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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784395322053
作品紹介・あらすじ
近年の気候変動を鑑みると、建築をつくることは、環境をつくることと、もはや同義である。本書では建築環境デザインの手順を示し、光、熱、風、水、音といった環境を建築デザインにどう生かしていくのか、その発想のポイントをビジュアルに解説する。さらに、環境の視点から優れたデザインを実現している18事例をディテールとともに紹介。
感想・レビュー・書評
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1. 雨水利用の重要性
- 安定した降水地域: 年間を通じて安定した降水が見込める地域では、雨水利用が推奨されている。
- 気候変動の影響: 近年、過去に経験したことのない異常降雨が発生しており、気象データだけでなく、雨水排水計画に大幅な余裕が必要とされる。
2. 太陽光と温度の解析
- 太陽の動き: 各季節・時間帯における太陽の方角や高度を示した図が作成され、温度や日射量の変化を色分けして視覚化している。
- 温度と日射の関係: 各時刻の温度や日射量が、建築設計において重要な要素となっている。
3. 自然採光と日射遮蔽
- 自然採光の確保: 空間のデザインにおいて、季節ごとの日照時間を考慮した自然採光の確保が重視されている。
- 日射遮蔽の技術: 冬季でも高い日照時間が期待できる場合には、太陽熱温水パネルの利用が有効である。
4. 気候データと地域性
- 地域の気候理解: 気候データに基づくだけでなく、地元の伝承や言い伝えも考慮し、その地域特有の気候を理解することが重要視されている。
- 風向や風速の分析: 風配図を利用して、地域での風の動きを解析し、建築設計に活かすことが求められている。
5. 環境デザインの評価方法
- CASBEEとBELS: 環境性能を定量的に評価するために、CASBEEやBELSなどの評価システムが利用されている。
- ZEBコンセプト: ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの概念が導入され、建物の一次エネルギー消費量の管理が行われている。
6. 環境要素の統合的なデザイン
- 光と音、熱、風の調和: 環境要素を感性に訴える形で設計し、建築家とエンジニアの協働が求められている。
- エンジニアリング技術の発展: シミュレーション技術の発展により、建築家がデザインとエンジニアリングを横断的に扱うことが可能になっている。
7. 空調負荷の計算と対策
- 熱を扱う建築手法: 日本の伝統的な建築空間に見られる熱を扱う手法が再評価されており、特にダイレクトゲインやトロンブウォーノレなどの技術が注目されている。
- 冷暖房負荷の計算: 建物の冷暖房負荷を計算するための具体的な手法が提示され、実際の数値をもとに設計が行われている。
8. 水の利用と環境改善
- 打ち水の効果: 日本で古くから行われてきた打ち水が、周囲の温度を下げる効果があり、現代の技術と組み合わせて進化している。
- 屋上・壁面緑化: 屋上緑化や壁面緑化が気温の抑制や生態系保全、ヒートアイランドの抑制に寄与することが強調されている。
9. 音環境のデザイン
- 音の重要性: 音環境が建築に与える影響についても考慮されており、吸音材の配置や空調設計の重要性が指摘されている。
10. 未来の建築と持続可能性
- 持続可能な建築の必要性: 環境に優しい持続可能な建築が求められており、地域の気候に応じた設計が重要視されている。
- 技術革新の必要性: 新たな技術の導入や、既存の技術の改善が持続可能な開発を支える鍵となることが示されている。
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