雨宮処凛の「オールニートニッポン」 (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 87
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396110864

作品紹介・あらすじ

「ネットラジオのパーソナリティの打診があり、そのタイトルが『オールニートニッポン』だと知った瞬間『これはやるしかない!』と即決した。ノーギャラ、しかもスタッフ全員が生粋の、もう純度100%のニート、もちろん未経験者ばかり…」。というわけで、フリーター400万人、ニート100万人といわれる現代、彼らの本音、主張をわれらが姐ゴ・かりんがひきだしていく。ゲストも多彩で、彼女の"大好きな人"ばかりが登場する。対談あり、鼎談あり、座談ありで、日本の病巣を鋭く抉っていく。「役立たずだって貧乏だって、ニートだってフリーターだってホームレスだって、生きていたっていいじゃん。存在していていいじゃん」-本書は語る。

感想・レビュー・書評

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  • 基本ネットラジオの書き起こし、対談形式でさくっと読めて笑いもあるけど実は深い。何かのきっかけ、入口としては良いか。気になった人物が一人でもいて、その後の活動をちょっとでも見てみようかと思えれば価値ありか。

  • 同じ気持ちの人がいるんだとわかって嬉しかったけど、ずっと読んでると鬱になる(笑)

  • 「ニートになるのが健全だ」をなんで不愉快と思うんだろう?それは、彼らは好きなように生きてどうしようもなくなってから福祉に頼るだろうと思われるからだ。彼らが否定し責任を逃れてきた(と、私に思えてしまうことが論点なんだけど、)社会、が整備したシステムで、私たちが彼らを負担するような気持ちになるからだ。引きちぎったパジャマお母さんに直してもらって、「お母さんとは時代が違うんだから」って気にしなくてオッケー、ありのままで生きようってそんなわけあるかよ。
    …これさすがに嫉妬じゃないと思いたいです。
    非正規雇用の問題はあるけど、なんでこう逆なでするような言い方になってしまうんだろう。福祉提供する側も必要です、「誰かが作って保持しているセーフティネットに、私たちもお世話にな(って)る」っていうのを、蛇足かもしれませんけど、明文化しといてくれませんかね。

  • ゲストとして登場する人々がどなたもなんかしらの形で貧困に関する活動をして、著作を読んだことがある方も多く貧困問題の総まとめ的な本だった。

  • 『ノーギャラ、しかもスタッフ全員が生粋の、もう純度100%のニート、もちろん未経験者ばかり…。』そんなむちゃくちゃな状況で行われたネットラジオ、オールニートニッポンの書籍化したものです。

    僕はこの本を幾度となく読み返しておりますが、まぁ読むたびに新しい衝撃を覚えます。彼らのいうことに少なからずシンパシーを感じる自分はメインストリームには決していられないんだなぁ、決してマジョリティーにはなれないんだなぁ。なんて思っている自分がいます。この番組でもっとも特徴的なものは運営しているスタッフもいわゆる『ニート』であること、よくそんなむちゃくちゃな試みができるなと思いましたが、これもインターネットの恩恵なのでしょう。

    そのときそのときに出演するゲストも多彩な経歴を持った人たちばかりで、大槻ケンヂ。湯浅誠。松本哉…。と多士済々です。こういう人たちが出てきては、現代の世界を蝕むさまざまな問題が多彩なテーマで語りつくされています。かれらのWEBサイトの中にあるコーナーのオンラインラジオでここに書かれていることが聞けるので、ネットラジオを聴くことが出来る方は一度お聞きになってはいかがでしょうか?

    しかし、自分が扱っているテーマがこういうものばっかりだと、ますます地元の人間から遠ざかっていくような気がして…。そんな危惧感を最近感じています。

  • [ 内容 ]
    「ネットラジオのパーソナリティの打診があり、そのタイトルが『オールニートニッポン』だと知った瞬間『これはやるしかない!』と即決した。
    ノーギャラ、しかもスタッフ全員が生粋の、もう純度100%のニート、もちろん未経験者ばかり…」。
    というわけで、フリーター400万人、ニート100万人といわれる現代、彼らの本音、主張をわれらが姐ゴ・かりんがひきだしていく。
    ゲストも多彩で、彼女の“大好きな人”ばかりが登場する。
    対談あり、鼎談あり、座談ありで、日本の病巣を鋭く抉っていく。
    「役立たずだって貧乏だって、ニートだってフリーターだってホームレスだって、生きていたっていいじゃん。
    存在していていいじゃん」―本書は語る。

    [ 目次 ]
    1章 ニートになるのが健全だ
    2章 意図された若者の貧困化・難民化
    3章 同時多発一揆を起こそう
    4章 フリーターの希望は“戦争”か?
    5章 私がニートだったころ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • プレカリアートな方々と、雨宮処凛のネットラジオを書き起こししたもの。
    真面目な議論から、おちゃらけまで広く扱う。
    ロスジェネの本音といった感じ。

  • ・P100〜P101
    「4つのことで時代は変わる
    ?安くて良質な住宅を供給
    ?最低賃金を上げる
    ?個人を対象にした年金
    ?ダブルジョブ」

    ・P107
    「原動力は怒り」

    ・P174 L6・7
    (雨宮処凛)「やっぱり上の世代の人たちは、頭でやってきましたよね、運動を。今起こっているのは米騒動ですよね。」

    ・P174 L8〜12
    (杉田俊介)「明治期には自由民権運動から米騒動の焼き打ちがあって、大逆事件に至る流れがあって、今はそういう感じなんですよ。たぶん、今は「楽しいサヨク」でやれるけど、今後ますます殺伐としてくるのは間違いない。きれいごとじゃなく、今以上に露骨な暴力の領域の中に入っていくと思う。冤罪で左翼が処刑されたらどうなるのか。そのときになお貫き通す心があるのかどうか。この水準から考えないと。」

    ・P175 L2〜14
    (赤木智弘)「私に対して「幼稚だ」というわけですけれども、その質問を聞いて思ったのは、それは自分でも自覚しているんですよ、例えば、大学出て、大学院出て、そういうところでは社会活動や運動やっているような人たちに対して、自分は知識もないし、ものを論じるときの論理性だとか、そうした実力もないですよ。はっきり言えば素人ですもん。ただ、素人が何でこうしてこっち(ゲスト側)にいなきゃならないのかっていうことですよね。
     だって自分としては普通の生活をしているわけですから、絶対そちら(客席)の方にいるのが自然だと思うんです。だから、ネットで例えばずっとハンドルネームで論じていて、その後本名に直して、「仕事くれ」みたいな話を書くわけですけれども、そのときに、自分が本名出さなきゃいけないところに追い込んだのは、じゃあ、誰なのかということですよね。すると、やっぱり幼稚でない人たちなんですよ、自分をここにいさせてしまったのは。そういう人たちが本当はやらなきゃいけないことをまったくやらなくて、だから、自分みたいな素人がこうやってこっちに出なきゃいけなくなってきた。それがすごい腹立たしいんですよね。」

    ・P177L2〜P179L7
    ●おれたちは飲み会の費用が出せない
    (赤木智弘)「だから、そういう運動とかに行って、話が終わって、その後、「ちょっとみんなで飲みに行きましょう」みたいな話になるわけじゃないですか。すると、そうしたところで2000円とか3000円かかるわけですけど、それが払えない人と払えない人が実はいるんですよ、そこに。今までの労働問題やっている人たちは、そこに気を使わない。」
    (雨宮処凛)「フリーター労組とかプレカリアートメーデーの飲み会って公園なんですよ(笑)。高円寺一揆はそもそも最初から路上だし。」
    (赤木)「うん、そうですね。」
    (雨宮)「飲み会に左翼のおやじとかと行くと、1人3000円くらい取るんです。あいつら。私は今は払えますよ、フリーターのときはキツかったけど。でも、払えない人がいっぱいいるじゃん、フリーターとか無職なんだから。若い人たちでやってるプレカリアート運動の打ち上げなんかではみんなで公園行って、コンビニに買い出し行って、100円でソフトドリンクもらったり、ビール飲むんだったら500円ぐらいとかカンパして、そうやって超原始共産主義みたいな感じなんですよ。そういうところから作法が違うっていうかね。」
    (杉田俊介)「そういうところに現れてしまうものもありますよね。無意識の何かが。」
    (雨宮)「やっぱり団塊の世代は金持ってるんですよ。3000円の飲み代に困るっていう、そういう世界があることをまず知らないもん。」
    (赤木)「うん。やっぱり彼らは、当然のように給料を得てきたと思うんですね。年上の人が「お金欲しい」って言うとき、そのお金というのは、自分の生活以上のものを欲しい。車だったら、軽自動車よりも普通車、普通車よりも3ナンバーっていうような。家だったら、遠いところよりももうちょっと利便性のいいところっていうふうな意味で「お金が欲しい」。けれども、われわれの場合は「お金が欲しい」というのは、普通に生活の根源的なレベルで「お金が欲しい」ということを言ってるわけでして・・・・・。
    (雨宮)「電気・電話・ガスが止まったから金が欲しいって、そういうことですよね。」
    (赤木)「その辺の違いが単純に「何かよこせ」というようなことを言うときでも、すごく隔たっている気はしますよね。」
    (雨宮)「私も左翼に入る前後、おじさん方の左翼のそういう運動に関わったりしたこともあるんですけど、フリーターだと本当にお金も時間もないから、呼ばれても会議とか集会とかに行けないんですよね。そうしたら怒られる。私は週に6日ぐらい働いていて1日しか休みがなかったから、せっかくの休みをおじさん左翼のわけのわからない会議なんか行きたくないんですよ。でも「その日休みならその日に会議」とかいって、すごく強引だし、それで飲み会に行ったら3000円ぐらい取られるし、月収10万くらいのフリーターに。
     そういうので、かなり苦労した。そこの断絶はもう10年前に経験している。今のプレカリアートの運動、当事者から始まってすごくいいと思うんですけど、それ以外の左系の上の世代の人たちとは、やっぱりどうしても断絶がある。理解されない部分はありますよね。」

    ・P201 L4〜6
    (赤木智弘)「いわゆる全共闘だとか、あの辺って、おれ、そういうこと(※社会に本当の意味で対抗しようとしている世代のこと)だとは思わないんですよ。一時的なお遊びのような感じで、ああいうの「はやった」っていう程度のことであるとおれは思っているんですよ。気を悪くさせたら申し訳ないですけど。」

  • ひとつひとつが短いので、もう少し堀さげて知りたいところなのだけれど、たぶんちょっとずつつまみ読みして知りたい所を自分で掘り下げればいいのかなと。しかし、森達也の発言が削られてたのが気になる。残業時間利用して、インターネットラジオを聴いてみようかなと。

  • ニートによる、ニートのための番組、「オールニートニッポン」。
    複雑な人生を生き、多彩な活躍をする人間たちが、雨宮処凛と対話し、人生を語る。
    登場人物は皆「ドン・キホーテ」を思わせる人ばかり。
    本当の意味での「生き方の多様性」を問い、そしてどこかの成金社長やお坊ちゃま政治家のの人生訓より面白い。

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著者プロフィール

1975年、北海道生まれ。作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』でデビュー。以来、「生きづらさ」や格差・貧困問題に取り組む。反貧困ネットワーク世話人。著書に『生きさせろ!難民化する若者たち』(JCJ賞〈日本ジャーナリスト会議賞〉)、『一億総貧困時代』など多数。

「2017年 『世代の痛み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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