えるだろうか。

    中世都市の劣悪な生活環境から、いかにして近代都市としての生活環境が獲得されてきたかを見るにはロンドンがいい例である。

    1810年にはガスパイプが鋳鉄でつくられ1815年ロンドンの公共建築はガス照明となった。このため人々は公共のホールで夜集会ができるようになり、 民衆政治がそこから活発化したと言われる。
    --

    さて……

    原子力発電が「経済」的だから使われる……ということは、なるほどもっともだとも思いつつ、私の不安や生命といったものは、放射性物質による不安や不便よりも「経済」的ではないと、世間的には断ぜられるのだと改めて認識することともなった。

    要するに、私は、現代の「奴隷」身分なのだと自覚せねばならない。
    狭い居室、不快な通勤など、みな、自分が「奴隷」だと思えば合点がいく。

    モバイルやネットに媒介されて、中東でジャスミン革命が起こったように、自分の奴隷の身分が永続的というわけでもないという期待はある。
    しかし、今は、すでに「かた」は十分なのに、「か」が貧弱なため、「かたち」として結実していないのだと思う。

    広義の「建築」家による奮起と、かつての「メタボリスト」のような活躍を望む。

  • 名著の復刻版。菊竹さんを偲んで再び噛み締めて読みます。

  • 建築の方法論について、菊竹氏自身の論を述べている。
    唯一日本で行われたメタボリズムの運動について、その主要メンバーであった氏の(論理の)背景を知ることができる。

    内容については批判することあたわず。。だがこれだけの思想(「一貫した自己の行動の原理」)を展開することができる点、また本の随所に菊竹氏の知識・思考の深さを感じた。

  • 高校時代、菊竹清訓設計の久留米市庁舎と隣接する市民会館の間を毎日チャリで爆走しながら学校に通った。そして菊竹清訓が同じ高校に通っていたと知った日から、なんとなく気になって仕方がなかった建築家。今更だがついに氏の本を手にとってしまった。


    1957年から1967年の10年間に書かれた小論によって菊竹清訓の建築論が紡がれていく。
    建築設計を〈か〉・〈かた〉・〈かたち〉つまり〈原理/構想〉・〈法則性/技術〉・〈現象/形態〉の流動的な相互関係と仮定し、論を進める。
    出雲論、目に見える秩序、目に見えない秩序を語り、メタボリズムという〈か〉の思考につなげ、代謝建築という〈かた〉を生みだす必要があると言う。


    また伊東豊雄を筆頭に優秀な建築家を数多く生み出した菊竹スクール。
    今第一線で活躍する建築家たちに影響を与えたであろう思想を垣間見る事が出来るのもこの本の興味深いところだ。
    例えば形態と機能の関係について。
    「形態は機能に従う」といったルイス・サリバン。
    「美しきもののみ機能的である」という丹下健三。
    「空間は機能を啓示する」と語ったルイス・カーン。
    これに対し菊竹は「空間は機能を捨てる」と語る。
    菊竹の論では空間に特定の機能を強制させるような形であってはダメで、空間に自由に機能を発見させ、独自の選択にしたがって機能させるのが望ましいとの事。
    明らかに菊竹の系譜にはこの影響を見る事ができるし、
    また「柱は空間に場を与え、床は空間を限定する」という菊竹の言葉からは、伊東豊雄設計のsmtのランダムなチューブ状の柱と水平な床が生み出す不均質な場が頭に浮かんできたりと、興味深い本でした。

    もう数十年も前に書かれた本の復刻版なので目新しいことばかりではなくむしろ古臭ささえ漂う本でもありますが、楽しめる本であることもまた事実ですた。

  • 復刻版が出されたので、読んでみました。

    菊竹と言えば、メタボリズムグループの一員で有名ですが、彼の建築の論理、哲学が良く解る一冊だと思います。


  • この本は面白い!!

    これを読んで、さらにカーンも読むと更に面白い!!!

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