経営者の大罪――なぜ日本経済が活性化しないのか(祥伝社新書276)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396112769

作品紹介・あらすじ

米国式経営に盲従し、社員との信頼関係をぶちこわし、安売り競争に走って内需拡大を怠り、超高齢社会への対応に無策。自分の利益しか考えない経営者に「ノー」を突きつけよ。

感想・レビュー・書評

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  • 勉強法の著者が批判する日本の経営者の無能っぷり。
    無形資産である人材の流出、海外進出などなど国内の労働環境を疲弊させてきた罪は重い。賃上げだって、官が主導しないとやらない。

    だが経営者側から見ると違った視点はあるだろう。
    著者は精神医だけあって、ストレスで疲弊した労働者を多く見てきたのだろう。だが、高級志向の高齢者市場を見込めというものも、介護の長期化で現代の年金生活でも不安な成りゆきでは難しい。

    円高時代に買収を進めなかった日本企業をなじっているが、極端に規模が大きくなって破綻してる企業もある。経営の視点からすれば、素人はだしの無茶な注文も多い。

    だが一読しても損はない内容。

  • 最近はまっている、和田さんの本。日本を不況にしたのは、官僚でも政治家でもなく、経営者だとばっさり。

    国際競争力をつけないと、といって、生産性を高めるため、人を切るなどのリストラを推し進めても、給料を減らすことで、内需を押しつぶすだけ。そうすると外需に頼らざるを得なくなる、という悪循環になる。

    しかも、リストラによりブランドや信用という無形資産もなくなっていき、ますます残っていけなくなっていく。アメリカ型の成果主義には、褒美と脅しで人を動かそうとするマネジメントだけれども、これでは人は疲弊する。

    全体的では、うーん、そうだよね、ということと、そうかなー?と思うことの両方があったかな。
    勝間さんも言っていたけど、この不況でのこれる大企業とのこれない大企業があるのは事実で、弛まぬ努力でブランドを維持している会社は潰れない。
    それはそうだと思うな。

    この本では、YKKやルイ.ヴィトンを挙げていました。勝間さんは虎やをあげてました。

  • 私はこういう認識を明確に持ってなかったので、本書は有用だった。行動経済学という分野も知らなかったし、その視点からの示唆は新鮮だった。

    そうなのだが、読み終わって思うのは以下のこと。

    経営者は、著者の主張を認識することはできると思う。でも、実際に、それに従うにはそれなりの犠牲があり、そううまくいかないのではないか、と思う。
    本書は分かりやすく、経営者なら認識している事実なのだと思う。でも、企業、経営ベースで修正されないのは不可能だからだろう。

    そうだとすれば、企業の外部から企業を変えるのがこれからの本筋になるんだろうな、と思う。

  • 読んでスッキリ。思っていたことをすべて書いておられると思いました。本当に今の経営者は、日本をだめにした張本人だと思います。
    短期的な利益に走り、老舗をつぶしています。伝統的なものを守るのが保守といわれるはずですが、今の日本には「保守」が死滅したのかもしれません。むしろ、左翼といわれる人々の方が、保守的なことを主張しているようにも思います。
    経営者の大罪を裁くためにも、政治を変えなければなりません。真剣に日本のことを考えているのは誰か、弱い立場にある人々を守ろうとがんばっているのは誰か、そのことが鋭く問われていると思います。

  • 確かにそうなんだけど、どうにもできないような気もする。
    デフレスパイラルを抜け出す方法はあるのか。

  • 2012/06/05 批判は正しいだろうが、案は無い

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著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。
主な著書に、『80代から認知症はフツー』(興陽館)、『病気の壁』(興陽館)、『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)、『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『老いの品格』(PHP)などがある。

「2024年 『死ぬまでひとり暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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