- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112820
感想・レビュー・書評
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韓国は日本と同様、漢字を多用した言語を持って「いた」。これがハングルに統一されたため、元の意味が失われ、ハングルの「音」だけでは意味が伝わらないケースが多い、と指摘する。
江戸から明治大正期にかけて欧米の言葉を漢字で意訳した日本産の熟語が多く韓国語に取り入れられているため、克日を国是とする韓国としては漢字を使うわけにはいかないのだろう、と。(経済、物理、など。韓国が純化と称して使用しない政策をとっているが中国語はその多くを受け入れている)
もともと漢字を使っていた国なので音だけで判別するには前後の文脈から判断せざるを得ず、語源や正しい意味がどんどん失われている、とします。例えば弥勒菩薩像、のような長い単語をハングルで聞いてもぱっと意味を取るのが難しいが、漢字とハングル混ぜることで意味が伝わる、韓国人のみならず、中国人、日本人にも意味がとれる。
この本には出てきていませんが、韓国で古い法律を改正しようにも同音異義語が多すぎてハングルだけの表記では対応できない、と聞いたことがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日の『日本語の奇跡』に続いてJ長からレンタル。これまた大ヒット。おかげさまでハングルを読むことができるので、その知識も併せて読んでいくと、実にいろいろな謎が解けた。たとえば、本書によれば、現代韓国語は和製漢語をハングル読みしたものが圧倒的に多いということ。確かに、ハングルを読むと対応する漢字が連想できて意味がすぐにわかるというケースがよくある。さらにそれは、逆に言うと、ハングルは漢字について「一字一音」が原則なので、同音異義語の識別を難しくしている。政治的な思惑もあるし、筆者も言うとおり、言語政策に口を突っ込むのは内政干渉なので、どこまで働きかけるかは議論が分かれるところだけど、日本語の漢字仮名交じり文と同じように、漢字ハングル交じり文にして、音はハングルのまま、というアイデアは採用されてもよいように個人的には思う。また、そうなると日本語も省みて、漢語と和語、和製漢語の区別という点にも目が向いたので、中国語を勉強してみたくなった。
懐古的なロマン主義ではなく、東アジアのリベラルアーツとして、自国語の良さを残しつつ、漢語の共通言語有用性は見なおされてもよいと考える。それはまた、無用なナショナリズムや子どものけんかのような領土問題を少しでも建設的に解決する糸口になるかもしれないし、相互理解を進めて懸け橋になる人材を生むかもしれないし、文化的にみても、現在実質的に唯一のLingua francaである英語への、カウンターとして、ある種の強制的なグローバリゼーションへの逆ベクトルとして作用するかもしれない。 -
【要約】
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【ノート】
・本屋で目にとまった。大丸の三省堂で。あと、久々に豊田さんの名前を見たので、というのもある。
・豊田さんと言えば随分昔に、まとめて一年分ぐらいの自家製キムチをバスタブで作るというのをテレビで見た記憶がある。あれからずっと、あるいは、あの前から韓国通だったんだろうか。 -
昔は著者のSF作品をよく読んだものでした。
この本も興味深いトピックが色々書かれていました、東アジアの言語についてはもう少し学術的に勉強したいです。 -
韓国は時間的、空間的(つまり時代や地域によって)に漢字を教えたり教えなかったりしているとのこと。
その使う漢字も、日本からの輸入物の漢字なので、韓国が漢字を復活できない理由は、一言で言えば、韓国のナショナリズム(≒反日感情)によって、妨げられている。
そして、それが韓国の発展に寄与するかと言えば、そうとは言えないと思われる。
著者も、こう言い諭している。『漢字の廃止によって、韓国人も教養の低下、語彙の貧弱化、言語の伝達の不足など、多くのマイナスを抱え込んでしまったのだ。(中略)。妙なプライドとナショナリズムだけで、反対しているときではない。他国の言語政策について、日本人が物言いすれば、反発されるだろう。しかし、漢字復活は、韓国人のためでもあるのだ。』
本書では、韓国と漢字の関係のみならず、日本語と韓国語、また日本語についての知識を得ることができるので、楽しく読めた。
ちなみに、著者は島根県立大学にも赴任したことがあるとのことで、妙な親近感を感じることができた。
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【内容(amazonより)】
キ)まれ、知識階級が使うことはなかった。日本統治時代、日本製の漢語が大量に流入する。韓国で使われた漢字熟語の七、八割は和製漢語なのナ名高い著者が、その深い謎に迫ります。
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【目次】
第一章 漢字廃止は、日本のせい?
第二章 今も続く日本語風の単語追放
第三章 ハングルは、記号にすぎない
第四章 日本語と韓国語は、姉妹語ではない
第五章 韓国語は、漢字だらけ
第六章 溢れる日本製の漢語
第七章 漢字・仮名混じり文は、世界に誇る表記法
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著者の人間を見る目が厳しく刺さりました。
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「カムサハムニダ」が「感謝ハムニダ」だった、ということすら、恥ずかしながら知らなかった。日本語から漢字がなくなって全部仮名文字だけになってしまったらさぞかし不便だと思うが…日本語の影響を排除するにはそうする他なかったということであれば何と言うか真に申し訳ない気分になる。中国でも使ってる和製漢語なんかはそのまま使ってもいいんじゃないかと思うんだけど…。
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韓国でも漢字使えばいいのに。中国語は漢字で書いてあるから見れば多少意味わかるしねえ。。。。と思うのは日本語使いの正直な感想。