水族館の通になる: 年間3千万人を魅了する楽園の謎 (祥伝社新書 10)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396110109

感想・レビュー・書評

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  • 水生生物のことをまとめた本は何冊か知ってますが「水族館」のいろはを教えてくれる本は珍しく感じました。

    「そうなんだ!」と思えるものも多く、1つ1つの章立てが細かく分かれているため、テンポ良く読み進めていけます。

  • 著者略歴がすごいです。(2005年当時のもの)
    > 鳥羽水族館にてアシカトレーナーを経て、巨大水族館ブームの先駆けとなった新・鳥羽水族館をプロデュース。CATVによる連続番組「水の惑星紀行」などを手がけ、2002年まで同・副館長。その後、新江ノ島水族館の監修とプロモーションに携わり、現在、同水族館のアドバイザーを務める。

    水族館についてもっと知りたい!という人におすすめの本です。とりわけ、私も年1回くらいは行っていた、新江ノ島水族館については詳しい話があちこちに出てきますので、興味深いです。

    Q. 死んだ魚は食べるの?=>A. 食べません。
    ここが面白かった(昔は食べたりしてたらしい)。

    ほかにも素朴な疑問に答えてくれるので、気になった方はぜひ。

  • たしか”新書75冊”の中からのチョイス。小さいころから水族館は好きだった。幼少期、県下にあった須磨、姫路、城崎には繰り返し連れて行ってもらった記憶がある。海遊館が出来た時の嬉しさ、実際に初めて行った時のワクワク感は、今も胸に焼き付いている。次第に自分で旅行先を決める年齢になり、子をなしてせがまれるようになり、今も尚、お出かけ先の上位は揺るがない。展示やショーが似ているのはそういう訳か。やっぱり日本の水族館は世界的にも凄いんだ。死んだ魚はまあ、食べんよな。専門知識にいき過ぎることなく、読んで楽しい内容が絶妙に選択されていて、素晴らしい内容だった。読み終わると、すぐにでもまた行きたくなる。

  • 水族館を楽しく詳しく教えてくれる本。
    印象に残ったのは、新米水族館員はホースを上手にさばけないてところ。
    これ読んでからホースを使うときは、丁寧に水抜いてから巻くようになった。巻きやすさがぜんぜん違う。

  • 先日、著者の中村さんがラジオに出演していた。
    その放送を聞いて、本書を手にした。
    水族館プロデューサーとのことで、技術畑の人かと思っていたのだが、アシカのトレーナーからキャリアを始めた人だそうだ。

    水族館の世界も、ディープである。
    展示する魚は、エサは、そして水はどこから調達するのか。
    魚はどうやって運ぶか。
    食べ残しや排泄物はどう処理しているか。
    死んでしまった魚はどうしているのか。
    ピラニアや電気ウナギの水槽はどうやって掃除するのか。
    そして、人込みを避けて水族館を楽しむには、いつ行くのがいいか。
    まったく考えもしなかった「謎」と、その答えが次々と明かされる。
    水族館は割と大らかな文化を持っていて、あるところで成功した飼育方法や展示方法をシェアするのが普通だというのも面白かった。

    魚好きだからか、日本は世界有数の水族館大国なんだそうだ。
    その陰には濾過技術や、水槽を作る素材の開発など、多くの技術が関わっている。
    現在、水槽はアクリルパネル製。
    四国の日プラという会社が、何と世界でも70%のシェアを占めるらしい。
    技術や施設は日進月歩。
    もう十年以上前の本だから、きっと今はまた少し書き換わる内容も出てきているのだろう。
    最近の話も読みたいな、と思う。

  • 安直な表現かもしれませんが、水族館版「トリビアの泉」。
    水族館や魚達にまつわる"謎解き"・"裏話"が次々と出てきます。
    明快な解説文と豊富な写真で、とても取っ付き易い1冊。

    ああ、美ら海水族館に行ってみたい…いやいやまずは新江ノ島か。
    そんな気分にさせられます。

    ※7割方読み終えた頃、ミナゾウ君の訃報に接しました。合掌。

  • 日本には150もの水族館があるそうだ。海に囲まれた島国である日本は、魚が好き。食べるのも、見るのも好きなんだ。

     以前、池袋のサンシャインに勤務場所があったことがある。同じ敷地の中に、アシカやペンギンがいた。ビルの中にある珍しい水族館「サンシャイン水族館」だ。昼休みなどに外を歩いてると、アシカらしき鳴き声が聞こえることもあった。あのビルにはいったいどれぐらいの水の量があるんだろう?この本を読んで、初めて疑問に思った。

     どんなに小さくても「水族館」と名乗れば、水族館であるらしい。昔、オオサンショウウオの「ハンザキセンター」という水族館?に行ったことがある。知ってます?オオサンショウウオは半分に裂かれても生きているという言い伝えから、長寿のシンボルなんですよ。いや、ほんとに。小さい水族館、というとハンザキセンターを思い出す。

     今や、沖縄の美ら海水族館や、新江ノ島水族館などなど人気の水族館はたくさんある。水族館の飼育員になるには?水族館のお魚は死んだら食べるの?水槽の窓が割れることはないの?などなど、大人でもちょっと気になる疑問に答えてくれる。

     都会でもふらっと水族館に行くことができる。すみだ水族館や川崎駅の上のカワスイ川崎水族館、品川のしながわ水族館、マクセルアクアパーク(品川)、葛西臨海水族園などなどいくらでも身近に水族館がある。

     アメリカに行った時にも、サンディエゴのシーワールドに連れて行ってもらった。アメリカの水族館は、ショーが水上のショーで、アシカは仕事してない。ショーのステージに、なんか小さいのがいるなと思ったら「Otter」カワウソだった。かわい子ぶりっこしてた。

     さて、どこの水族館に行こうかな?

  •  水族館プロデューサー、アドバイザーとして活躍する著者による、水族館にいる動物や飼育員の仕事について。「水族館を上手に楽しむ方法」や、「にせ水族館スタッフになれるかも」しれない水族館用語辞典というのも付録として付いている。モノクロだが写真も多く、すぐに読める。
     著者は「文系で動物のことなんかなにも知らなかった」(p.129)が、飼育員やアシカショーのトレーナーをやっていたらしい。これを読むと、水族館という場所で働く人たちは、動物をよく知ろうとする、動物の気持ちになれる、人とコミュニケーションできる、見せ方が工夫できるという素質を持った人たちで、主にエサの管理や水槽の清掃をしている、という風に理解したが、これで正しいのだろうか。
     どの業界にも裏話というのはあるけど、水族館の裏話というのもなかなか面白いし、楽しい。驚く話もたくさんあるが、なかでも動物を移動させる話で、「ラッコなどは、見るからに問題なく移動を終えたところで、ショック死することもあるので、細心の注意が必要だ。」(p.77)なんて、そんな動物もいるのか、と思った。ラッコと言えば、特にラッコの飼育が難しいという話(pp.97-8)や、「体重40キロほどのラッコが、100倍以上もの体重があるシャチの食費の3分の1程度」(p.198)という話とか、ラッコって飼うのはとっても大変なんだなあと思った。身近な魚で飼育が難しいのは、サンマだそうだ。そしてサンマの他に「驚いたらどこまでも飛んで逃げてしまうトビウオ」(p.93)だそうで、へえ。どこまでも飛んでいくのか…。
     そんなに専門的な話もなく、水族館の雑学、という感じだが、動物園・水族館好きのおれには手軽に楽しめる、そして水族館に行ったらそれまでとは違う視点で楽しめそうな、そういう本だった。一番面白かったのは「遊びの文化があるように思えてくる」(p.120)という
    イルカかなあ。たしか名古屋港水族館で、水槽の前でおじさんが踊ったらイルカもクルクルしたのを見て、めっちゃかわいいとか思ったけど、そういう性質がイルカにはあるらしく、さらに「海獣に好かれる顔」(p.121)というのがあるんだって。残念ながらおれは好かれる顔にはなっていないようなので、「ハンカチを取り出して、ガラス窓でひらひらしてみる」(p.123)というのをやってみようかなあと思った。(21/12/20)

  • 水族館の構造やそこで暮らす動物たち、スタッフたちに関する疑問を網羅的に解説している。
    水族館を訪れる前に読めば、色々な発見があるはず。
    日本が誇る最大"級"水族館ももちろん魅力的だけど、その地域に根付いた超こだわらり水族館も訪れてみたい。

  • 水族館に関してのお話。
    いい状態で見るにはどうすればいいかや
    食事の裏側なんか盛りだくさん。

    しかし、ある海獣の扱いのひどさよ(笑)
    まあ、あいつ食費えげつないし
    なにせ●●●●だし…(一応これは自主規制)

    そのほかには
    海獣のお引っ越しの際は
    どうするのかや
    死んでしまった魚の扱いは
    どうなるのか?といった疑問点にも
    答えております。

    死んでしまった魚の扱いは
    それぞれみたいね。
    まあ時に人の胃に…はあるみたいで。
    そりゃあそうよね。

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著者プロフィール

新潟大学人文学部准教授
1977年、東京都八王子市生まれ。1999年、東京都立大学人文学部史学科卒業。2009年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、博士(史学)。
八王子市総合政策部市史編さん室専門員、獨協大学法学部特任助手を経て現職。
著書・論文に、『東京の制度地層』(公人社、2015年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2016年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2017年、共著)、「1930・40年代日本の露店商業界紙『関西俠商新聞』・『小商人』・『日本商人』について」(『資料学研究』12号、2015年)、「戦災の記憶の継承と歴史資料――長岡空襲の事例に即して」(『災害・復興と資料』8号、2016年)など。

「2018年 『近現代日本の都市形成と「デモクラシー」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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