- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112868
作品紹介・あらすじ
年金生活より、生活保護のほうが高収入?生活保護費の半分以上は、医療機関に流れている?日本人の61人に1人が生活保護受給者?最低限知っておきたい、その実態と矛盾。本書では、この制度にまつわる知識をわかりやすく伝え、問題点の所在を明らかにしていく。
感想・レビュー・書評
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著者は元大蔵省のノンキャリ官僚(国税庁で税金徴収の実務に当たっていたという)で、現在はライター。一般のライターよりは官僚の世界にくわしいだろうが、べつに生活保護行政の専門家というわけではない。
というわけで本書は、“ライターが比較的得意な分野について勉強・取材してまとめました”という感じの本。ゆえに専門的な深みはなく、内容もいささか総花的すぎて(何から何まで詰め込みすぎ)、食い足りない。
ただ、生活保護をめぐる問題のあれこれが、一冊の新書で大づかみに理解できる内容にはなっている。生活保護問題について知りたい人が一冊目に読む入門書としては、わりとよくできているのだ。
逆に、生活保護についてすでに何冊か本を読んでいる人には、本書は物足りないと思う。
著者の言っていることは基本的に正しくて、納得のいくものではあるのだが……。 -
今の生活保護制度は騙そうとするする者にはとても便利で、本当に困ってる人にはとても不便な制度だとか。不正受給事件、受給できず餓死や自殺の事件。受給するには「コツ」があるとか。「コツ」を知ってれば受給は簡単、でも役所は「申請させないように」あの手この手で妨害するとか。この辺は、中山七里 著「護られなかった者たちへ」が当たらずとも遠からじでしょうか。この本を読んでて頭が痛くなり、また、私たちの税金の使い方に腹が立ってきました。受給者約200万、そして非正規雇用などで約2000万の予備軍とか。打つ手が欲しいです!
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簡単に全体像がわかりました。生保の問題は国が本気で考えないと大変な事になると思った。
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小泉時代、派遣法改正や、勤労所得より配当などの不労所得を優遇したことなどる格差の拡大が生活保護者を増大させる原因となった。本人の努力だけではどうしようもない構造による格差も考慮しなくてはいけない。後、自宅があってもローンが無ければok、弁護士費用は弁護士会から補助が出るらしい。201501
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本当に必要な人にカネが行き渡らずに怖い人に申請を通すお役所仕事。
もし真実であるならば外道中の外道。
政府に対しても怒りが沸点してくる本。 -
生活保護は最低限の生活を保障するはずのセーフティーネットのはずだが、その実態は多くの問題が潜んでいることがわかる。
不正受給の話題が取り上げられがちだが、それよりも本当に必要な人に届かない現行の仕組みや、何よりも今後生活保護を必要とするであろう人の数値データが恐ろしかった。
きっと人は今目に見える問題、特に見えやすい「ずる」(不正受給など)に目や話が行きがちだが、目に見えないことや将来のことこそに本質的な問題があり、知っていかなければいかないと強く感じた。 -
タイトルに対して内容が広範囲に散っていて少々まとまりに欠ける感もある。
ただし、マスコミや政治家に見られる生活保護について語る=不正受給
になっておらず、好感は持てた。
ただし、130ページあたりに医療費について過剰診療について手口を含めて、詳細に述べているが、実際のところは64ページに書かれている、医療券の扱いがすべてであり、その運用がケースワーカーと病院で適切に行われていれば済む問題であるとも言えるため、その扱いの差はどうかと思う。 -
生活保護は金を配るだけのものではダメ。サポートできる制度を整備すれば、不正受給もなくなる。
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タイムリーな話題として読んだ。生活保護制度だけにとどまらず、社会保障にまで言及しているところに読み応えがあった。消費税増税にとどまらず、これからの日本はどうなるの?という読後感・・・