- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396110802
感想・レビュー・書評
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ビジネスの観点から日本(と世界)の恐竜文化を語る本。
八割方が愚痴でできていて面白い。
恐竜文化=オタク文化であるという論旨がメインで、半ばオタク文化を語る内容となっている。
著者は「恐竜惑星」の監修もやっており、一般に知られている「萌え」の語源(岡田斗司夫が「恐竜惑星」の「鷺沢萌」に由来するとした)を監修本人が否定していた点が一番の見どころ。(となると、由来はやはり蛍ちゃんだろうか・・・)
他、海洋堂の成り立ちやSF/怪獣オタについて熱く語るなど、何だか不思議な仕上がり。
元恐竜好きの少年としては色々悲しい気持ちにもなったが、読み応えがあり面白い本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
興味深い記述はいくつかあるんだけど、この書きぶりは自分のテイストに合わなかった。分かる人には分かる的な内輪批判を読まされるのはフラストレーションが溜まる。
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[ 内容 ]
恐竜はいつの時代も子供たちに大人気で、毎年のように開催される恐竜展は何十万人、時には一〇〇万人もの観客を動員している。
「恐竜ビジネスは、きっとビッグビジネスに違いない!」?
しかし、それは傍らから見た虚像にすぎないようだ。
恐竜をよく理解せずに恐竜展を主催する大手マスコミ、コスト偏重による粗製濫造本、模倣とパクリが横行する商業イラストレーション、瀕死の恐竜ジャーナリズム…。
著者が自らの体験と取材を通して明らかにする恐竜業界は、一般のイメージと乖離した世界だった。
恐竜は日本人に本当に理解されているのだろうか。
日本の特異な恐竜文化のありようと問題点、恐竜学のあるべき姿を展望する。
[ 目次 ]
第1章 経済的側面から見た恐竜文化(恐竜マーケットという幻想 資本主義と相容れない恐竜オタク ほか)
第2章 恐竜ブームの虚像と実像(恐竜情報大国・日本 日本人は本当に恐竜を認知しているか? ほか)
第3章 恐竜学はオタクの科学(恐竜ファンのヒエラルキー そもそもオタクとは? ほか)
第4章 日本の恐竜文化は、今(突出する日本の恐竜アート「恐竜フィギュア」 恐竜フィギュアの夜明け ほか)
第5章 恐竜学はどこへいく(恐竜学はなんの役に立つか 恐竜学と環境論の接点としての「大絶滅」 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
何年かおきに恐竜の展覧会が催され、恐竜ブームが来たと考え勝ちだが、実は商業ベースで採算をとるのは困難であること、書籍や玩具も細々としか売れないこと、昔の怪獣ブームと交じり合ってしまっていること、専門家が少ないためか誤った記述・解釈・絵が多いこと、またプロフェショナルとして恐竜学を専門的に研究する環境が整っていないこと等、日本における非常に中途半端である恐竜について様々な視点から苦言を呈している。著者はレベルの高い恐竜ファンを『恐竜オタク』と定義して、更にレベルの高いファンになることで、現在の中途半端な状況から脱して欲しいと望んでいるようである。