- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112875
作品紹介・あらすじ
ルーズベルトが周到に敷いた開戦へのレール。そうとも知らず和平を願い、独り芝居を演じる日本政府。この教訓から、今日、何を学ぶか!?本書は日米両国の記録を用いて、日米開戦にいたるまで、東京とワシントンにおいて何が起こっていたのか、時系列的に対比したものである。
感想・レビュー・書評
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日米関係を中心とした世界観を一変する驚愕な話。いったい事実なのだろうか。
今日、日本国民の多くが、先の対米戦争が日本が仕掛けた無謀な戦争だったと信じ込まされている
だが、事実はまったく違う。アメリカは日本が真珠湾を攻撃するかなり前から、日本と戦って、日本を屈服させ、日本を無力化することを決定していた
アメリカも日本と同じように、誠がある国だと思い込んできた。それがとんでもない間違いだったと気付くのは、ずっと後のことだった。
セオドア・ルーズベルトは、日露戦争までは、日本に好意をいただいていたが、日本がロシアに勝つと、日本を、アメリカがアジア太平洋においてもっていた、フィリピン、グアム、ハワイなどの領土や、中国大陸にあるアメリカの権益に対する、新たな脅威とみなすようになった。
ルーズベルトは、日華事変が始まると、蒋介石政権が日本と戦うために必要とする巨額の資金を提供した。
後に首相となった、近衛文麿はアメリカを訪問したときに、ルーズベルトと、ハルは極東について、まったく無知だと語っている。
昭和15年(1940年)9月末から10月にかけて、アメリカ陸海軍の暗号解読班が日本の外交暗号すべてと日本会議の暗号の一部を解読することに成功した。これ以降、アメリカは日本政府の動きを刻々と手に取るごとく、知ることができるようになった。
日本を追いつめるための政策、蒋介石政権に可能な限り支援を行う。英米が強力して日本に対して完全な禁輸を実施する。蘭印に日本へ石油を輸出させない。日本を挑発するために、日本近海に巡洋艦を出没させる
開戦前に、ルーズベルト大統領は、日本本土爆撃作戦を立案し、承認していた。
近衛内閣が日米交渉を始めた時点では、陸海軍は日米関係が悪化しつつあったものの、まだ、対米戦争になるとは思っていなかった。そして、陸海軍も日米交渉が成功することを強く期待していた。
開戦直前の昭和19年(1944年)まで日本は南洋諸島に防備を施すことが全くなかった。もし、十分な時間をかけて、これらの島々に防備を施していれば、サイパンや、テニアンをはじめとする諸島に来寇したアメリカ軍に対して、もっと頑強に抵抗することができただろう。少なくとも、短期間で奪われることはなかったはずだ。
日本は短期戦争を行う能力しか、もっていなかった。近衛首相以下の参列者の前で、模擬演習の総合結果について報告が行われ、対米英戦争は日本の敗北で終わるという判定がくだされたことが明らかにされた。
もとより、ルーズベルトは日本と戦うことに決めていたので、日米交渉が妥結することを望んでいなかった。
御前会議で、昭和帝が、「よもの海みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」が読み上げられた。平和を希求する明治帝の御製だった。
11月25日にホワイトハウスで会議が行われた 結論は、「アメリカに過大の危険を招かぬように配慮しつつ、日本のほうから攻撃せざるを得ないように仕向ける」であった。
11月26日、ハル国務長官は、野村、来栖両大使を国務省に招いて、ハル・ノートを手交した。政府と軍の誰もが、アメリカの最後通牒だと判断した。
真珠湾にのこっていたのは、アリゾナをはじめ、ほとんどが、第一次大戦からの旧型艦であった二隻の空母は出払っていた。
目次
第1部 アメリカに強要された日米戦争の真実 加瀬英明
第1章 ルーズベルトが敷いた開戦へのレール
第2章 米政府が秘匿した真珠湾の真実
第3章 日本人が知らない日本の歴史的功績
第4章 この教訓から何を学ぶか
第2部 ペリー襲来から真珠湾への道 ヘンリー・S・ストークス
第1章 100年にわたるアメリカの野望
第2章 ペリーが開けた「パンドラの箱」
ISBN:9784396112875
出版社:祥伝社
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:780円(本体)
発売日:2012年08月10日初版第1刷
発売日:2014年04月15日初版第8刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦後のGHQによって「日本が二度とアメリカに刃向わないように」と進められた教育の結果、先の大戦は「日本の帝国主義が招いた過ち」「日本軍部の暴走」などとして日本人に深く擦り込まれた自虐史観。しかし本書はこんな幻想を真っ向から否定し、「アメリカが仕掛けた対日戦争だった」と結論付ける。アメリカによる日本征服の野望は、ペリー率いる黒船艦隊が浦賀に来航して日本に開国を迫った1853年から既に始まっており、対日強硬派のルーズベルト大統領が仕掛けた大戦で勝利した結果として、マッカーサーによって日本がアメリカの属国となる「仕上げ」が完了した。 保守派の外交評論家であり、世界最古の百科事典として名高い「ブリタニカ」の日本語版である「ブリタニカ国際大百科事典」(1972年)の初代編集長を務めた加瀬氏と、フィナンシャルタイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長を歴任したイギリスのジャーナリストで、現在はNHK英会話や“本音マル出し”ぶっちゃけワイドショーの「5時に夢中!」などで人気のハリー杉山のお父上でもあるヘンリー・S・ストークス氏のお2人による「正しい歴史」講座。
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ここ半年読んだ本の中ではベスト5に入ると思われる内容。真珠湾攻撃の真実、ハルノート、ルーズベルト大統領のやったこと等。中学や高校の教科書にもし書かれていたら、日本人がアメリカに対する接し方は全く変わっていたと思われる。アメリカ人全体というよりも、欧米各国の指導者のあり方だろう。日本国憲法に対する考え方もこの本を読むと変わってくる。購入して再読するのもよいかもしれない。
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白人人種による、有色人種に対する誤った思い上がりと人種差別によって、植民地化・日本人の絶滅を意図して戦争を仕掛けた。
自分たちと同じ人間だと思っていなかったからこそ、原爆を2つも落とし、一般人の女子供などを空襲でマシンガンの的にしていたのである。
今もその戦争による傷は健在で、今の日本国憲法がいい例である。 -
戦争の犠牲者となった人々の命を無駄にしたくないという気持ちがあるが、そのために自分でできることは、「少しでも真実に近づく」ことであると考えている。今まで、東アジアに関する様々な本を読んできたが、いつもどちらかに片寄っている気がして、読んでいて疑問を感じることが多かった。「日本は悪である」という考え方がある一方で、「東京裁判は間違いである」という考え方もある。世界史の中の人種差別・植民地・戦争の歴史のひとつとして太平洋戦争を大局的に見ていきたい。
この本は、加瀬英明さんとヘンリー・S・ストークスさんの二つの視点で書かれているので、より客観的で信頼できる部分が多い気がする。世界史の一部としてアジアの歴史を学ぶにあたって、できるだけ多くの人に読んで欲しいと思った一冊である。 -
【由来】
・「プーチン最後の聖戦」で「裏切られた自由」という本が紹介されており、それは翻訳はされていないが、amazonの関連本で出てきて、結構面白そうだったので。
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
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アメリカが対日戦争(太平洋戦争)を仕掛けたその背景について探った一冊。
「ペリーが種をまき、そしてマッカーサーが刈り取った」というのは秀逸。 -
今日5月4日が三国干渉受諾の日だったことがきっかけで、読んでみました。
内容的には、「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」と重なる部分もありますが、大東亜戦争(一般的には太平洋戦争と呼ばれてますが)が日本の侵略戦争だったと信じている方や、今でも日本はアジア諸国に詫びなければならない、と信じている方に読んでいただきたい本です。
「何が真実かはわからないだろう?」と言ってしまえばそれまでですが、であれば「侵略戦争だった」「日本は詫びなければならない」と考えられている根拠についても疑うべきである、と私は考えています。 -
学校で習ってた印象と全然違うことばっかり出てくる出てくる。日本人すごいやん。
今の日本史の教科書はどう説明されてるのか気になるなぁ。当時使ってた教科書は捨てちゃってると思うから、巷で使われてる教科書読んで確認してみたい。