まんが トキワ荘物語(祥伝社新書288)

  • 祥伝社 (2012年8月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396112882

作品紹介・あらすじ

昭和三十年代初め、東京・豊島区椎名町の二階建て木造アパート「トキワ荘」。入居していた手塚治虫を慕う、若く才能のある漫画家たちが次々と引っ越してきて、「トキワ荘」はいつしか少年マンガ揺籃の地となっていった。住人であった漫画家たちが、それぞれの作品で当時の思い出を綴る貴重な記録-待望の復刊。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、椎名町に再建されたトキワ荘に行く機会があり、そこで紹介されていた水野英子さんの作品の続きが読みたくなり手に取った。
    1969〜70年にかけて『COM』誌に掲載された漫画と対談の翠楊社版の復刊である。手塚治虫さん、藤子不二雄Aさんら、一線で活躍し続けた人たちの作品はさすがに一味違う。中でも石ノ森章太郎さんの作品は異彩を放っている。
    70年雑誌収載のトキワ荘組(と大家さん)による対談は終始明るいが、トキワ荘組のすべてが漫画家として成功したわけではない。その後、筆を折りメンバーとの交流を断った方もいる。それは本書で描かれた漫画からも少しだけうかがえる。それでもやはり、藤子Aさんの『まんが道』や本書のような記録を見て、自分の青春時代と照らし合わせ、心が熱くなる。

  • 藤子Aの「まんが道」読後、ウェブで調べたり市川準監督「トキワ荘の青春」を見たりして、本人たちによるエッセイや研究所に手を出す手前の繋ぎとして、うってつけだと思って購入。
    が、うーん……。

    各人、漫画自体のクオリティもいまひとつ。余技という感じ。
    手塚のアイデアも高級とはいいがたいし、寺田ヒロオの漫画が読めただけでもよしとするか、いや石ノ森章太郎は凄みがあるぞ、水野英子の視点もよい、あとは時代がかっているかな、というくらい。
    この新書の親本は1983年と本の中に書かれている。
    もとは1970年頃にこぞって描かれた「COM」の企画ものだったみたい。
    まあ企画への寄稿だから、余技になってもやむなしか。

    雑誌掲載から一冊にまとめられるまで10年以上経っている。
    1970年当時で取り壊し云々と言われているので、その後十年くらいあれこれあったんだろう。
    この雑誌掲載が後の神話化の種になっている、そして「まんが道」の出発点になったと思えば、いいかも。

  • 手塚治虫以下トキワ荘グループがトキワ荘を振り返る漫画集。どれも興味深いが、F先生がいないのは立派だと思う。ただ巻末の座談会では出席していて、A先生曰く当時のF先生は対人恐怖症だったとのこと。親近感が湧く。
    というか「まんが道」がいかにAのバイアスがかかっているかがよくわかる。藤子と石森がずば抜けていたのは間違いないようだ。
    他方、赤塚不二夫やつのだじろうの劣等感も面白い。寺田ヒロオや他の作家たちは歴史の闇に消えていってしまうわけだが、彼らを発掘するのもぼくの仕事だろう。

  • 『漫画たちの戦争』でちばてつや氏を知り
    『屋根裏の絵本かき』でトキワ荘メンバーや赤塚不二夫氏の若いころを知り
    『まんが道』で他メンバーや寺さんの存在をしり。。

    鶏が先か卵が先か論争があるけれど
    凄いメンバーが集まったのか、このメンバーで過ごしたことで作品が生み出されたのか。。
    どの年代でどの人と出会うか、タイミング次第で無数の未来が枝分かれするのだろうなぁ。。
    職場が一番長く接するわけだけれど、職場メンバーが友人というのは羨ましい。

    巻末の座談会に赤塚氏が欠席なのがええ~という感想。
    調べたら赤塚氏の両親や寺田氏の晩年が哀しい。。

    ミュージアム化しているそうで、行ってみたい。

    手塚治虫
    →短いが、さすがの構成力。

    藤子不二雄A
    →F氏の作品はないのかな。。メンバー紹介あり、日常の一幕あり。

    寺田ヒロオ
    →彼の存在が一番だったのじゃないだろうか。作品や単行本が読めないのが切ないなぁ。。

    鈴木伸一
    →楽しそうな話し合い。

    赤塚不二夫
    →何とも初々しいイメージの青年がどうしてああなった。。???
    最後のセリフにじ~んとする。

    水野英子
    →石ノ森章太郎氏のお姉さんや赤塚不二夫氏のお母さんも登場。七か月さぞ濃厚な日々だったろうな。。

    つのだじろう
    →通い組もいたのか、人脈って面白い。

    永田竹丸
    →当時の編集者も今とはまた違う接し方だったのだろうか。。

    森安なおや
    →特徴的なイラスト。座談会では普通に馴染んでたっぽいが。。

    よこたとくお
    →石ノ森氏と赤塚氏のコンビが可愛らしい

    長谷邦夫
    →赤塚氏のブレーンだったそうで。こちらも通い組

    石ノ森章太郎
    →セリフが一切ない。。アニメやヒーローもので知っていたので漫画自体を読んだことは無かったけれど、手塚氏の作風を思い出す。

    皆、健康的な生活とは程遠かったのだろうか。
    60代で亡くなっていたりして。。。
    でも読んでいると楽しそう、という感想が一番に浮かんでしまう。

  • 70年頃に手塚治虫を含むトキワ荘のメンバーによって描かれた、共同生活とマンガ家の卵時代の想い出。各人の作品において住人の個性やストーリーが概ね一致しているのは、良好だった人間関係を表しているようだし、一部の素行不良でさえ許容する包容力には「家族」の絆を感じた。トキワ荘を定点観測した小品にマンガ家それぞれのセンスが出ている点は、本編集の読みどころ。見開き2ページだけで一話を構成する藤子不二雄、台詞を使わず表現力だけで見せる石森章太郎、中でも赤塚不二夫の作品は、破天荒ギャグの絵柄そのままながら、将来への不安や自信の喪失、仲間の励ましとサポート、そして飛躍のきっかけが描かれ、じんわり感動があった。

  • 以前住んでいた事のある椎名町にあったトキワ荘。
    そこは漫画家の聖地のような場所だったらしい。

    トキワ荘に住んだことのある漫画家達が
    その歴史を描いている。
    夢の生まれるアパートだったんだなぁ。

  • 良かった。トキワ荘ものは私の創造の原体験だ。

  • ふむ

  • 十二人の漫画が読める。これで、760円(税抜き)は安すぎる。
    トキワ荘に関連する作品が掲載。この中から自分に合う絵柄を見つけ其の作家の作品を読めば良い。
    寺田ヒロオは、物凄く頼りになる人。
    石ノ森章太郎は、物凄く映画を見る人。

  •  手塚 治虫を始め有名な漫画家たちが住んだトキワ莊の思い出話が綴られています。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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