- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112882
作品紹介・あらすじ
昭和三十年代初め、東京・豊島区椎名町の二階建て木造アパート「トキワ荘」。入居していた手塚治虫を慕う、若く才能のある漫画家たちが次々と引っ越してきて、「トキワ荘」はいつしか少年マンガ揺籃の地となっていった。住人であった漫画家たちが、それぞれの作品で当時の思い出を綴る貴重な記録-待望の復刊。
感想・レビュー・書評
-
最近、椎名町に再建されたトキワ荘に行く機会があり、そこで紹介されていた水野英子さんの作品の続きが読みたくなり手に取った。
1969〜70年にかけて『COM』誌に掲載された漫画と対談の翠楊社版の復刊である。手塚治虫さん、藤子不二雄Aさんら、一線で活躍し続けた人たちの作品はさすがに一味違う。中でも石ノ森章太郎さんの作品は異彩を放っている。
70年雑誌収載のトキワ荘組(と大家さん)による対談は終始明るいが、トキワ荘組のすべてが漫画家として成功したわけではない。その後、筆を折りメンバーとの交流を断った方もいる。それは本書で描かれた漫画からも少しだけうかがえる。それでもやはり、藤子Aさんの『まんが道』や本書のような記録を見て、自分の青春時代と照らし合わせ、心が熱くなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手塚治虫以下トキワ荘グループがトキワ荘を振り返る漫画集。どれも興味深いが、F先生がいないのは立派だと思う。ただ巻末の座談会では出席していて、A先生曰く当時のF先生は対人恐怖症だったとのこと。親近感が湧く。
というか「まんが道」がいかにAのバイアスがかかっているかがよくわかる。藤子と石森がずば抜けていたのは間違いないようだ。
他方、赤塚不二夫やつのだじろうの劣等感も面白い。寺田ヒロオや他の作家たちは歴史の闇に消えていってしまうわけだが、彼らを発掘するのもぼくの仕事だろう。 -
70年頃に手塚治虫を含むトキワ荘のメンバーによって描かれた、共同生活とマンガ家の卵時代の想い出。各人の作品において住人の個性やストーリーが概ね一致しているのは、良好だった人間関係を表しているようだし、一部の素行不良でさえ許容する包容力には「家族」の絆を感じた。トキワ荘を定点観測した小品にマンガ家それぞれのセンスが出ている点は、本編集の読みどころ。見開き2ページだけで一話を構成する藤子不二雄、台詞を使わず表現力だけで見せる石森章太郎、中でも赤塚不二夫の作品は、破天荒ギャグの絵柄そのままながら、将来への不安や自信の喪失、仲間の励ましとサポート、そして飛躍のきっかけが描かれ、じんわり感動があった。
-
良かった。トキワ荘ものは私の創造の原体験だ。
-
十二人の漫画が読める。これで、760円(税抜き)は安すぎる。
トキワ荘に関連する作品が掲載。この中から自分に合う絵柄を見つけ其の作家の作品を読めば良い。
寺田ヒロオは、物凄く頼りになる人。
石ノ森章太郎は、物凄く映画を見る人。 -
手塚 治虫を始め有名な漫画家たちが住んだトキワ莊の思い出話が綴られています。